先日アナログオーディオフェアに行った際に、ZYXのブースで、ZYX製のローエンドカートリッジ、R50 BloomとKENWOOD KP-9010との組み合わせについて相談したところ「極力重くて硬いヘッドシェルと組み合わせると良い」というアドバイスをいただきました。現行商品であればaudio-technica AT-LH系などが良いのではというお話しでしたので、そのアドバイスに従ってAT-LHシリーズの中でも最重量モデルである、このAT-LH18/OCCを買ってみました。
ヘッドシェルの素材も各製品ごとに様々なものが使われていますが、このAT-LH18/OCCでは「technihard」と呼ばれる、特殊アルマイト加工を施したアルミ材が使われています。通常のアルマイト以上に硬質な仕上げとなっていて、これにより高い剛性を確保しているということです。
AT-LH18/OCCは型番の数字が示す通り自重が約18gとなっていますが、実は下位のAT-LH15/OCCと本体部分はほぼ同じものです。コネクター部の素材がAT-LH18/OCCのみステンレスとなっていて、これで重量に差をつけているということのようです。
添付品には取り付けビス(3mm、5mm、6mm、8mm、10mm、12mm、14mm)と六角レンチが用意されています。この六角レンチはコネクター部の調整用として使われるものです。
リード線は型番の「/OCC」が示す通りPCOCC素材のものが標準装着されていますが、これは単売品のAT6101と全く同じものです。
昔は実売価格が5千円台半ば~6千円弱程度だったのですが、アナログパーツ値上げの際に2割以上の値上がりが入ってしまい、実売価格は7千円前後というところが相場となっています。
R50 Bloomが実力を発揮するようになった
今回の購入目的はZYX R50 Bloomの音質改善でした。
元々R50 Bloomには、同じaudio-technica製の旧型製品である、AT-LS13という自重13.4gのアルミダイキャスト製シェルを使っていました。これだと5.0gのR50 Bloomとの合計重量が18.4gということになります。一方、AT-LH18/OCCとR50 Bloomとの合計重量は23.0gということで、最大24gまで対応するKP-9010で「重め」というには丁度良い重量となるのです。
今までは自重が8~10g程度のカートリッジを使うことが多かったので、18g程度のヘッドシェルは使い途が無く、手持ちがありませんでした。
今回は標準添付のAT6101相当のリード線は取り外し、Ortofon製の7N-LW1を組み合わせました。
まず、音質面では低域方向のキレが良くなり、高域方向も金属系の音の質感が向上したように感じられます。
しかし、それ以上に劇的だったのは、45rpmの高音質レコード(溝の幅がかなり広く取られた、ダイナミックレンジが広い盤)を再生した際に、レコードの最内周で音が歪む傾向があったのですが、それが劇的に改善されたということです。オーバーハング長はどちらも大差ない(目視で51mmを少々超える程度。KP-9010の指定長は51.2mm)ようにしていますので、ヘッドシェルとの組み合わせによる差がそれだけ大きく影響したということでしょう。
ヘッドシェル一つでこれだけ改善するのであれば、もっと早く交換しておけば良かったというほどに大きな変化でした。全体的に解像度も向上したことから、7N-LW1が少しメリハリ不足に感じられていたのが全く感じられなくなった程です。
もっとも、手持ちのカートリッジでAT-LH18/OCCと組み合わせてKP-9010で使えそうなものは、他にSHURE V15 TypeIII程度しかないわけですが…。
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購入金額
6,383円
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購入日
2017年07月03日
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購入場所
Amazon
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