自分で曲を創るとき一番必要なのは、弾くと鳴る楽器(当然音階が鳴る楽器で、打楽器ではない)。
絶対音感はないので、浮かんだメロディやコード進行は、音が出る楽器で音を探り、書き留める必要がある(録音や電子的書き留め=DAW入力でもよいが)。
実家ではシンセやエレピ、ギターが複数転がっていて、電源投入すれば30秒ほどで音が出る環境にあったが、現在の住まいではiPhoneのアプリ
くらいしかなかった。こういったスマホ/タブレットアプリでも、動画サイトを観ると自在に操って演奏している達人もいるが、自分にはムリ。
音楽制作用の取りあえずの入力ツールとして、コンパクトでDTM入力用として評判が良かったAKAI Professionalの25鍵キーボード(MPK mini mk3)を手に入れた。
ただこれ演奏しやすく、パッド入力(叩いて演奏)も出来て、ジョイスティック型のベンド+モジュレーション調整なので、ホイールとは違った変調も出来て面白いコントローラーなのだが、当然片手で弾く用。2オクターブはあるので、ハ長調でほぼ上下動がないメロディなどであれば、ワンチャン両手で弾ける可能性もあるが、実際にはほぼムリ。
また、DTMのプラグインを購入して気がついたが、音源の中には普段使わない低音キーに、音色やフレーズが割り当てられていて、そこを押すことで、音色やシーケンスパターンをリアルタイムに切り替えることが出来るものもある。
もちろん、リアルタイム演奏でなければ、トランスポーズして切り替えするとか、打ち込み音符で切り換えることも出来るが、リアルタイム演奏時は難しい。
そこで、両手で弾ける鍵盤が欲しいな、と。
ただ、実家に帰れば61鍵のシンセが3つと76鍵のが1つ転がっているので、これ以上増やしても場所ばかり取るしなぁ...でも、おもちゃのようなミニ鍵盤のシンセサイザーは、タッチが悪くて結局使わなくなる(し、そういうもののほとんどは、付属音源に関してもショボイ事も多く、音源としても不要となる)と考えて、二の足を踏んでいたのだが、あるキーボードを実際に触って、このタッチならイイな、と納得して入手したのが、内臓音源なしのMIDIキーボードコントローラー、KORGのmicroKEYシリーズの一台、microKEY2 Air-49。
このmicroKEYシリーズ、2010年のmicroKEY-37(37鍵)を祖とする超ロングセラーの入力用MIDIキーボードで、後に25鍵、61鍵そして最後に49鍵が追加されたあと、2015年に従来のWindowsおよびMacへの対応に加えて、iPadやiPhoneへの接続にも対応したmicroKEY2シリーズへとモデルチェンジされた。このタイミングで、従来の有線接続専用機種に加えて、各鍵盤数のBlutooth接続可能なAirシリーズも追加された(実際の発売は、2016年に入ってから)。
以降、ドライバーや添付アプリなどは熟成・変遷されながらも、基本当時のまま2024年現在も販売されている定番キーボード。
単なる入力用キーボードコントローラーで、単体では内臓音源もスピーカーもないので発音できず、かといってパッドやコントロールノブやフェーダーを多数備えて「万能入力ツール」として使えるわけではない単機能の「鍵盤」だが、これだけロングセラー商品として愛されている理由は、そのジャストなサイズと鍵盤タッチの絶妙さ。
サイズに関しては、標準鍵盤でなくミニ鍵盤なので小さいのだが、その小ささが絶妙で、同じミニ鍵盤となるMPK mini mk3よりもわずかに幅広い(←標準鍵盤は1オクターヴの幅165mmと規格があるが、ミニ鍵盤に関しては明確な規格がなく各社バラバラなので設計思想によって少し調整可能)。これが押さえやすさにつながっている。鍵盤の奥行きはあまり短いと弾きづらいのだが、microKEY2 Airの方が2mmほど短いものの、黒鍵の奥行きが49mmでほぼ同じなので、ミニ鍵盤ゆえの「指が余る」ということが少ない。そして4サイズ(2オクターヴの25、3オクターヴの37、4オクターヴの49、5オクターヴの61)が揃っているので、無線接続機能の有無と合わせて、自分の用途とスペースに合わせて最適なものが選べるのが強い。
比較すると、1オクターヴではあまり明確な差ではないが、2オクターヴだと鍵盤半分近く違う
microKEY2 Airは1オクターヴ(C~B:ド~シ)139mmくらい。
奥行きは、microKEY2 Airが79mmくらいなのに対して...
