この度は、ジグソープレミアムレビュー「インテル(R)SSD 520をオーバープロビジョニングでチューンナップ!のレビューアーに選出戴きありがとう御座いました。
関係各位の皆様方に深く感謝致します。
8/10の読むとト?クする!? zigso?w weekly mailに、オーバープロビジョニングでチューンナップ!!「インテルSSD 520 480GB または 240GB」
◆目指せレビューアー!ぷちヒント◆
高画素数のデジカメをもちものに登録するとレビューアーに選ばれやすくなる!?
と記載がありました。
たまたま、欲しかったデジカメ
(Nikon D800E 3,630万画素)
が8/13に運良く購入できたので、zigsowへの登録と共に、SSDのレビューアーにもエントリーしました。
まさか、本当にレビューアーに選出頂けるとは… ありがとうございました! 高画素数のデジカメを登録した賜物です。
早速レビュー商品の紹介です。
先ずは、パッケージです。
インテル製SSDは、320シリーズ 120GB,311シリーズ 20GB、520シリーズ 120GBx2とこれまで4基使ってきましたが、初めてのリテール版パッケージです。
味気ない茶段のバルクパッケージと異なり、ちょっと豪華な感じがします。
3.5インチマウンター,SATAケーブル,電源ケーブル,CD-ROM(取り付けマニュアルと保障規定),マニュアル,ネジ類,ステッカーが付属します。
基本的なスペックは、
シーケンシャル リード 550MB/s(550MB/s)
シーケンシャルライト 520MB/s(275MB/s)
4KランダムIOPSリード 50,000
4KランダムIOPSライト 42,000
です。(括弧内の値は非圧縮データ時)
今回のレビューミッションは、
1) オーバープロビジョニングする手順を詳しく紹介(Secure EraseやBIOSの設定等も含む)。
2) オーバープロビジョニングをする前後で書き込み速度の向上にどれくらい効果があるか測定(RAW現像)。
3) オーバープロビジョニングをする前後で CrystalDiskMark Nano Pico Edition を使って、スコアを比較。
PC本体のSATAポート以外に外付けドライブとして、の計測も行います。
4) オーバープロビジョニングをする前後でRAIDシステムの比較を行う。
の4つのテーマで行いたいと思います。
オーバープロビジョニング(Overprovisioning)とは、予備領域を多く持つことでガベージコレクションの効率を高める技術だそうです。
SSDにおけるスペア領域に関しては、HDDでも代替えセクター領域があるように、予備領域を持つことで信頼性の向上を図ることは知っていました。
しかし、このスペア領域を拡大することで、SSDの性能向上が図れることは、今回初めて知りました。
なぜ、スペア領域を拡大すると、SSDの性能が向上するのか?
WEBで色々調べてみましたが、スペア領域をフラッシュ領域として使うことで、書き込み性能の低下を解消するもののようです。
ご存知の方も多いと思いますが、MLCのSSDでは、書き込みの際、ブロック単位で消去を行った後、書き込みを行いますので、ライト性能はどうしても下がってしまいます。
そこで、フラッシュ領域を活用した書き込みが行われるのではないでしょうか?
インテルのSSDの中で、エンタープライズモデルである710シリーズでは、スペア領域が20%程設定されているようです。
今回レビューさせて戴くSSDは、480GBの容量ですが、多分、512GBモデルで、スペア領域を32GB(6.25%)設定されているものだと思われます。
512GB SSDで、スペア領域をエンタープライズモデル同様20%に設定すると、409GB容量のSSDにする事になります。今回のレビューでは、スペア領域を20%程度確保することで、どの位の性能向上が得られるか試してみたいと思います。
今回のレビューテーマは、SSDの性能向上を測定することにあるので、なるべく高性能のPCで、SSDへのリード/ライト以外の動作で足枷をつくらないようにしたいと思います。
CPU Intel Core i7 3960X Extream Edition (6C/12T)
CPUクーラー Thermaltake Bigwater A80 (簡易水冷)
マザーボード ASUSTeK P9X79 DELUXE (LGA2011)
メモリ G.Skill F3-19200CL11Q-16GBZHD (DDR3-2400 4Gx4=16GB)
グラボ ASUSTeK GTX680-2GD5(GeForce GTX680)
電源 ENERMAX EPM-1000EWT
仮想ドライブ ZALMAN ZM-VE200-BL (Virtual HDD Drive)
起動ドライブ Intel 520Series 120GBx2 (RAID-0)
Intel 520Series 120GBx2 (RAID-0)
オーバープロビジョニングを行うためには、
1) インテル SSDツールボックスでセキュアイレースを行う
2) ATAコマンドの、SET MAX ADDRESSをSSDに送る
上記の2STEPが必要です。
まず最初に、必要なツールを揃えます。
インテル SSDツールボックス
ダウンロードしたインテルSSDツールボックスは、ウィンドウズへのインストールを行なっておきます。
HDAT2
左側の"Download"をクリックします。
赤枠で囲んだアプリのリンクを右クリックで、"対象をファイルに保存"します。
