レビューメディア「ジグソー」

一見地味なビームフォーミングで無線LAN環境が大きく変わるかも!?

 

WN-AX1167GRのレビュー
今回レビューさせて頂くのはI-O DATAの無線LANルーター『WN-AX1167GR』です。WN-AX1167GRは最新の11ac規格に対応し、867Mbpsの高速通信が可能で、全方向360度に電波が放出される「360コネクト」という独自技術をはじめ、送信電波を調節して端末を狙い撃ちする「ビームフォーミング」技術に対応、その他にも従来のWi-Fi設定をコピーする機能など最新の機能が盛りだくさんなミドルクラスの無線LANルーターとなっています。

そのWN-AX1167GRを実際の通信環境で使ってみて、従来機種とどれだけ違うのか、どのような使い方が我が家の環境に適しているのかを見極めてみたいと思います。

今回、重点的にレビューする(課題として選定した)のは「電波強度」についてです。「通信速度」や「電波安定度」については敢えて多くを語りませんので、あらかじめご了承ください。

なお、長文かつ画像も多い(^_^;)ので、気になる部分だけ見たい場合は「レビューの視点」をご活用ください。また、お急ぎの場合は画像のコメントだけ流し見て頂いても何となく内容が伝わるのではないかと思います。

更新: 2016/05/07

■レビュー環境

古さは否めないCATV回線のネットサービス

我が家は木造2階建ての一軒家で、古い家なので和室が多く砂壁の比率が高くなっています。通信環境としては、CATVから提供されているネット回線を1階に設置したワイヤレスケーブルモデム(貸与品)で電波を飛ばしてWi-Fi環境としています。

木造2階建て(屋根裏部屋付き)の古い家です。
※親機の設置場所は外ではなく中です^_^;


導入してから既に6年経つので機器的にも古さは否めませんが、CATV提供の仕様としては現在も全く変わっていないようなので、そのまま使い続けているのが現状です。この環境ですと、ワイヤレスケーブルモデムから最も遠い2階部分で通信が途絶えがちになります。

 

 

CATV提供のネットサービス(160Mコース下り160Mbps、上り10Mbps)

 


そこで以前は途中に中継機をプラスして通信範囲を拡大していましたが、中継機の故障で新しいモノに入れ替えたところ何となく安定しないので、使用を休止していました。

1階の間取り(窓は省略)

 

2階の間取り(窓は省略)

 

これが我が家の基本環境となりますが、電波の届きにくい2階部分に長男の部屋があるので、ここには有線LANを引き、さらに以前レビューさせて頂きましたI-O DATA製11ac対応無線LANルーター「WN-AC733GR」を設置して長男のスマホやタブレットPCによる動画視聴専用のアクセスポイントを構築しました。(実は私も利用してますw)

こちらもまた、1階の最も遠い場所(私の定位置です^_^;)では電波が途切れがちになるので、面倒ながらも快適に通信できる方に切り替えながら使っていました。

レビューにあたっては、本来ならば丸ごと交換して効果を比較したいところですが、CATVの回線からインターネットの信号を取り出しているため、既存のケー ブルモデムを外す訳にはいきませんので、従来の環境はそのまま残して、そこにアクセスポイントモードでWN-AX1167GRを追加する形で検証してみたいと思います。

更新: 2016/05/07

■レビューに使用する機器

やっと5GHzを試せる機器が揃いました

以前の無線LANルーターのレビューでは、5GHzに対応した機器が無線LANアダプター(子機)しかなかったので、5GHzの通信速度を十分に堪能することはできませんでしたが、iPhone導入などでようやく人並みに5GHzを利用できるようになりました。

 

当初はiOSデバイスをメインに接続から測定までを行うつもりでしたが、iOSアプリには定番になっているWiFi Analyzerのような電波強度を測定して視覚化するアプリが無い(削除された)ので、実際の測定には別プラットフォームのアプリやソフトウェアを利用しました。

 

□通信機器
・ワイヤレスケーブルモデム(Netgear CG3200D):11n(2.4GHz)300Mbps


・無線LANルーター(I-O DATA WN-AC733GR):11ac対応 433Mbps

 


・無線LAN子機(I-O DATA):11ac対応 433Mbps、PC用

 

 

 


□スマートデバイス
・Apple iPhone 6s:LTE ・11ac対応のモバイルデバイス

 


