レビューメディア「ジグソー」

「クラウド」をうまく活用すれば、ドキュメントファイルの安全性・統一性が高まる

先日、USTREAMとニコニコ動画で配信されたOffice365のイベント

「いつどこオフィス」ですが、そのトーク内で共感するポイント

「会議が長い」

「出張を便利に、快適に」

について、私なりにOffice365を使った解決策を紹介いたします。

 

さて、Office365ですが、今までのOfficeと何が違うのかというと、ひとことでいうと

「オンライン、クラウド前提であること」

だと思います。

 

今までのOfficeがスタンドアロンだったのに対し、これはインターネット接続が前提です。

それは「認証」などというものではなく、使うことそのものがインターネット前提なのです。

もちろん、パソコンにインストールしてしまえばオフラインでも使えます。ですが、それだとタダの「Office2013」。

クラウドを使うからこそ、Office365のよさが光る。

では、それを使えばどういう感じで上記の不満が解消するのか。

 

 

 

その前に、私なりに感じたOffice365の特長から。

 

今回のレビューにあたり、初めてOffice365を使いましたが、正直いって、かなり戸惑いました。

最初の画面で、いきなりどうしていいものやら途方に暮れる。

これ、私のようにパソコンに詳しくない中年オジサンはたいてい同じように感じると思います。

なぜ、こんな風に感じるのか。

 

 

おそらくですが、私以外の人も多くはそうだと思います。

Officeとは

「アプリケーションありきで、ドキュメントファイルがある」

というのが、普通の感覚ではないでしょうか。

どういうことかというと、新しいドキュメントファイルを作りたいとき

「文書を作りたいから、Wordを立ち上げる」

「グラフを作りたいから、Excelを立ち上げる」

「プレゼンしなきゃいけないから、PowerPointを立ち上げる」

という感じだと思います。

具体的には

Wordを立ち上げると、こんな画面になります。

ココに、いきなり文書を打ち込み出すことって多いと思います。

 

もしくは

Wordを立ち上げて「新規作成」から、自分の作りたいテンプレートを選ぶ。

 

このどちらかでしょう。

逆の手順で、ドキュメントファイルを保存したいフォルダーから

「新規作成」⇒「Microsoft Word 文書」

から入っていくのは少数派だと思うのですが………

 

そういう意味で、普通、Officeを使うときは

「アプリケーションありきでドキュメントを作る」

という感覚なのです。

 

ところが、Office365は違います。

「ドキュメントファイルありきで、それをどのアプリケーションで開くか」

なんです。

ある意味それも当然で、今までは

「~.docファイルならWord、~.xlsファイルならエクセル」

という決まりでした。

ですが、クラウドベースなので

「このファイルは全員に公開するか?特定の人なのか?」

というところから入っていくので、まず白紙のドキュメントを作るのです。

さらには

「パソコンにインストールされたOfficeで開くのか、オンラインのOfficeで開くのか」

という、同じWordでもドキュメントを開く方法に選択肢があるのです。

 

なにしろ、トップページ「はじめに」を開いても

 

 「Outlook」はありますが、それ以外のOfficeアプリケーションを選択するところがありません。

基本的には、ここで行うことは

「他者と連絡を取り合うところ」

だと思えば差し支えないようです。

ここから、クラウドのファイル保管庫である「OneDrive」を選ぶと

 

 

開きたいドキュメントファイルにたどり着くようになっています。

まず、これを理解するまでにかなり「使いづらさ」を感じました。

この「ちょっとした違和感」は、私世代(40代)だと多くの人が感じると思います。

 

このOffice365の特長を理解した上で、本題に入ります。

 

 

 

ーーー 会議が長い ---

 

どこの会社でも、会議はあると思います。

そして、多くの人が「時間が長い」と苦痛に感じているのではないでしょうか。

私も、そんなに多くはないのですが会議を長く感じています。

特に、やらなければならない業務があるときはなおさら。

 

そこで、なぜ会議が長くなるのかトークショーを見ながら考えました。

 

○アジェンダ

私、昔かたぎの世代に育てられたのでこういう「英語もどき」な単語を仕事で使うのは個人的に嫌いです。「議題」って言えばいいのに。

この「議題」ですが、まず本題に入るまでが長い。

「議題を発表し」

「関連資料を配布し」

「それを熟読し」

ようやく、始まります。

最近では「ペーパーレス」を謳うようになってきたので、関連資料をプロジェクターでスクリーンに映すことも多くなりました。機密事項の漏洩も防げますし。

紙はなくなるし、機密の漏洩もなくなりますが、文章を読むのは人それぞれ個人差がかなりあります。

ということは、早く読み終わった人も遅い人を待っている。

空気を読まない人は、呼んでいる最中にさっそく質問してきます。

「質問は、全部目を通してから聞きます」

といっているにもかかわらず。

 

そこで、クラウドの強みを生かします。

 

時間短縮のため、事前に各人にメール添付するなどして資料を配布してしまうと、機密漏えいの観点から適切ではない。

こんなとき、Office365なら共有範囲を簡単に設定できます。

登録された人でなければ開くことはできないので、閲覧できる人の限定も簡単にできます。

しかも「編集可能」か「表示可能」か。よくある「うっかり勝手に上書き」も防止できます。

 