HDA2ISO_49B1_LITE.EXEと書かれたリンクを右クリックして、対象をファイルに保存し、実行すると、
hdat2_v49b1_lite.isoという名前のディスクイメージファイルが出来上がります。
あとは、ライティングソフトでイメージファイルを展開して、起動用CD-Rを作成します。
HADAT2というアプリは、ATAコマンドを使った、ATA機器のテスト及び診断プログラムのようです。
私は、CD-Rを焼いて起動に時間を要する光学ドライブでの起動が面倒なので、仮想CD-ROMとしてマウントできる、仮想ドライブ機能付きHDDにISOファイルを記録して、HDD上の仮想ドライブから起動します。
それでは、オーバープロビジョニングの手法を解説します。
まず、SSDをセキュアイレースします。
セキュアイレースは、言葉のとおり、完全消去(すべてのデータエリアに対して消去=書き込みを行う)を意味します。
SSDに対してセキュアイレースを行うことで、経年変化による速度低下をリフレッシュできますが、容量一杯の書き込みを行うので、頻繁に行うとSSDの寿命を短くしてしまいます。
インテルSSDツールボックスでセキュアイレースを行う前に、SSDのパーテーションを削除します。
コントロールパネルの管理ツールからコンピュータの管理を起動し、ディスクの管理を選択します。
対象ドライブを右クリックして、ボリュームの削除を選択します。
次に、セキュアイレースのためインテルSSDツールボックスを起動します。
通常は、このように、ドライブの使用率を示す円グラフが表示されますが、今回は、ボリュームを削除しているので、
ドライブの使用率を示す円グラフは表示されません。
対象のSSDを選択して、左タブのSecure Eraseを選択します。
先ず、セキュアイレースに関する説明が表示されます。
消去ボタンを押すと、一度電源を外して再接続するよう促されました。
非常に分かりにくい表現(多分直訳)ですが、私は、電源とSATAケーブル両方を一度SSDから外して、再度接続後"OK"ボタンを押しました。
暫くの間、システムのスキャンを行った後、セキュアイレースが始まりました。
暫く時間がかかりましたが、これでセキュアイレースの完了です。
インテルSSDツールボックスでのセキュアイレースができなかった方や、他社のSSDでセキュアイレースを行いたいチャレンジャーの皆様方は、diskpartのclean allコマンドでセキュアイレースが可能です。
diskpartのコマンドで、ドライブを選択後、cleanを実行すると管理領域のみの消去になりますが、clean allを実行すると、全エリアに"0"データを書き込みます。起動ドライブ以外であれば、USB接続でも可能です。
また、OSのインストールディスクを使ってDOSプロンプトからdiskpartを実行すれば、起動ドライブに対してもセキュアイレースが可能です。
間違ったドライブに対して実行してしまうと、悲惨な現実が訪れます。くれぐれもご注意の上、自己責任でお願いします。
申し訳ありませんが、この方法は、ある程度の知識が必要なので、詳細な記述は敢えて行いません。
次に、HDAT2を使って、オーバープロビジョニングの設定を行うわけですが、その前に、SSDの接続をIDEに変更します。
まず、PCのBIOSを起動します。
ASUSTeK P9X79 DELUXEのUEFI BIOSでは、EZモードからアドバンスモードに変更します
Advancedタブから、SATA Configurationを選択します。
SATAModeを、IDEモードにします。
Serial-ATA Controller 0を、EnhancedモードからCompatibileモードに設定変更します。
BIOS設定の変更を保存して、再起動を行います。
仮想CD-Rを起動します。
動画にまとめましたので、ご覧ください。
YouTube Direct
操作は非常に簡単です。
私は、ノートPCを使って、オーバープロビジョニングの設定を行いました。
(簡単にパネルが開けられ、SSDの脱着がとても楽なので…)
一般的には、HDAT2のイメージを展開したCD-Rをドライブに入れ、PC起動時に起動ドライブの選択を行い、CD-Rを選択すると、CD-RからDOSが起動します。
DOSが起動した後、HDAT2アプリの入ったホルダーに移動して、"HDAT2"と入力してCRで、HDAT2が起動します。
以上で、480GBのSSDをオーバープロビジョニングにより400GBのSSDに設定する事ができました。
今回、オーバープロビジョニングの効果測定に、高画素デジカメのRAWデータをバッチ処理で、JPEGに現像する作業で検証を行います。
使ったツールは、
Nikon Cpture NX2 (64bit版)
Nikon D800Eで撮影した、RAWデータ 224コマ 約8.68GB
RAWデータは、3,630万画素 14bit 可逆圧縮で、13MB~65MBのファイルで、平均約40MBです。
RAWデータをインテルSSDに保存し、JPEG現像データもインテルSSDに保存します。
まず、RAWデータ 8.68GBファイルを、SSD内で、別のフォルダにコピーする速度を測定しました。
次に、Nikon Capture NX2で、SSD内の特定フォルダ内のRAWデータを別に設定したフォルダに現像してJPEG画像を書き込むバッチ処理を行わせました。
結果としては、
SSD内コピー(224file 8.68GB 3回平均)
デフォルト状態で、28.83秒かかり、オーバープロビジョニング後は、27.86秒で終了しました。