・Apple iPod touch 5th:11n(2.4GHz)対応のポータブルメディアプレイヤー

 


□その他
・NEXTGEAR-NOTE i420BA1-SP:ゲーミングノートPC(Windows 10)

 


□接続・測定用アプリ等

・QRコネクト(I-O DATA製)

 

設定用のQRコードを利用して設定する簡単設定アプリ

 

・MagicalFinder(I-O DATA製)

 

無線LAN機器の各種設定ができる純正アプリ


・WiFi Analyzer

 

電波強度やチャンネルの重複状態を視覚化してくれるアプリ


・Ekahau HeatMapper

 

電波強度を実測して視覚化するアプリ(もっと平面的です^_^;)


・iPhoneの信号表示を数値化(^_^;)

 

左上の数値「-102」がLTE、右の「-61」がWi-Fiの電波強度(単位:dBm)

 

更新: 2016/05/07

■パッケージ&デザイン

群青色は意外と悪くなかった

□パッケージ
製品の色に合わせたブルー基調のパッケージで、WN-AX1167GR本体・設置用スタンド・ACアダプター・LANケーブル・取扱説明書類が同梱されています。

 

製品本体に合わせた色合いのパッケージ
他社との差別化は微妙です...

 

 

パッケージ内容、プカプカした被覆の青いLANケーブルが妙に安っぽい...

 


□デザイン
オフィシャルサイトで見た時は、正直なところこの「ミレニアム群青(加賀百万石 前田家ゆかりの文化財「成巽閣」をイメージしたカラー)」が気に入らなかったので、今回は機能優先ということでデザインについては二の次だと考えていましたが、現物を見てみると意外とコンパクトで、シンメトリーな形状にほんの少し変化を持たせていて、色も予想より落ち着いた感じの群青色というよりは「紺色」に近く、コレはコレでアリだなと思いました。

 

こうやって見てみると、意外とスタイリッシュかも。。。

 

反対側から見ると、、、まるで月の裏側的な印象です^_^;

 


パネライ(腕時計ブランド)のラジオミール系のベース形状にどことなく似ており、実際の厚みよりもかなり薄く感じるデザインになっています。そして、よく見ると目立つ部分に通電・接続状態などを示すインジケータ類が見当たりません。そのおかげでかなりスッキリした印象になっています。

 

ちなみにインジケータはLANポートなどが集中する背面側に付いていて、かなり控えめな表示となっています。確かに普段はあまり見ることのない部分ですし、就寝時に眩しいのも困りますから、目立つところで光っている必要はないのですが、見たい時に見辛いのも困ります。。。

 

動作中は左の小さな四角い部分が光り、各LANポートも使用時に点灯します。



WN-AX1167GR本体に付属のスタンドを取り付けて「縦置き」するのが基本の使い方ですが、本体裏面(ロゴが入っていない面)の穴にスタンドを取り付けると、壁掛けや横置き(平置き)にも出来る工夫がされており、様々な場所に設置できるのが魅力です。

 

付属の設置用スタンドを取り付けると自立させることができます。

 

側面(シール貼付面)に取り付けると縦置きになります。

 

 

横置き・壁掛けの時は、裏側の真ん中に四角い溝を使います。

 

この溝に設置用スタンドを取り付けると、

 

曲面デザインを損なわずに座りがよくなります。
(実際は逆さまにして使います^_^;)

 


ただ、如何せんこのカラーリングなので設置場所に合う合わないが出てきますね。コストや管理上の問題はありますが、何色かバリエーションがあると良かったのではないかと思います。

まぁ、どうしても色が気に入らない場合は、自己責任で全塗装してしまうというパターンもありだと思います^_^;

更新: 2016/05/07

■設置方法

簡単としか言いようがない^_^;

背面部分に集約されたポート類やスイッチ類の構成は以下の通りです。LANケーブルを「青いインターネットポート」に接続し、もう一方をワイヤレスケーブルモデムのルーター部分に差し込んで、ACアダプターを接続すれば準備完了です。

 

背面に集約されたポート・スイッチ類

1.WPSボタン(斜め下にランプあり)
2.モード切り替えスイッチ(オート/カスタム)
3.LANポート×4(各ポート下にランプあり)
4.インターネットポート(ポート下にランプあり)
5.DC電源端子(ACアダプターを接続)

 

何故か「初期化ボタン」だけはシール貼付面にあります。

 

設置方法についてはデザインについてでも書いた通り、「縦置き」「横置き」「壁掛け」の3種類から選べますので、設置環境に応じて円形の設置スタンドを付け替えて設置します。幸いWN-AX1167GRは「360コネクト」と謳われているので、それが間違いなければどの設置方法を採っても電波の届き具合に大きな差は出ないということになります。

 

従来のワイヤレスケーブルモデムの前に横置き(仮)してみました。

 

更新: 2016/05/09
設定方法や各機能のレビュー PREMIUM REVIEW

既存の機器と相性が良いのか悪いのか...

