レビューメディア「ジグソー」

レコードマニアならではの発想

近年最上位カートリッジMP-700の開発やOTOTEN等イベントへの参加など、積極的な展開が目立つナガオカですが、特にユニークな分野はレコード用品の新製品群といえます。

 

超極細かつ硬質な湿式専用レコードブラシWCL222から始まり、レコードクリーニング時に便利なワークマットRWM01など、これまでありそうでなかったような用品が次々に製品化されるようになってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは同社の経営体制の変化と共に、ちょっとしたアイディアを製品化できる素地が出来上がったということなのでしょう。これらの製品はかなりのレコードマニアである、同社の営業部長で執行役員でもある西武司氏が、自分で欲しいと思ったものを製品化しているという要素が強いのです。

 

私も西氏とお会いするとオーディオの話というよりはレコードの話で盛り上がることが多いというほどで、イベント等で氏が持参されるレコードもレア盤や隠れた高音質盤という素晴らしいものばかりです。特にビートルズへのこだわりは強く、デビュー作の貴重な初期盤(「Please Please Me」の初版または第2版、まともなコンディションであれば10万円程度で取引される)通称「Gold Parlophone」などもコレクションされていて、実際に何度か聴かせていただいています。

 

その西氏からアナログオーディオフェアの際に「もうじき発売できる」と伺っていたのが、今回取り上げたレコードスタイラスブラシ、SBR01です。

 

こう言っては何ですが、針先用のクリーニングブラシそのものは全く珍しいものではありません。audio-technica辺りのカートリッジを買うと標準添付されている場合もあるほどです。しかしレコードマニアが自分で欲しいと思うものである以上、当然独自の工夫があるわけです。

 

以下はナガオカのサイトから引用した画像です。

 

 

 

 

https://www.nagaoka.co.jp/release/202606001797.html より)

 

 

 

 

針先用のブラシは、レコード針(厳密にはカンチレバー)を破損しないように、レコードの進行方向の通りに動かしてクリーニングします。しかし一般的なブラシは柔らかい毛先であるため、一方向に動かしても絡まった埃などは案外取れないのです。特に針先の手前側に付着した汚れに対しては殆ど役に立ちません。

 

しかしSBR01では毛先がエリンギの頭のように軸よりも拡がっているため、針先を沈めるとこの頭の部分に引っかかって汚れが落ちやすくなっているというのです。

 

今までは針先をゲル状クリーナーの上に落として付着させるか、液体クリーナーで拭き取るかだったのですが、ゲル状クリーナーは意外と狙った所のゴミが取れなかったりしますし、液体は使い過ぎるとカンチレバーを腐食させてしまいます。ごく普通の乾式ブラシである程度付着物が取れるのであれば確かに便利です。というわけで、発売日が丁度OTOTEN 2026の初日(プレミアムデー)だったということで、OTOTENのナガオカブースに出向き、馴染みの営業の方から購入してきました。私の支払いの時に会計システムの動作チェックをしていましたので、恐らく第一号の購入だったのだと思います。

更新: 2026/06/27
総評

通常のブラシよりは格段に取れる

OTOTENの2日目(一般公開日初日)の帰りがけにナガオカに立ち寄ったところ、50個用意していたというSBR01は全て完売してしまったとのことでした。世間の注目度も案外高かったのかもしれません。まあ、馴染みの営業の方がブース内でお客さんのリクエストでレコードを再生する際にさりげなくSBR01のPRを入れていたのも地味に効いていたのかもしれませんが。初日に買っておいて良かったということでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箱の裏に説明書きもありますので、添付品は何も無くこの状態で箱に収められています。

 

 

 

 

 

 

 

 

実物を見ると毛がかなり硬めであることに気付きます。湿式ではこのくらいの硬さのブラシも見たことはありますが、乾式ではかなり珍しいといえます。

 

 

 

 

 

 

 

 

針を置くと針先が毛の中に潜っているようです。この状態となっていれば付着物の除去効果は期待できます。

 

実際に使ってみると、今まで使っていたaudio-technicaカートリッジに添付されていたブラシではなかなか取れなかった、針先に引っかかった様な埃が簡単に取れることに気付きます。

 

なお、SBR01は一応乾式のブラシではあるのですが、ナガオカ自身が汚れが酷い場合には湿式の針先クリーナーを付けてからクリーニングを行うことでより効果を発揮すると説明していますので、実際には乾式・湿式の両用と解釈する方が正しそうです。

 

針先の付着物は何より音に影響しますし、それがレコードの盤面にこすれることで摩擦熱が上がり、針先の摩耗にも繋がります。湿式クリーナーは使い過ぎるとカンチレバーの腐食に繋がりますのでなかなか頻繁には使えなかったのですが、SBR01の方式であれば気兼ねなく使うことが出来ます。

 

レコードをそこそこの頻度で聴かれる方などは持っていて損のないアイテムといえます。なお、ナガオカのレコードクリーニング用品は他にも新製品が企画されているそうで、これまでの出来を考えると期待できそうです。

  • 購入金額

    900円

  • 購入日

    2026年06月19日

  • 購入場所

    OTOTEN 2026 ナガオカブース

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