レビューメディア「ジグソー」

比較的お手頃価格でBrise Audioクオリティ

今年はCOVID-19が猛威を振るっているため、少なくとも上半期のオーディオ系イベントはほぼ中止となってしまいました。

 

東京におけるポータブルオーディオ系イベントとしては、ポタフェス秋葉原と並ぶ大規模イベントである中野ヘッドフォン祭りも、今年は4月25~26日開催予定でしたが中止となっています。

 

オーディオ機器は実際に音を聴いてもらわなければ魅力が伝わらないものであり、体験型のイベントが開催できないというのは、実はメーカー各社にとっても結構な死活問題です。

 

そのような状況下で、ヘッドフォン祭りに出店予定だったオーディオケーブルを中心に展開するメーカーであるBrise Audioが、「Stay home project」と称して少量生産品や低価格製品を用意して、直販でのみ販売するという企画を開始しています。

 

 

  Brise Audio Stay home project案内ページ

 

 

その企画の第一号として登場したのは、3.5mmシングルエンドかつMMCXまたはCIEM 2pin限定ながら、Brise Audio製品としては圧倒的に安価な1万円というイヤフォンケーブルでした。

 

 

Brise Audioの製品については、現在最もよく使っているイヤフォンである64AUDIO U4に、同社製のケーブルSTR7-Stdを組み合わせていますし、それ以外の製品も試聴イベント等で随分聴いていますので、クオリティに関しては信頼が置けます。価格の問題があり、他の製品を入手するには至っていませんが…。

 

 

 

 

 

 

そこで、このメーカーのケーブルが1万円であれば、どんなローエンド仕様でもその価値は十分あるだろうということで、CIEM 2pin用を購入することにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

基本的に少量生産メーカーですので、保証書は手書きです。今回購入したSHP-001(SHPは「Stay Home Project」の略でしょう)は廉価品であるためか、保証期間は3ヶ月となります。レギュラー製品であれば6~12ヶ月保証がきちんと付きます。

更新: 2020/04/30
総評

1万円を安いと感じさせる

それでは実際の製品を詳しく見てみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

端子部は、いずれもBrise Audioオリジナルの金メッキ版です。Brise Audioでは上位製品にロジウムメッキを使うことが多いのですが、個人的には金メッキの方が癖が少なく感じられて好みです。

 

 

 

 

 

 

 

ケーブルスライダーは上位製品でもおなじみの、ロゴ刻印入りの木製のものです。音質とデザインの兼ね合いでこれが使われているようです。

 

 

耳掛け部は特にワイヤー等が入っていない、形が固定されないタイプです。組み合わせるイヤフォンによっては、耳掛けハンガーなどを併用したくなるかもしれませんが、先日入手したAstell&Kern × JH Audio Dianaのような装着に癖のあるイヤフォンでは、かえってこちらの方が好都合だったりします。

 

 

 

 

 

 

 

それでは音質についても触れておきましょう。組み合わせたイヤフォンは前述のDianaの他、試聴用リファレンスの一つとなる64AUDIO U3です。

 

 

 

 

 

 

 

当然組み合わせるイヤフォンによって出てくる音は大きく変わるわけですが、どちらのイヤフォンでも基本的にはあまり癖はなく、程々の広さで見通しの良い音場を構築します。透明度が高く、微細な音まできちんと伝えてくるのは長所でしょう。

 

特にDianaで使ったときには、標準ケーブルでは音場の広さがある割に前方の見通しの悪さが感じられたのですが、SHP-001との組み合わせではそれが大きく改善され、聴きやすい音へと変化してくれました。

 

U3は普段組み合わせているのがWAGNUS. Ginger Lilyなのですが、中域の密度が濃くふわりと柔らかめの音で描写していいるのに対して、SHP-001に交換すると中域の密度や音場はやや薄めになるものの周波数の上から下までストレス無く鳴らしてくれるという印象に変化します。オーディオ的にフラットかつワイドといえば良いのでしょうか。Ginger Lilyでは心地よいリスニング系の音であるのに対して、SHP-001ではそれがややモニター系の方向となります。これはどちらが良いという問題ではなく好みの問題でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

Brise Audioの既存製品の写真と見比べてみると、このSHP-001はレギュラーモデルのflex001SEと外観上全く同じに見えます。勿論内部的に使っている半田などで差を付けている可能性はありますが…。

 

ただ、flex001SEの3.5mmシングルエンド版の対応端子形状を限定して、保証期間を短縮して特価販売に回したのが、このSHP-001なのではないかという予想は何となく成り立ちます。そうだとすると、通常価格よりは大幅に安いお買い得モデルということになり、バランス接続にこだわらなければ極めてお買い得な製品ということが出来るでしょう。

更新: 2020/10/12
Stay Home おすすめ度

Stay Homeが無ければ生まれていなかった製品

そもそも型番の「SHP-001」がBrise Audioの「Stay Home Project」第1号モデルという意味でしょう。

 

コロナ禍によってオーディオ業界はイベントの類いが一切なくなってしまいましたが、その中にあって新たな動きの先駆けとなったのが、Brise AudioのStay Home Projectでした。

 

気軽に同社の製品に触れられるよう、この製品のように安価な製品を用意したり、未発表だった新製品や限定モデルを先行モニター価格でリリースしたりと、できる範囲で積極的な動きを見せていました。

 

twitterキャンペーンも頻繁に実施されていて、その中の1回で当選させていただいた結果、新たに購入した製品もあります。

 

 

 

 

 

 

最近になってようやく販売店レベルで試聴イベント等が復活しつつありますが、今までのような大規模なイベントの開催は今後もかなり厳しいでしょう。そのような状況下でどのような努力をするか、各メーカーの姿勢が問われているのではないかと思います。

 

ちなみにこの「SHP」シリーズは在庫限りで終了と発表されていますが、このSHP-001は何度か在庫が追加されていて、現時点ではまだ購入可能なはずです。Brise Audioとしては圧倒的に安価ですが、同社らしいクオリティはきちんと持っている製品ですので、試しに同社製品を使ってみたいという方にお薦めです。

  • 購入金額

    11,000円

  • 購入日

    2020年04月22日

  • 購入場所

    Brise Audio 直販

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