動作モード「自動」が切り替わらず、、、
今回は無線LANルーター自体の買い替えではなくアクセスポイント(AP)追加というカタチとなりましたので、「Wi-Fi設定コピー機能(従来の無線LANルーターの設定を複製してくれてデバイス側の接続設定も不要となる便利な機能)」を利用することできませんでした。(ちょっと残念…)

□デバイス側の接続設定
最も簡単なデバイス接続方法はパッケージに同梱されている製品のQRコードを専用アプリ「QRコネクト」で読み込む方法で、面倒な文字入力なしで接続できてとても便利です。iOSの場合、読み込まれた内容はプロファイルとしてデバイスにインストールされます。

 

2.4GHz用と5GHz用のSSID名と暗号キー(共通)とQRコードが印刷されています。

 

 

QRコネクトをインストールしておくと簡単に設定できます。

 

プロファイルがインストールされて、無事接続できました。


マニュアル接続する場合は、デバイスのWi-Fi設定からWN-AX1167GRのSSIDを選択して、暗号キーを入力すればすぐに利用できるようになりますので、QRコネクトをインストールしていないデバイスなどで設定する時は、むしろ手入力したほうが早いかも知れません。

 

他にも、WPSボタンを使って接続する方法もありますが、普段から親機の設置場所の都合などでボタンを押すのが面倒なので、今までほとんど使ったことがなく、今回もデバイスの接続用としてのWPSボタンは利用しませんでした。。。

 


□繋がるけど繋がらない!?
早速インターネットに接続しようと思いましたが、インターネットに接続できませんでした。MagicalFinderで確認すると、既存の機器しか認識されておらず「WN-AX1167GR」の名称がリストに出てきません...

 

調べてみると、どうやら自動でアクセスポイントモードに切り替わる筈なのに、動作モード「オート」がうまく機能しなかったようなので、手動で「アクセスポイントモード」に切り替えてみました。

 

モード変更はスイッチを「カスタム」側にして行います。


もしかしたらアクセスポイントとして使っている、既存の無線LANルーターが同じI-O DATA製の無線LANルーターだったために、設定が被ってしまったのかもしれませんね。

 

手動でAP(アクセスポイント)モードに変更

 

アクセスポイントモードに設定したら、MagicalFinderにも認識されるようになり、インターネットにも繋がるようになりました

 

良かった良かった\(^o^)/

 

更新: 2016/05/07

■ペアレンタルコントロールを試す

タイマー的な機能ではなかった

我が家では以前からデバイス側のペアレンタルコントロールで子供達のネット環境を制限していますので特に困っていることもありませんが、今まで無線LANルーター側で制限したことはありませんし、インターネットへの接続時間制限というのには多少興味がありましたので、試してみました。

 

こちらには大変お世話になっております。

 

各種設定はMagicalFinedrを利用して設定画面にアクセスして行います。ペアレンタルコントロールとしては「時間制限」と「サイトの制限」を設定できます。

 

MagicalFinedrから設定画面に入り「ペアレンタルコントロール」を選択

 

□時間制限

時間制限についてはデバイス毎に「使用できる時間」を設定します。1時間単位なので、分刻みの細かい設定はできませんでした。

 

作成したコントロールは一覧に登録され、内容に合わせて実行されます。

 

試しにiPod touch 5thに時間制限を掛けてみたところ、ちゃんと設定時間外は接続できなくなりました。ただ、接続できない時に何のメッセージも表示されないので、人(何も知らない妻とか^_^;)によっては故障したと思う可能性がありますね。

 

色々な使われ方があるので一概には言えませんが、「只今の時間帯はネットに接続できません」といったような内容が表示された方が良い場合もあるので、そのような表示ができる機能があっても良いかと思いました。

 