計測時間では、1秒にも満たない差ですが、3.5%程の速度向上が見られました。
コピー速度は、346MB/sという素晴らしい速度が出ています。
バッチエンコードでは、デフォルト状態で、19分28秒38かかり、オーバープロビジョニング後は、19分15秒19で終了しました。
エンコード処理では、RAWデータ読み込み > 現像(JPEG) > JPEG書き込みの繰り返しで、読み込み時間,書き込み時間に対して、現像処理に要する時間の比率が高いためか、1.13%程度しか高速化しませんでした。
エンコード中にタスクマネージャーでCPUの利用率(12スレッドを1つのCPUとして表現)をみても、その様子が伺えます。
よくよく考えたら、RAWデータも圧縮データ,現像したJPEGデータも圧縮データでした。
インテル 520シリーズでは、差の出にくいベンチマークでした。
測定は、データサイズ1,000MBで、ランダムデータと0 fillデータで計測しました。
接続は、内部SATA3接続,eSATA接続,USB 3.0接続で計測しました。
eSATA接続及びUSB 3.0接続は、外付けHDDケースを用いて行いました。
結果としては、
USB 3.0ケースでは、
ランダムデータ、0 fillデータ共にオーバープロビジョニングの効果は余り確認できませんでした。
ランダムデータでシーケンシャルライト性能が30%程度向上しました。
eSATA接続では、
シーケンシャルライトで大幅な性能ダウンが確認できました。また、0 fillデータでは、512Kサイズのデータでも性能の低下が認められます。
しかし、4K QD32データでは、読み込み,書き込み共に大幅な性能向上が認められます。
eSATA、USB 3.0共にAS Mediaのチップなので、ドライバー含め完成度の問題があるのかもしれません。
内部SATA3接続では、
ランダムデータで、シーケンシャルライト性能と512Kデータライト性能の向上が認められました。
インテル 520Series 120GBx2(RAID-0)を起動ディスクとして6ヶ月以上運用したもので、オーバープロビジョニングの効果を確認したいと思います。
既に運用中のシステムにオーバープロビジョニングを施す場合、ちょっと面倒です。
一般的には、システムのバックアップを、オーバープロビジョニングしたSSDにレストアすれば良いのですが、Windows 7のシステムバックアップでは、容量の少ないシステムにはレストアできません。
X79チップセットを搭載したマザーボードでは、インテル ラピッドストレージ テクノロジー エンタープライズというバージョンが使われます。
そのため、X79チップセットを搭載したマザーボードでは、OSインストールや、バックアップのリカバリを行う際に、ディスクのドライバーを別途読み込む必要があります。
ちょっと面倒です。
まずは、ボリュームの縮小を行います。
コントロールパネルから管理ツール > コンピュータの管理 > ディスクの管理と進みます。
120GBx2のRAID-0で、212.3GBのシステムドライブになっています。
このドライブにカーソルを合わせて、右クリックでボリュームの縮小を選択します。
最大、88,275MBのボリューム縮小ができそうなので、取り敢えず、目一杯の88,275MBのボリューム縮小を行います。
縮小作業が終わると、86.21GBの未割り当て領域ができました。
この状態で、一度システムのバックアップを取ります。
コントロールパネルのバックアップと復元から。システムのバックアップを行います。
バックアップが終わったら、POST起動時にCTRL+Iで入るRAID設定で、RAIDボリュームを解除します。
一度RAIDボリュームを解除しないと、SSDを単独で接続した際に、容量がRAID-0の容量として認識される等のエラーが出たりします。
480GB SSD同様の手法で、HDAT2アプリを使って、HPA(Hidden Protection Area)エリアを、2基共に250,000,000LBAに設定します。
設定が終わったら、再度、POST起動時のRAID-0でRAID-0ボリュームを作成し、バックアップからレストアします。
レストア後に、コンピュータの管理から、ボリュームの拡張を行い、残りアリアをシステムドライブに設定します。
オーバープロビジョニングの前後で、システムドライブの容量が、212.30GB > 189.60GBに変更されました。
RAID-0でのCrystal Mark Nano Pico Editionでは、リード,ライト共にスペックの向上が見られました。
シーケンシャルリード性能の向上は、オーバープロビジョニングの効果ではなく、セキュアイレースの効果ではないでしょうか?
運用開始から半年以上経過したSSDなので、セキュアイレースを行うことで、当初のスペックにリフレッシュされたのではないかと思います。
一方、ライト性能の向上は 0 fillの4K QDデータが顕著に向上していました。
今回、初めてセキュアイレースやオーバープロビジョニングを行いました。
普段なかなかできない作業なので、レビューという機会を戴き有難く思っています。
今回レビューさせて戴いた、インテル 520シリーズ 480GB SSDは、発売から半年以上経過した現在でも、トップレベルの性能を発揮できる素晴らしいSSDだと思います。
現在運用中の、520Series 120GB SSDと併せて、大切にレビューを継続させて戴きたいと思います。
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