数年前から計画してたんです
還暦を迎えて 赤いものでお祝いするなら ターンテーブルを買おう
ただ
新たにターンテーブルを買っても、さほど稼働率は上がらないだろうな
ラックに納まっているテクニクスのSL-10はフルオート それですら あまり使わないのに
カートリッジの価格がどんどん上がっている中、ハイエンドを狙っても息切れするだろうな
そんな思いもありました
だからこそ 赤ければ スタイリッシュなら そこにあるだけで所有欲が満たされるなら
それを買おう と 計画してたんです
TechnicsのSL-10とTEACのiPod touch用デジタルドックを引退させて
リプレイスしました
LINNは買えないけど ベルトドライブが欲しかった
高校生のころ 最初に買ったのは ビクターのS字型トーンアーム搭載のベルトドライブプレーヤー
次はマイクロ精機のベルトドライブターンテーブルを専用キャビネットと共に買って
知り合いから譲り受けたGRACEのユニバーサルトーンアームG-840Bを載せました
弟はテクニクスのSL-1200を買ってたな。
自分のお店で音楽を楽しむことが中心になる中で 必然的に選んだのが
テクニクスのSL-10
完全フルオート ハウリングに強い 頼れるやつです
フルオートが必要なければ YAMAHAのGT-2000へと進んでたと思います
TRIOやDENON Pioneerにも良いターンテーブルが並んでた そんな時代です。
その当時のプロダクトは 全て世の中から消えてしまいましたが
まるでポルシェ911のように 改良を加えながら基本コンセプトを継承しつつ
世界中のファンから愛されているターンテーブルシステムが存在します
それはLINN LP12 SONDECK リンソンデック って呼んでました
当時の価格は うろおぼえながら20万円前後
今は 各種コンポーネントを組み合わせたり交換できるシステムですが 音出し可能な構成で
43万円〜 ダストカバー別売り と 流石に高価です
なんの変哲もないベルトドライブプレーヤー
テクニクスの最上級ダイレクトドライブターンテーブルが15万円なのに どうして?
当時は そう思ってました
その後 LINN社はCDプレイヤーも販売していますが
いちはやくHDDやソリッドステートドライブに落とし込む手法を提言し
現在は通信環境と送り出し側の環境の充実を見て CDとは完全に縁を切っているようです
決してダイレクトドライブ方式のターンテーブルを販売しなかったのは きっと理由があるんだろう
音を解っているLINN
自分の中で その思いが強くなり LINN社の位置づけが確定した半世紀でした
リンソンデックは高くて買えません
でも もいちどベルトドライブターンテーブルが欲しい
手頃な価格で見つけよう
赤いのがあるかな?
REGA社 と Project社 から 赤いコンパクトなベルトドライブターンテーブルシステムが出てる
ずっと気にしてたんです
私の愛用アンプ イタリア製のオーディオアナログ社のプッチーニ
輸入元のナスペックが Projectの販売代理店契約を終了して それがD&Mホールディングスに移管
それをきっかけに ProjectのEssentialの販売価格が下がっていることを知りました
調べてみると 一時LINN社のリンソンデックにはProject製のトーンアームを搭載してることを確認
あのLINNが 適当なトーンアームを選ぶはずはない きっとProject社はちゃんとしてるはず
それならProject社のエントリーモデルたる Essentialシリーズを買おうかな
昨年 EssentialⅢシリーズに ビートルズを始めとするコラボモデルの販売が始まってます
プラッターを透明アクリルに変更して
コンパクトな筐体に新聞記事や鮮やかなデザイン絵柄をプリントしたもの
サージェント・ペパーズロンリーハーツクラブバンド仕様で7万円弱の価格付け
その中 ビックカメラが真っ黒なEssentialと
真っ赤なEssentialなら17064円という驚愕の価格での販売を知ることになりました
これは もう買わなきゃ
音がどうあろうと その価格なら納得できそう、、、な気がするから。
Essential 必要不可欠は網羅
EUのオーディオ賞を受賞しているようです グロスで6キロ 本体重量は5キロ