今回は課題の都合で深追いしていませんが「使用できない時間」から「使用できる時間」に切り替わった際に接続が開始されないという不具合がありました。たまたまだったのかも知れませんので、現時点では不具合とは断言できませんが、設定する際は制限と解除が正しく行われるか確認してから運用した方が良いと思われます。

 

 

□サイトの制限

こちらはいわゆるURLフィルターで、「閲覧を拒否するサイト」と「閲覧を許可するサイト」をリストアップできるようになっています。

 

URLフィルターは個別ではなく全体に適用されます。

 

たとえば「接続拒否」に設定したサイトにアクセスすると、アクセスできないサイトである旨が表示されるだけでなく、ログにも残る仕組みになっています。

 

拒否設定のサイトにアクセスすると表示されるメッセージ
何となく責められそうな文章なのでカスタマイズできると良いなぁ^_^;

 

ログを見れば登録したサイトへのアクセス日時が分かります。

 

URLフイルターは使い方次第ですが、いちいち登録するのが面倒なので、どちらかというと、この後に紹介するネットフィルタリングのようにザックリしている方が利用しやすい気がします。

 

 

□悪くはないけど。。。

「時間制限」「URLフィルター」どちらの制限も機能としては良いと思いますが、我が家の環境ではあまり使わないかも知れません。我が家ではYouTubeを観始めたら止まらないというパターンがほとんどなので、できれば「経過時間」を制限するタイマー的な機能が欲しいと思いました^_^;

更新: 2016/05/07

■ネットフィルタリングは有料?

5年間無料はお得...?

インターネットブラウザの設定で「プライバシー」に該当する部分で、ワンクリック・フィッシング詐欺やウイルス配布サイトなどの危険なサイトをブロックして、安全にインターネットを楽しむための機能です。

 

ペアレンタルコントロールと同じくMagicalFinedrを利用して設定します。制限内容は細かく設定できますが、あらかじめ用意されているコース(意外と多い)を利用するとザックリと制限できる仕組みです。

 

デバイス毎に「制限レベル」を変更できます。

 

コース毎にどの辺がどう違うのか気になりますね^_^;

 

今回は安全・安心コースをチョイスしてみましたが、普段からあまり変なサイトを訪れないので、特に意識することもなく普通に使えました。

 

WN-AX1167GR利用者はこのサービスを5年間無料で利用できるということで、5年後引き続きこのネットフィルタリングサービスを利用したい場合は更新ライセンスを購入する必要があるそうです。

 

ペアレンタルコントロールの「サイトの制限(URLフィルター)」も実はこのネットフィルタリングの機能の一部で、どちらも同じ設定画面になります。未確認ですが、5年間無料の内容に含まれるのであれば、5年後ペアレンタルコントロールは「時間制限」しか利用できなくなる可能性があります^_^;

 

「5年間無料」というのがお得なのかどうなのかは利用者次第だと思いますが、5年も経てば世の中のネット環境も大きく様変わりしていそうな気がするので、5年後また考えれば良いということで、とりあえず今は「お得」ということにしておきます^_^;

 

更新: 2016/05/07

■リピーターモードを試す

同メーカー品だと相性は良いみたい

我が家の無線LAN環境は、2.4GHz帯、5GHz帯ともに家中隈なく届く状況にはありませんので、中継機を設けてやることで通信速度は低下はするものの、通信自体が途切れることはないので、かなり快適になるのは実証済みでした。

 



 

以前は親機であるワイヤレスケーブルモデムの電波を中継機を使って拡大しましたが、今回は5GHz対応ということで、2階でアクセスポイントとして使用しているWN-AC733GRの5GHz帯の電波の届く範囲を拡大してみることにしました。

 

相変わらずの初心者なので、オンラインマニュアルを見ながら設定してみました^_^;

 

スマホ+オンラインマニュアルは便利ですね〜

 

□リピーターモードの設定方法

まずは、ノートPCとWN-AX1167GRをLAN接続し、Windows版MagicalFinderにて本製品の動作モードを「リピーターモード」に変更します。

 

ノートPCとダイレクトにLAN接続します。

 

PC版MagicalFinderで設定を「リピーターモード」に変更

 

次にLANケーブルを外し、親機(今回はアクセスポイント)のWPSボタンを長押しして設定モード(5GHzモードになるまで長押し)にします。※5GHzのLEDランプが点滅

 

アクセスポイント(右)の赤いWPSボタンを長押し

 