...MPK mini mk3は81mmくらいで、むしろ奥行きはある
また、タッチはピアノアクションというほど高級感?はないし、いわゆるシンセタッチの中でも、ENSONIQ
ほど絶妙な打鍵感チューニングではないが、キーもペナペナではなくカチッとしているし、しっかりとした打鍵感があるので、強弱の表情をつけやすい。
microKEY2 Air(上)のキーの造りはかなり凝っている
大きさに関しては49鍵と61鍵で迷ったのだが、61鍵だと80cm超、1.5kg超と持ち運ぶにはかなり存在感がある大きさになるのに対して、49鍵は70cm少々の1.4kgと、机の上をちょいと片付けて出そうという気になる。
その時に有線だとさらにUSBケーブルを用意してPCのサイドのUSBポートに挿して...と、ケーブルが届くように机の上の配置を微調整する必要があるが、Bluetoothだと、そのあたりは自由(極端な話、スペースなければPCは離して別所に床置きなどでもよい)。
結果、DAWが入っているPCを立ち上げDAW起動とチャンネル割り当て、microKEY2 Air-49のスイッチを入れるだけで(Bluetooth側に切り替えるだけで)、演奏が可能となる。
一番右のスライドスイッチが有線⇔Bluetooth切替。Bluetooth側では電池消耗するので注意。
左手側コントロールはオーソドックスな2ホイール。オクターヴアップ/ダウンが便利な位置にある。
なお、音源に関しては、本来はKORG Software Bundleが同梱されていて、シンセ音源のM1 Leや、ギター音源のAAS Strum Session、エレピ音源AAS Lounge Lizard Sessionなどが付属するはずだが、中古入手のためBundle codeがなかったので自己調達w(DAW付属のものの他にもたくさんあるので)。そのためmicroKEY2 Air-49の商品としてのその部分は未評価。
《-参考-KORG Software Bundle内容》
◆Windows/Mac用ソフト
音源
KORG M1 Le(シンセサイザー)
AAS Ultra Analog Session(シンセサイザー)
AAS Strum Session(アコースティック・ギター)
AAS Lounge Lizard Session(エレクトリック・ピアノ)
UVI Digital Synsations(シンセサイザー)
DAW・マスタリング
Ableton Live Lite(DAW)
KORG Gadget 2 Le for Mac(DAW)
iZotope Ozone Elements(マスタリング・プラグインソフト)
◆iPhone/iPad用アプリ
KORG Module(ピアノ・キーボード音源)
KORG Gadget 2 Le(DAW)
その他オンラインレッスン割引コードなど
さらに、調整用ソフトKORG KONTROL Editorを使えば、ベロシティ・カーブや MIDI チャンネル変更などの細かい調整も可能。
このキーボードコントローラーは、入手してみてロングセラーが納得の内容でした。
【microKEY2 Air-49仕様】
鍵盤:ナチュラル・タッチ・ミニ・キーボード
鍵盤数:49
コントローラー:ピッチ・ベンド・ホイール、モジュレーション・ホイール、オクターブ・シフト・ボタン
オクターブ・シフト:-3~+3
接続端子:アサイナブル・スイッチ
無線方式:Bluetooth Low Energy (Apple Bluetooth Low Energy MIDI規格準拠)
USB端子:B端子
電源:単3形電池2本 (ワイヤレス接続時、アルカリ電池またはニッケル水素電池)
USBバス電源方式 (USB接続時)
電池寿命:約30時間 (アルカリ電池使用時)
消費電流:100mA以下
外形寸法(W)×(D)×(H):709 × 139 × 54 mm
質量:1.4kg
付属品:USBケーブル、取扱説明書、KORG Software Bundle code、単3形電池2本
動作環境 (ワイヤレス接続):
Windows / Windows 8.1以降(32bit/64bit)かつBluetooth 4.0対応PC
※KORG BLE-MIDI Driverも必要
Mac / OS X10.10 Yosemite以降かつBluetooth 4.0対応Mac
MacBook (Early 2015 以降)
MacBook Air (Mid 2011 以降)
MacBook Pro (Mid 2012 以降)
Mac mini (Mid 2011 以降)
iMac (Late 2012 以降)
Mac Pro (Late 2013 以降)
iOS / iOS8かつBluetooth 4.0対応のiPad / iPhone
[ KORG Software Bundle ] SE、6s、6s Plus、6、6 Plus、5s、5c、5、4S
[iPad] Pro、Air 2、Air、第4世代、第3世代、mini 4、mini 3、mini 2、mini
[iPod] touch 第6世代、touch 第5世代
動作環境 (USB接続):
Windows / Microsoft Windows 7 SP1以降 (32bit / 64bit)
Mac OS / 10.8 Mountain Lion以降
iOS / iOS8以降
鍵盤の造りが絶妙。あとBluetoothは思ったより便利。
鍵盤を作り込みすぎても大きく重くなるが、ちょうどよい感じで、ペナペナではないが、重すぎる感じではなく、鍵盤の奥行きを演奏に支障がない程度に少し削り、ボタン類などを鍵盤奥には持たないシンプルなデザインのため、「縁」も薄く、うまく打鍵感の上質さ・演奏のしやすさと本体の大きさ・軽さをバランスさせている。
Bluetoothに関しては、当初は有線のmicroKEY2-49を考えて探していたものの、たまたま条件の良いmicroKEY2 Air-49が出てきたので、確保しただけなのだが、 思った以上に無線接続が便利。PCと鍵盤の位置関係が自由というのは、広くはない机の上での作業にはとても助かる←いや、片付けなさい
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購入金額
8,000円
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購入日
2024年05月23日
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購入場所
ヤフオク
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