実はPowerShotはこの前モデルであるS90に惚れこんで愛用していたのだが、
背面コントロールホイールの節度感の無さに辟易していた。
・・・というよりも、あの勝手にいつの間にか動いてしまっていて露出が狂ってしまっていた事に撮影後になってから気づく、という事象にあまりにも頻繁に出くわす事が、実用的に困り者だった。
CanonのPowerShot 「S」シリーズのモデルチェンジサイクルはそれまで数年はあったから、まさかこんなに早く殆どマイナーチェンジ?という感じのS95が出てくるとは思わなかった。
パッと見どこが違うの?という位、両者の外観上の変化は少なく、それだけ、中身のブラッシュアップに力が注がれた事が判る。(実際、外観とてボディ自体まるで違う金型から成形されているので実質フルモデルチェンジなのだけれど、元々のシンプルなデザインを崩さず、そこまで仰々しく謳っていない点が奥ゆかしくもあり好感が持てた)
問題の背面ホイールの節度感は、「うん、コレだよコレ」とほくそ笑んでしまうくらい納得。
数少ない個人的にあまり気に入らない点を挙げれば、軍艦部(上面パネル)の表面処理が、S95のシボ入りから、プラスチックそのまんま、ツルンとしたまるでノートPCのキーボードの用な質感に変わってしまった点と、シャッターボタンのこれまた表面処理(S95では同心円状のヘアライン仕上げだったのが、ツルンとしたプラスチック剥き出し状態に)とその面積(S95より確実にボタン自体が小さくなってしまった)の変化ぐらいだろうか。
節度感なくクルクルと回ってしまうコントロールホイールの使い勝手の悪さによるストレスに比べたら、これら外観の多少の変化はまだ全然許せてしまう。
そんな事から、「え?もう買い替えたの?」と他人から言われそうで本当は嫌だったのだけれど、外観も殆ど変らないし…こっそりとS95へと買い替えてしまった。
実際使ってみて、S90で感じていたフラストレーションは一気に解決した。
Canonさん、最初からコレで出してよ、って感じ。(中身のブラッシュアップは殆ど無いに等しいんだから…)
仰天したのはその後「お約束」の様に(クルマのモデルチェンジサイクルよろしく)、あっという間にS100が出てきたこと。
変なハナシだが、90とか100はキリのいい数字だけれど、95というのはその間、過渡期の機種という感じがして、なんとなくいい気はしない。
けれど、期待のS100はCanon自製のCMOS(それまでのCCDから一気にチェーンジ!)引っ提げて、焦点距離も35mm換算で24-120mmと、一番美味しい(28-105mm相当のS90,S95ユーザからすれば地団太踏んだりする点である)画角のレンズが与えられ、しかも本体は更に一段と薄くなったけれど、(個人的にはちょっと薄過ぎるんじゃないか?とさえ思える)
やっぱりこれだけのフルモデルチェンジともなると、不具合はつきもので、いろいろ困った事になっているらしい。
そう考えると、S90で充分勉強して良い所は伸ばし、悪い所は改善し、あえて世に出したS95という機種は、上記の如く後から振り返れば過渡機種だったのかもしれないけれど、クルマで言えば964型PORSCHE911の様なもので、空冷最終の993とノンパワステ,信頼性の低いエアコン(クーラー)装備の930との間の立ち位置に似ている気がしてしまう。
S100では露出補正がダイレクトに背面コントロールホイールでは出来なく、メニューから一階層入ってからでないと出来ない、といった実用上非常に使いづらい点もあったりするので、なんでも『新しければいい』というものでもないんだなぁ、等と手元にあるS95を眺めてしまうのである。
因みに、S90時代からCanonからは専用の革ケースを出していたが(私はそれを使っていた)、S95用のケースはS90用と違い角ばってないので、これも結構好印象だったりする。
写り? 所詮コンデジです。S100は勿論(←耐ノイズ性の面で)、SONYサイバーショット DSC-RX100とか、気になる機種はそれなりにありますが、どんぐりの背比べ。本気で撮る時はD700(一眼)を使うので、まるで問題外です。コンデジとしてはこれだけ写れば十分なのではないでしょうか。
コンパクトで、いつでも常に携帯できて、しっかり撮影者の意志も入れる事が出来、『それなりに』写りもいい。道具に徹している。コンデジはそれでいいんじゃないかなぁ、と思うのです。
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購入金額
30,000円
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購入日
2011年10月14日
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購入場所
カメラのキタムラ
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