WN-AX1167GRのWPSボタンを1秒間押して、じばらく待つとお互いのLEDランプが点灯して接続が完了しました。あとは中継地点にWN-AX1167GRを設置すれば完了となります。

 

あっという間に設定完了〜

 

同じメーカーの製品だからなのかは分かりませんが、動作モードではバッティングしていたように見えましたが、接続設定における相性はとても良いように感じました。

 

 

□壁面に設置

設置場所については、同じ2階でもアクセスポイントから最も遠くなる部屋の入口寄りの柱に設置しました。ここは普段でもWi-Fiアンテナ(5GHz)が2本くらい立つ位置なので、設置するには丁度良いと思っていた場所ですが、後ほど出てくる「電波強度」の調査で、実はあまり良い場所ではないことが分かりました^_^;

 

砂壁には付けられないので柱に設置、なかなかの存在感です^_^;

 

とりあえず、今回は電源などの都合でこの位置に設置するしかありませんでしたが、一応中継機としての役割は果たしてくれているようです。ただ、電波強度は改善されたものの、中継することで5GHzの強みである通信速度は明らかに落ちているようでした。

 

左がアクセスポイント付近、右が中継機(本製品)付近
およそ1/4に落ちています。。。

 

2階はほぼ全域で繋がるようになり快適になりましたが、1階は途切れなくはなったもののかなり速度が遅くなった感じです。この辺りはWN-AX1167GR設置位置をもう少し親機寄り変えれば改善しそうな気がしています。

 

1階のアクセスポイントから最も遠い地点ではさらに1/2以下に...

 

更新: 2016/05/07
電波強度比較レビュー PREMIUM REVIEW

従来品より群を抜いてるとは言えない

iOSデバイスは電波測定に向いてない...

電波(信号)強度は、スマホや携帯電話などではアンテナのマークなどでザックリと表現されていますが、実際は「-40」のようにマイナスの数値で、「dBm」という単位で表されます。(実はよく知らなかったw)

今回はiOSデバイスを使って電波強度を測定すべく、アンテナ表示を数値化したりしましたが、やはり測定用としてはあまり向いていないようですし、ノートPCの方が色々なアプリがあって手取り早いということで、ノートPCをメインデバイスとして計測することにしました。

 

せっかく数値化しましたが、無いよりマシ程度にしかなりませんでした^_^;

更新: 2016/05/07

■電波状況の視覚化に挑戦

ノートPC片手に家中をウロつく
電波強度を視覚化するために用意したのは、レビューの募集要項にも紹介されていた「Ekahau HeatMapper」という無料のWi-Fiの電波強度をマッピングすることができるソフトウェアです。

 

ノートPCに11ac対応子機を接続、これで5GHz帯もしっかり計測できます。


予め用意した間取り図を読み込んで、今居る位置を記録(同時に電波強度も記録されます)しながら歩き回ると、最終的に電波の強弱に合わせたヒートマップが作成されます。無料版なので保存や細かい設定なとができませんが、自宅など比較的狭い範囲の電波状況を確認・プランニングするのに重宝します

 

今回用意した間取り図(1階と2階)

 

この状態で記録開始。
長時間やっていると手がプルプルしますw


電波が常に安定していてくれればそこそこ正確なものが作成できると思いますが、inSSIDerなどで見てみるとたまに大きな山や谷が現れるので、やはり完璧というわけにはいかないようです^_^;

 

画像は割と安定した状態ですが、たまにガクンとなったりします。


Ekahau HeatMapperの良い点は、一度に全てのSSIDを記録できるところです。周辺の知らない電波まで拾ってしまうので見た目に鬱陶しいですが、何度も記録しないで済むのは助かりますし、何より同じ条件で計測できているというのが素晴らしいですね。

 

我が家の1階部分の電波状態(全ての電波の合計)

 

2階部分の電波状態(全ての電波の合計)
全体だとそんなに悪くない環境に見えますね^_^;



とはいうものの、初めて使うソフトだったので何度も試行錯誤を繰り返しながら家中をウロチョロしていたので、かなり怪しい状況になっていました(説明しても分かってもらえなかった模様^_^;)

更新: 2016/05/07

■1階の親機と比較

2.4GHz帯は大差なし
WN-AX1167GRを1階リビングに設置しているワイヤレスケーブルモデム(親機)の横に置いて計測実施。まずはWiFi Analyzerで電波状況を確認してから、ヒートマップを作成しました。

 