そして、よくある話が

「修正が入りました。これが修正版です」

「さらに修正しました。第2版です」

「これが明日の会議の最終版です」

と、何度も加筆・修正された会議資料が配布されること。

ただでさえ個人向けに提供されたメールサーバーの容量は決まっているのに、同じファイルを2度も3度も送られるとそれだけでメールサーバーを逼迫させてしまう。

これも、クラウドにファイルを置いておけば

「□月△日、○○の箇所を修正しました」

と「改暦」を冒頭に加えるだけで済みます。さらには、OneDriveの画面には

 

 最後に編集した人の名前、そして更新日時が表示されています。

やはり、ファイルを一元管理できるのは参加者」にとって便利です。

 

○レジュメ(議事録)

同じように、議事録もクラウドに置いておけば参加者全員が簡単に閲覧できます。

先の「議題に関する資料」と同じ場所に保管しておけば、会議にまつわる資料一式の保管場所にもなります。

 

 

 

ーーー 出張を快適に ---

 

私は、国内ですが出張が多い仕事をしています。その出張で意外と困るのがOffice関連なのです。

業務上「守秘義務契約」をクライアントと結んでいるので、仕事で使うpptファイルやxlsファイルの扱いは気を使います。

クライアントの施設で業務をするときはまだいいのですが、社外に出向いて業務をするときはさらに気を使う。

場合によっては、Officeが古いバージョンしか入っておらず自前のpptファイルがうまく機能しないことも。

そんなとき、Office365ならではの機能が役に立ちます。

 

○オンラインで開く

Office365には、オンラインで開く方法があります。

実際にパソコンにインストールしたOfficeに比べて機能は制限されますが、出張先で使う程度なら問題なく使えます。

この機能、出張だけでなく自宅で複数のパソコンを所有している場合にも有効です。

パソコンの数だけライセンスを購入する必要はなく、モバイルノートパソコンやWindowsタブレットは「サブ」としての考えであればこのオンライン編集機能で十分。

もし、WindowsタブレットのSSD(eMMC)が32GBなら、なおさら有利。ストレージ容量を減らさずに、ドキュメントの編集ができます。

 

これで、出先の「貸し出しパソコン」に不安を持たなくてもドキュメントファイルを開けます。

 

また、私は仕事柄、他人の「評価表」というファイルを扱います。

社内の資格制度に絡む研修を運営しているので、研修の合否が社内資格の取得条件となり、ひいては「資格給」という、受講者の収入にまで影響を及ぼすほどのものです。

当然、これらが外部に漏れるのはあってはならないことですが、どうしても社外に持ち出さないと仕事にならない。

 

問題は、出張の帰りの新幹線なんです。

 

長時間、新幹線に乗っているとトイレにも行きたくなる。

しかし、手元のパソコンにそんなファイルが入れてあるとおちおちトイレにも行きにくい。

 

やっぱり、そんなときはクラウドです。

クラウドにあれば、万が一のHDDやSSDのクラッシュにもファイルを失う心配もありません。

そして、手元のノートパソコンはそれこそ「データ消費のための端末」として機能するので、内部のデータ漏洩の心配もありません。

 

 

ーーー まとめ ーーー

 

今まで「クラウド」とか「オンライン」というのは、あまり信用していませんでした。

最近はいろいろな通販サイトでの情報流出も頻繁に起きているし、回線に障害が起きてしまうと話にならない。

ですが、これだけ仕事をする環境が多様化してくると「それもありなのではないか」と思うようになってきました。

パッケージ版アプリケーションなら、1台のパソコンに入れておしまい。

ところが、オンライン版だと自分のIDとパスワードさえあれば端末は自分のパソコンでなくてもかまわない。

 

USBメモリに入れて、なくす心配をしながら重要ファイルを持ち歩く心配もない。

 

あとは、個人的な問題「月極めの課金制度への抵抗」さえなくなれば、パッケージ版のOfficeよりも使い勝手がいいのかもしれません。

変わった使い方では

「今から○ヶ月だけ、このプロジェクトが終わるまで臨時にOfficeが必要」

なんてときに、高価なパッケージ版を導入しなくても必要な期間だけ加入するとか。

 

導入するときには敷居が上がってしまいますが、いろいろなスタイルのOfficeがあればより勝手がよくなる。

そう感じるレビューでした。

20人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • リーダーさん

    2014/05/10

    クラウドって単語本当に増えましたよね。
    それだけで思わず後ずさりする人多いんじゃないかなと思ってるんですが
    どうなんでしょう。
  • 稲蔵さん

    2014/05/10

    リーダー さん

    コメントありがとうございます。

    まったくその通りで、40代の私もそうです。
    しかも、自宅にファイルサーバーがあってTB単位の2.5インチHDDを持ち歩いているのでまったく必要を感じなかったという………

    今回のレビューで感じたのは「手元にあるからこその不便もある」ということでした。
    それがクラウドで解消できるなら、といったところですかね。

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