「創世記」から「コーラン」、プラトンから「海舟座談」までをも網羅する知の宝庫、岩波文庫のカテゴリー青帯。
お富さんもおっしゃっておりましたが、私の場合も「難しい」事に魅力を感じた10代に、背伸び感覚で手にとって読み始めました。
当然、何を述べた本であるのかも怪しいまま、単に読了したことで満足感を得て少しばかり偉くなった様な気分になっておりました。
曹操によって13篇にまとめられたといわれる「孫子」。
こちらは注釈から付録を含め200頁足らずの薄い本です。漢文、読み下し、現代語訳で非常に読み易くなっております。
著者が孫武であるのか孫臏であるのかなどの議論は学者さん達に任せておいて、現代社会に生きる私達の生活にも通用する素晴らしい名著。
私がこの本を2度目に読んだのは、職場の部署リーダーを務め始めた30歳頃。
以来、無造作に頁を開き読むことしばしば。
勿論、戦争を職業にしているわけじゃありません。
仕事を進めてゆくにあたっての心構え?をこの本からずいぶん教えてもらっているように感じます。
「策を弄する者は策に溺れる」なんて言葉もありますが、冷静に状況を見極めて事の筋道を作り「策」を練る事も大切。
とくに私は「猪突猛進」型だと自覚しておりますので・・・。
漢文(読めませんが)って、簡潔で静かに、時に激しく伝えたい事柄を肉感的に表現する文章だな・・・なんて感じます。静謐でありながら、すぱっと名刀で居抜きをかけるような・・・。
近頃も、静かな中でこの本を開くことが多いです。
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購入金額
630円
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購入日
不明
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購入場所
お富さん
2010/10/08
私も仕事や私生活で本当に自分はどうあるべきなのかという事を見つめ直すために、この孫子には相当お世話になっております。
幾度も読み返せる1冊ですね。
vingt-et-unさん
2010/10/09
この青帯アーカイブが、深遠なる淵を覗く作業になるのかも?!
>自分はどうあるべきなのか・・・。
近頃、「生きていること=自分を見つけ出す旅」のよう思えることが多くなりました。
そんな中、名著に触れる心境が少し変化しました。
文章の行間にもまるで言葉が埋め込まれているような・・・「孫子」はそんな本でもあったりします。