WiFi Analyzerで確認、親機の方が若干強めに見えますが、

 

親機(オレンジ色)は上下の波が大きく不安定にも見えます。

 

 

1階:ワイヤレスケーブルモデム2.4GHz帯のヒートマップ
これを基準とします。

 

1階:WN-AX1167GR(本製品)2.4GHz帯のヒートマップ
全周にわたり割と均一に出ているものの、その分距離がのびないようです。

 

1階:WN-AX1167GR(本製品)5GHz帯のヒートマップ
5GHz帯の特性が出ていて悲しくなります^_^;



結論としては、2.4GHz帯はどちらも最大300Mbpsというスペックなため、似たような電波強度のヒートマップとなりましたが、いくらか範囲が狭い印象を持ちました。確証はありませんが、360コネクトのせいで縦長の間取りだと距離が稼げないのではないかと勘ぐってしまった次第です^_^;

 

一方5GHz帯については867Mbpsでありながら、遮蔽物に弱いという特性がモロに出て、届く範囲は2.4GHz帯に全く及ばないという悲しい結果となりました。

 

次に2階を見てみます。

 

2階:ワイヤレスケーブルモデム2.4GHz帯のヒートマップ
全く利用しないジジババの部屋の感度が完璧ですw

 

2階:WN-AX1167GR(本製品)2.4GHz帯のヒートマップ
減衰はなだらかですが、全体的に親機よりも弱い感じです。

 

2階:WN-AX1167GR(本製品)5GHz帯のヒートマップ
かなり寂しい結果となりました。

 

このような結果になりましたが、そもそも親機の位置が悪いですね。ケーブルの都合もありますが、機会があったらこのデータを参考にもっと良い場所に親機を設置しようと思いました。

更新: 2016/05/07

■2階のアクセスポイントと比較

5GHz帯も大差なし
WN-AX1167GRを2階長男の部屋に設置しているWN-AC733GR(アクセスポイントとして使用)の横に設置して計測実施。

 

至近距離だと867Mbpsと433Mbpsの違いが出ています。

 

どちらも割と安定しています。

 

2階:WN-AC733GR(アクセスポイント)のヒートマップ
これを基準とします。

 

2階:WN-AX1167GR(本製品)5GHz帯のヒートマップ
ほんの少しだけ範囲が広がっているようです。

 

1階:WN-AC733GR(アクセスポイント)のヒートマップ
かなりダメダメな状態です。

 

2階:WN-AX1167GR(本製品)5GHz帯のヒートマップ
甲乙つけがたいダメダメさですねw


WN-AC733GRは11ac(ドラフト)対応ということもあり5GHz帯での比較ができるということで、867Mbpsと433Mbpsの違いがどれほど出るのか楽しみにしていましたが、設置している部屋の壁がよほど電波環境に影響したのか、至近距離で得られた電波強度の差が部屋を出た途端に弱まり、2階では届く範囲が多少広がったものの、1階ではほとんど差がない状態となってしまい、かなり期待はずれな結果となってしまいました。。。

ということで、電波の質や速度については今回の測定では分かりませんでしたが、電波強度比較については多少良いという程度で「大差なし」という結果となりました。

更新: 2016/05/07

■リピーターモードの場合

我が家にはリピーターモードが向いている
我が家は砂壁率が高く、何度も塗り重ねているため電波にとってはあまり好ましくない環境となっています。当初はWN-AX1167GRの最大867Mbpsで、遮蔽物に弱い5GHz帯の電波の届く範囲を拡大することを考えていましたが、思いのほか広がらなかったので、中継機として利用したらどうだろうという事になりました。

 

2階:WN-AC733GR(アクセスポイント)のヒートマップ
赤くなっている部屋の入口付近に中継機を設置しています。

 

2階:WN-AX1167GR(本製品)5GHz帯、中継機としてのヒートマップ
場所的に速度は出ませんが、ここまでカバーできれば上出来です。


「設定方法や各機能のレビュー」で書いた通り、電源などの都合で少々電波の弱めな場所への設置となりましたが、結果は良好で、通信速度は落ちますが5GHz帯の通信範囲が広がり、これによって2階だけでなく今までほとんど届かなかった1階でも十分届くようになりました。

更新: 2016/05/07

□ビームフォーミングについて

対応デバイスならONがイイ

今回の電波強度の検証ではビームフォーミングのON/OFFについても計測していましたが、ビームフォーミング対応機器を使っていない状況下においてはほとんど変化が見られませんでした。まぁ、当たり前なのですが^_^;