軸受やトーンアームなど精密な機構を要するターンテーブルなので しっかりと梱包されてました
多言語と日本語専用の取説あり カートリッジを交換した時のためのオーバーハングゲージも付属
丸ゴムのドライブベルト ドーナツ盤用アダプター 交換カートリッジ用のベース
インサイドフォースキャンセラー用の重り 六角レンチ ゴム掛替時に利用するつまみ
以上が付属品
DCモーターを電源アダプターで駆動する方式なので50Hz・60Hz切り替えスイッチは無し
脱着式ターミナルブレードは日本用以外にあと2つ付属してます
集積合版にラッカー塗装を施した天板にあるスピンドル受け孔
それを下から見ると
え? これで大丈夫なの 正直に言えば そう感じた貧弱な軸受
下はとーんあから取り出した微弱な音楽信号をRCAフォノケーブルに伝える基盤部分
ケーブルの交換は改造なしには不可能な構造
モータープーリーから伝わる振動から想像すると 極端な多極仕様ではないはず
そのモーターを覆うカバーの様子
33回転は下の写真の位置にゴムを掛けます
45回転時にはプーリーの下側 より大きな直径部に掛けかえます
電源スイッチは筐体左サイドにあります オンオフだけを管理してます
インシュレーターに高さ調整は備わりません 普通のゴム式
そのインシュレーターは 筐体奥にひとつ 手前左右にふたつ 3点支持の合理的な設計
一見 カーボン製にも見える 総アルミ製のストレートトーンアーム
ウェイトを差し込み 左右に回すと それが前後します
まずは 前後方向のバランスをとって
それをゼロ位置とするために内側にあるフリー回転のダイヤルリングを回して 真上をゼロにします
そこから目盛りの数値に従ってウェイトを回すと その数字に従った針圧がかかる
おなじみの方式
昭和のオモノダチなら昔とった杵柄 取説無しで簡単に行える作業ですが
始めての人はフォノカートリッジのスタイラスを傷めないように慎重に作業してね
インサイドフォースキャンセラーは原始的な釣り分銅方式
テグスをかける位置は3段階の溝が刻まれており針圧1グラム〜1.5グラム〜2.0グラムを目安に調整
テグスは透明なので老眼鏡世代には辛い作業となります
オイルダンプ式アームリフターは標準装備 これは上げている状態
そのままアームレストにアームを納めることができます
下は下げている状態
質感も操作性も良い
アームベース自体に高さ調整は無いので ターンテーブルシートの交換や
フォノカートリッジの交換は 相手が限られます
少し残念ですが エントリー価格のモデルなので 納得しなきゃね
標準装備のMM型カートリッジは オルトフォンのOM10
スタイラスカバーに孔が開いているので 針先に付いてしまった埃に気づけやすい親切設計
ターンテーブルシートは 簡単なフェルト製 薄いものです
これは近日中に 同じ程度の薄さのブチルゴム製に交換する予定
これもアナログオーディオの楽しみのヒトツ おそらくは大きな改善が得られるはず
(結果 劇的な変化は感じられず 残念でした)
15分ごとに裏返す必要があるので ダストカバーは開けたまま でも埃はイヤ
それほど稼働率が上がらないターンテーブル
多少ハウリングマージンは下がる方向に進みますが やはりダストカバーは欲しいもの
高級ターンテーブルになると このダストカバーだけでも数万円という請求書が来ます
安価なターンテーブルの付属品ですが 想像以上に分厚いアクリル製のカバーが付属してました
差し込み式のヒンジは 質感が良くて 60度ほど上げると途中で止めることも可能でした
装着前にアーマオール処理をして静電気を呼ばないようにするのは いつもの私の習慣です
高い満足を得ました
MM型 MC型を問わず 初めてのオルトフォンのカートリッジ
SONYを始めとする多くのメーカーが
リニアトラッキング方式の読み取りピックアップを搭載しているCDプレイヤーの世界において
その黎明期において独自のスイングアーム式ピックアップを採用していた
フィリップス製のCDプレイヤー
長岡鉄男先生も独自の世界観があると高い評価を与えていました
そのCDデッキは友人が所有していましたし オルトフォンのMMも友人が所有していました
その友人宅で味わった あの 柔らかいスムースな音楽表現を彷彿とさせる 良い音が楽しめます
電子楽器で構成されたバンドを最新のデジタル録音に収めた音源には向かないかもしれませんが
