今回のプレミアムレビューは、アイ・オー・データ機器のWN-AS1167GRという無線LANルーターです。
IEEE802.11ac規格に対応し、理論値で867Mbpsという高速通信が可能な無線LANルーターです。
アイ・オーデータ独自に「360(さんろくまる)コネクト」機能を搭載し、上下、左右、前後の全方向に四角を作らないことが特徴です。
更に、ビームフォーミング機能を搭載。
内蔵されている2本のアンテナで、受信側に電波が重なり合うことで、安定した通信品質とノイズによる速度低下を防いでいます。
今回のレビューのお題は、「通信速度の比較」です。
WN-AX1167GRの他に、4台のac機を用意しました。
前列WN-AX1167GRの隣が、TP-LINKのArcher C7。
後列右から、バッファローのWZR-1750DHP2、WSR-1166DHP、TP-LINKのArcher C20です。
それぞれの仕様は、リンク先で参照して下さい。
これらの5機種で、通信速度の対決を行います。
検証方法は、これらの無線LANルーターに有線で接続されたデスクトップパソコンと、こちらのノートパソコン間での、単純にスループットの計測。
内蔵の無線LANには、intel Dual Band Wireless-ac 7260が使われています。
使ったツールはiperfです。
このiperfでの速度計測は、デスクトップパソコンをサーバー、ノートパソコンをクライアントとしました。
サーバー側でコマンドプロンプトを開き、iperfをサーバーで起動。
C:\>ipref -s
クライアント側でもコマンドプロンプトを開き、iperfをクライアントで起動。
C:\>iperf -c [サーバーのIPアドレス]
通常これだけでスループットの計測が行えます。
ただし毎回使われるポートが違うので、ポートを固定し、パケットサイズを64KBに固定。更にデフォルトでは、10秒間連続のデータを送信しますが、これを20秒に設定。
C:\>iperf -c 192.168.0.19 -p 2000 -l 64000 -t 20
このコマンドで、設定した内容で測定が開始します。
こちらがサーバー側のデスクトップパソコン。
クライアント側のノートパソコンで、使うポートを固定したので、こちらでもポートの設定が必要です。
C:\>iperf -s -p 2000
これで相互が通信可能になりました。
検証は、5回計測してその平均値を算出しました。
無線LANルーターは、デスクトップパソコンのある、2階の一室に固定。
ノートパソコンを使って計測したのは、同じ部屋、隣の部屋、そして階下のリビングの3カ所。
5台×3カ所なので、15回の計測をしました。結構大変でした。
検証結果
無線LANルーターと同じ部屋
やはりアンテナが大きいArcher C7やパワーの大きいWZR-1750DHP2の速度には届きませんでした。
しかし、この差というのは、誤差と言っても過言ではないでしょう。
隣の部屋
ここでも同じ傾向が出ています。
階下のリビング
注)Archer C20は、LANポートが全て100BASEなので、このような結果になっています。
面白い結果となりました。
上位3機種が横並び。
Archer C7にはビームフォーミングは搭載していません。
WZR-1750DHP2はビームフォーミング搭載ですが、WN-AX1167GRの「360コネクト」のような機能はないはずです。
Archer C7とWZR-1750DHP2は、WN-AX1167GRよりハイパフォーマンスモデルに当たりますが、WN-AX1167GRはそれらに肉薄したパフォーマンスを発揮しています。
やはり「ビームフォーミング」と「360コネクト」の恩恵なんでしょうね。
追記:子機(今回のレビューではクライアント)側のビームフォーミングが非搭載であっても、親機側にビームフォーミングが搭載してあれば、通信品質の向上が望めるという認識があったので、今回のレビューでは、ビームフォーミングを常時ONにしていました。
OFFにしたらどうなのか?という質問があったので、検証してみました。
レビューで使ったノートパソコンとは違うものを使いました。
このノートパソコンも、標準の無線LANからintel Dual Band Wireless-ac 7260に換装しています。
サーバー側。
上の5つがビームフォーミングON。
下の5つがビームフォーミングOFF。
(画像を開いてもらうと、詳細なデータが確認できます)
クライアント側。
ビームフォーミングをOFFにしたら、一度無線接続が切断されたので、再起動後に再測定しました。
わずかの差と思っていましたが、これほどにも差が出るとは思っていませんでした。
やはり、子機側のビームフォーミング搭載、非搭載にかかわらず、ビームフォーミング機能はONにしておくことおすすめします。
11ac搭載のZenfone2でも検証してみました。
Android版iperfを使用しました。
ビームフォーミングONとOFFでは、約20%のスルートップの差を確認できました。
当然、ビームフォーミングOFFのほうが、20%低いスコアです。
ハイパフォーマンスモデルを買わなくても、十分な性能があります!!
今回の検証では、インターネット回線でのスピード測定は、行いませんでした。
インターネット回線でのスピード測定を行うと、回線の太さや回線の混み具合などによって、無線LANルーターの性能を正しく検証できないからです。
WN-AX1167GRの検証結果をそのまま表現すると、ハイパフォーマンスモデルを買わなくても、それらに匹敵する十分な性能を持っている無線LANルーターと言えるのではないでしょうか。
WN-AX1167GR。
侮れない存在です。
mkamaさん
2016/05/16
http://www.iodata.jp/product/network/wnlan/wn-ax1167gr/sp...
をみると
intel Dual Band Wireless-ac 7260ってビームフォーミングに対応していないみたいです。
ナンチャンさん
2016/05/16
双方向がビームフォーミングに対応していたほうがベストですが、親機のほうだけでも、スループットの向上はありますよ。
mkamaさん
2016/05/16
izappyさんのレビューをみると
http://zigsow.jp/review/512/316868/
設定でビームフォーミングをON/OFFを切り替えられるみたいですが、
やってみると非対応の端末でも効果があるものなのでしょうか?
izappyさんのレビューだと
>電波強度の数値が-5dBm程度強くなることがあるのは確認できましたので
と明確に差が出たそうです。
スループットの向上は、ONとOFFでどのくらい差があるのでしょうか?
ナンチャンさん
2016/05/16
よっちゃんさん
2016/05/16
レビューお疲れ様です(^^)
ナンチャンさん
2016/05/16
ありがとうございます。
mkamaさん
2016/05/17
ビームフォーミングの検証どうもありがとうございます。
ONとOFFでこんなにも違うんですね。
ナンチャンさん
2016/05/17
正直ビックリです(^^;)