一目見たときに感じた事は、存在感の希薄さでした。

確かにここに「在る」んだけど、「無い」ように感じる。

いままでの財布は、俺は財布だぞーー！！という主張を感じていたのですが、Tenuis3には全くそれがありませんでした。

いままで使ってきた2つ折り財布と厚さを比較すると、圧倒的に薄い。

帆布と羊革を使う事で達成した薄さわずか6mmなんだそうです。

財布を持って広げてみると、薄く軽い事が更に感じられました。

ペラペラ

これ「財布」なのかな？と思うほど。笑

カードポケットは、1ポケットにつき平行にカードが3枚入る独特な仕様。

極限にまで薄く軽くするためのこの潔さはすごいですね。

コイン入れには仕切りが設けられており、

コインを自動的に嵩張らないように整頓してくれるようです。

随所に独自アイディアが盛り込まれており、 なるほどなぁ～～！と唸ってしまいます。

札入れは仕切りがなく、隠しポケットが２つあります。

キャッシュレス時代の今、お札をそもそも持ち歩かないよね？という考えなのでしょう。

隠しポケットには、

紛失時の探索用アイテム「Tile」と、

今年のおみくじ「大吉」を忍ばせてみました。

で、さっくり入れてみて、いままで使っていた空っぽの革財布と比較しても、この通り。

Tileが嵩張ってしまっているので少し厚くなってしまいましたが、それでも半分程度の薄さです。

素晴らしく薄いです。

それでいてキャッシュレス決済メインなら、必要十分な収納力のある財布だと感じました。

使い始めて１か月ほど経ちました。

いままでポケットに財布を入れていて感じていたストレスから全て解放されました。

いままでの革財布だと、

後ろポケットに入れていたら、座るときに座りづらくて前ポケットに入れなおす作業が発生して、

前ポケットに入れていたら、見た目がモコっとして野暮ったいし歩きづらい。

というストレスを感じていたのですが、

前・後ろどちらのポケットに入れていても、シルエットや歩きやすさ、座る動作に影響がありません。

また、そもそも入れるものを厳選するようになるのでカードを探したり、中に何があるか忘れるといった事もなくなりました。

さっと出して、さっと使う。

という事が自然と身につきました。

使用感でいうとメリットしか感じていないのですが、

あえてデメリットを言うと、ポケットに入れていても存在感をほぼ感じることがない為か、忘れて入れっぱなしになってしまいそうなことくらいです。

以前までは、財布には身分証明書やクレジットカード、それにお金と、個人の財産が詰め込まれていました。

支払いは勿論、銀行からのお金の引き出し、スーパーのポイントカード、フィットネスジムでの会員カードの提示など、日々、財布を使わなければ生活が出来ませんでした。

しかし、キャッシュレス決済サービスの展開や各種サービスをスマートフォンで殆どを代替えできるようになった為、財布にアクセスする頻度が減り、比例的に重要度も下がってきているのではと感じています。

おそらくキャッシュレス決済サービスは更に進化し、スマートフォンからスマートウォッチへは勿論、顔認証などといった生体認証システムによる支払いや、無人化コンビニなどのレジを通さないシステムへ発展すると思います。

そう遠くない未来では、財布をポケットから出さず生活を送れるようになってしまう可能性すらあるかもしれません。

今、テクノロジーの発展と共に社会とが変わり、生活様式が変わることにより、財布に求められる内容がアップデートされていっています。

本レビュー製品「Tenuis3」は、キャッシュレス新時代の財布の価値と在り方を新定義する財布だと感じました。とても面白い製品です。