ブルーノートの1959年あたりの名録音は ほんとに良い音で楽しめました
それはテクニクスのSL-10とは一線を画する音
おそらくはターンテーブルの駆動方式やトーンアームの性能に起因するものではなく
オルトフォンのMMカートリッジが支配している サウンドだと思います
でもね 状態の良いレコードなら
サーフェスノイズはおろか高いゲインを必要とするフォノイコライザーアンプ由来のノイズも
全く気になりません。
見た目の貧弱で心配していたスピンドルの軸受ですが もちろん回転ノイズは皆無
心配ないさ〜
ただ その芳醇なアナログサウンドは レコード盤次第 それが音を決めます
そして アルコールのスタイラスクリーナー
音波振動ブラシを利用したスタイラスクリーナー
レコードの誇りを取り除くフェルト式のクリーナー
不断の手入れは必須です
アナログは 使い手のセッティング 使いこなし お手入れで 大きな差が出ます
フォノケーブルは直出しで交換不可能ですが 販売価格からは想像できない立派なものでした
プラグは非磁性体の金属製 金メッキ端子
軽く捻ったアースと信号線を納めるシースは透明なパイプ状のもの
AudioQuest社のエントリーピンケーブルアルファスネークと同様の作りです
フォノ端子はアンプの中で最も微細な電流を扱うため 増幅度も大きい回路
経験上 フォノケーブルに振動が伝わると それが 聞こえる音となりスピーカから反映します
遮断された空気層が よい結果を生むのだと理解してます
何層にも防振・防磁を施すにはコストがかかりますが うまい考えだと思います
わずか2万円に届かない価格のエントリーモデルですが その何倍もの満足を得ました
よい還暦の記念品となりました
オススメしたいです
寸法:高さ:112mm×幅:420mm×奥行:330mm
質量:5kg
-
購入金額
17,064円
-
購入日
2019年09月15日
-
購入場所
ビックカメラ
北のラブリエさん
2019/09/22
私もこれとRegaが気になってました。
還暦おめでとうございます。
フェレンギさん
2019/09/22
さっそく買った次第です
還暦のお祝いのメッセージ ありがとうございます
jive9821さん
2019/09/22
個人的には、自分が使うのならメンテナンスフリーの強みがあるダイレクトドライブですが、ローコスト帯であればベルトドライブのProjectかTEAC TN-350辺りが手堅いところでしょう。
Ortofon OMシリーズはOrtofon Japanでの取り扱いはないようですが、海外では入門機の標準添付品としてよく見かける定番ですね。出来れば無垢楕円針のOM20かそれ以上が付いていると、よりクリアで明瞭な音が出てくるのですが、ここ最近のレコード針の原価を考えるとOM10でもかなり奢っているレベルとなってしまうのでしょう。10万円のTechnics SL-1500C標準添付のOrtofon 2M REDですら接合針ですし。
フェレンギさん
2019/09/22
レコードの音を聞きながら このワウワウは 自分のターンテーブルの回転ムラなのか?
って思ってたけど CDでも同じ音が出たことを思い出します
マスターがオープンリールだった時代
レコード盤外周を素早くスタイラスが走る時 マスターテープに転写している 数秒後に出る音を
聞きました
ターンテーブルを止めて スタイラスを置いて 歳代ボリュームにして ハウリングマージンを
測りながら インシュレーターの調整や 置き場所を替えたこともありました
今やソリッドステートでマスターを作る時代
それでも アナログレコードの魅力があります
大変だけど 面白い
NAの高回転型エンジンをMTで乗る あの楽しみにも似てます
良い買い物ができたと 満足してます
北のラブリエさん
2019/09/23
ちょっと前はRegaと同じくらいだったのに。
フェレンギさん
2019/09/23
それとビックカメラが DENONやYAMAHAの3〜10万円クラスのコンポを半額セールしているようなのですが その一環として 大量買付け 大量販売 のひとつに組み込まれたのかな
そんなふうに予想しつつ 買わなきゃ と 決めました
REGAとの 実際の違いは どうなのかな? と 考える余裕も無い程の価格差ですよね