SATA HDDでのsysbenchの結果が見つかったので追記(2012.09.07)。
・SSDについて
届いたのはリテール版のIntel SSD。Bulk版があるのか知らんけど…
5年保証らしい。
開封するとSSDがこんにちわ。
同梱品一覧。3.5"用マウンタと接続用ケーブルなどが付属する。正直あまり良いマウンタでは無い。
SSDにはスペーサが付いており、外せば7mm圧になりそうだが、ラベルにネジを外すと保証が無くなる旨が記載してある。
スペーサを取ると付属のネジが飛び出るようになってしまう。はい、保証無くなりました。
そのままだと不便なので、ICE PACKと合体!しゃきーん。
・環境について
検証用の安鯖ML110 G7でベンチマークを行った。メモリが16GBになっている以外は、特売品と同じ。
普通のSATA HDDとだけ比較してもおもしろくないため、15krpmのSAS HDDを4台利用したRAID 0と比較を行った。
SATA HDDはST31000340NS、SAS HDDはMAX3036RC、RAIDカードはPERC H200が余っていたのでそれを利用した。
・ベンチマーク
CentOS 6.3をインストールし、ディスクのI/O速度を調べるfio 2.0.9と各種ベンチマークを行うsysbench 0.4.12の2つを使って比較してみた。
全体を"/"としてext4でフォーマットし、SSDはマウントオプションでdiscardを指定してTRIMを有効にしている。
fioはシーケンシャルリード/ライトと512kおよび4kのランダムリード/ライト、numjobs=32を設定しての4kのランダムリード/ライトの速度をそれぞれ調べてみた。ベンチマーク結果については後述する。
sysbenchはfileioとDBの2種類でベンチマークを行った。fileioでは"sysbench --test=fileio --num-threads=32 --file-total-size=64G --file-test-mode=rndrw"、DBではMySQL 5.1を利用して"sysbench --num-threads=4 --max-requests=10000 --test=oltp --oltp-table-size=1000000 --db-driver=mysql --oltp-read-only=off"の設定にした。
その後、ライセンスの問題で、Windowsでのベンチマーク用にWindows 8 Consumer Preview(以下Windows8CP)をインストールして、cdm-nanopico-x64-1.0.1を使ってベンチマークを行った。
SATA HDD、SAS HDDでベンチマークを行った後に、通常の設定でIntel SSDでも同様にベンチマークを行った。
その後、オーバープロビジョニングの設定を行ったIntel SSDでベンチマークを行った。
・オーバープロビジョニングの手順
Windows7のインストールされたPCにSSDを接続してIntel SSD Toolboxを実行した。このIntel SSD ToolboxはWindows8CPでは普通の手順ではインストールすることができなかった。
SSDを接続した状態でIntel SSD Toolboxを実行。SSDにパーティションがあるとSecure Eraseできないため、別のHDDからWindows7を起動している。
SSDを選択し、Secure Eraseを選択すると、SSDの電源を抜き差しするように指示される。
指示に従ったのち、OKボタンを押すと警告が表示される。続行ボタンを押すとSecure Eraseが開始される。
2分と経たないうちに終了する。これでSecure Eraseが終了したことになる。
テスト機ではAHCIを有効にした状態だと電源を刺し直した後にSSDを見失ってしまうため、Legacyモードで作業を行った。
続いて、SATAをIDEモードにしてHDAT2を起動しようとするが、最新であるv4.8.1の起動時にエラーが表示され、動作させることができなかった。v4.8でも同様だったため、動作したv4.5.3を選択し、HPAを行うことにした。
HDAT2を起動させるとDevice Listが表示されるため、Intel SSDを選択してEnterを押す。
Main Menuが表示されるので、SET MAX (HPA) Menuを選択してEnterを押す。
Set Max Addressが表示されるため、そのままEnterを押す。
New valueにセットしたい容量をセクタ数で入力する。今回は思い切って半分の容量を指定してみた。Sキーを押して変更を反映させる。確認が表示されるため、Yキーを押して確定する。
Device List画面に戻ると実際に120GBとして認識されていた。
容量を元に戻す際は再度同様の手順を実行し、New valueに表示される最大の値を入力すれば良い。
HDDメンテナンスツールのMHDDが同様の機能を持っているようなので、HDAT2の代わりにMHDDを用いて試してみた。
MHDDのメイン画面でHPAと入力し、HPA managerを実行する。その後、Persistent HPAを選択し、設定したいセクタ数を入力、確認にyと答えると容量制限が設定される。
元に戻す場合はNHPAを実行すれば良い。
・ベンチマーク結果
左上がSATA HDD、右上がSAS HDD、左下がSSD通常、右下がSSDオーバープロビジョニングでのCrystal Disk Markのベンチマーク結果になっている。
当然だがSSDが非常に優秀で、オーバープロビジョニングの効果か、4KQD32のWrite性能が向上しているように見える。
次はfioの結果をグラフ化したもので、おおむねCDMと同様の傾向を示している。縦軸の単位が抜けているけど、単位はMB/s。しかし、実際にはLinux環境で特にrandam性能を発揮できないSSDがあることを考えるとLinux環境でも安心して使えると考えられる。残念ながらここではオーバープロビジョニングの効果は確認できなかった。
sysbenchの結果は上記の表のとおりになっている。決まった処理の実行にかかった時間なので、速いほど良い。
SSDの速さよりも、SATA HDDとSAS HDD(RAID)の速度差が非常に大きく、極端な設定ではあるが実際の利用に近い状況での性能とfioのベンチマーク結果との乖離があることがわかる。
SSDでの比較はわずかながらオーバープロビジョニングを行ったSSDが優れているようである。
これらから、実際の使用に近い環境でもSSDが優れた性能を発揮することが確認できる。
・その他
結果を纏めている際に気づいた事だが、使用したWindows 8 Consumer Previewより新しいWindows 8 Release Previewが利用可能だったことと、PERC H200のFirmwareバージョンが古かったことがあるが、気づいたときにはレビューの締め切りまでの残り時間が無かったため、やり直せなかった。
なお、SASのRAIDカードをHBAとして利用しているときには、Intel SSD ToolboxでSASに接続したSSDを正常に認識しておらず、操作もできなかったのが気になった。
オーバープロビジョニングは容量を犠牲にして性能を稼ぐようなイメージがあるが、長期利用した場合に、寿命や信頼性としてどのような影響が出るのか気になるところである。
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