 

iPhone片手に計測しましたが、反応が遅いので結構時間が掛かりました。
そして、結論的にはほとんど変わりませんでしたorz


ただ、ビームフォーミングをONにして、iPhone 6sでインターネットや動画サイトなどにアクセスすると、電波強度の数値が-5dBm程度強くなることがあるのは確認できましたので、少なからずビームフォーミングの効果はあるようでした。

 

設定はやはりMagicalFinderから行います。
デフォルトは「ON」です。


また、電波が弱い場所(-88dBmくらい)でiPhone 6sを使うと突然接続が切れるという現象が発生することがあるようです。原因はよく分かりませんが、ビームフォーミングの効果が出る寸前に電波が弱まる傾向(津波の前に一旦波が引くような感じ?)があるように感じました...

 

目に見えないものを評価するのは難しいのですが、ヒートマップで電波強度を視覚化することでとても評価しやすくなりました。そして、そこから導き出した結論は「ビームフォーミングON/OFFで電波強度的にあまり差がないのであれば、ONにしておいた方が良い」ということでした。

 

そのような訳で「対応デバイスを使っているなら迷わずON」な機能だと思います。

更新: 2016/05/07
総評

簡単に使えて機能も充実

デザイン的には好き嫌いが分かれるところですが、単なる箱ではなくそれなりにデザインに配慮した設計となっているところに好感が持てました。

 

また、設置や設定がとても簡単なのもWN-AX1167GRの魅力のひとつです。といっても最新の他機種と比較した訳ではないので確かなことは言えませんが、色々なデバイスから同じように設定できるのというところが気に入りました。

 

性能面について、今回の電波強度の検証では従来設置していた無線LAN機器と大差ない結果となりましたが、ビームフォーミングやペアレンタルコントロール、ネットフィルタリングといった機能も充実していて、ミドルクラスの無線LANルーターとして十分な性能を持っていると思いました。

 

特に「ビームフォーミング」は普通に使っていると忘れてしまいそうな一見地味な機能ではありますが、何となくこの機能ひとつで無線LAN環境が大きく変わりそうな気がしてきました^_^;(今後の展開に大いに期待したいところです)

 

WN-AX1167GRは、アパートやワンルームマンションなどの部屋数の少ない環境などでは性能を十分に発揮できると思いますが、2階建て住宅においては従来品と同様にかなり力不足を感じましたので、親機として使うよりも、中継機やアクセスポイントとして使う方が向いていると感じました。

 

製品について特に不満に思うことはありませんが、デザイン的にスリット部分にLEDランプを仕込んでインジケーターとして光らせる手はありかなと思いました。そして、個人的にはカラーバリエーションの追加時間制限にタイマーを追加して欲しいと思いました。

 

 

迷彩柄を背景にすると意外と良い感じ?w

更新: 2016/05/07

あとがき・・・

意外と楽しくレビューできました!

電波強度に気を取られて、通信速度などの検証がおろそかになってしまいましたが、5GHz帯を至近距離で体験すると速すぎて病みつきになりますね^_^;

 

ということで、最後までご覧いただきましてありがとうございました。今回もやたらと長文になってしまいましたが、内容はともかく(w)部屋中をウロウロと歩き回ったりして楽しみながらレビューする事ができました。

2016年5月

コメント (2)

  • CR-Xさん

    2016/05/08

    いや~、電界強度が各平面図で手に取るように判って素晴らしいレビューです。
    相当お手間かけられた事でしょうご苦労様でした、また一部プライバシーにかかわりそうな資料まで添付戴き恐縮至極です。
    機器は規格は桁上がっても絶対性能的には大差なく見えて、ちょっとマシ→ちょっとマシ→ちょっと…を重ねて知らぬ間に少しずつ進歩していくのでしょうねえ。
  • izappyさん

    2016/05/08

    CR-Xさん、
    ありがとうございます。

    ヒートマップは歩き回ってポイントを記録するだけで、
    あとはソフトが自動的に作成してくれるので、
    慣れると大した手間でもありませんでした。
    あっ、間取り図を描くのはちょっと面倒でしたね^_^;

    確かに数値的には数年前と大差ないように見えますが、
    着実に進化はしていると思います。
    そう考えると、今後が楽しみになりますね~

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