レビューメディア「ジグソー」

1台で32ボイス、2台なら64ボイス

かつて河合楽器から発売されていたGeneral MIDI音源です。相当するキーボードモデルとしてK11が発売されていました。

平成4年に発売され、当時の定価は69,000円だったそうです(ちなみにローランドのSC‐55も同じ定価だったそうです)。

 

(2/2/7追記) 経年劣化とみられる症状が発生しました。

(2/2/8追記) バッテリーバックアップの電池切れでした。

更新: 2020/02/05

筐体の特徴

同時期のDTM音源としては一般的な1Uハーフラックサイズです。特徴的な点として、ジョグダイアルが付いていることが挙げられます(他社に先駆けて搭載しました)。私の手持ちではほかにMU2000(ヤマハはハーフラックに限るとMU128以降)やNS5R(コルグはこの機種以降)、SC-8850(ローランドのSCはこの機種のみ)などにジョグダイアルが付いていますが、この機種は設定を確認するときに時計回りに回すとYES、反時計回りに回すとNOが割り当てられています。

ただ、私の個体ではちょっと引っ掛かりが出る場合があります。前面パネルのねじ穴が1つ割れているので何らかの支障が出ているのかもしれません。

更新: 2020/02/05

音色の特徴

General MIDIは各社共通規格ですが「1番の音色はピアノ」など大まかなことは決まっていますが細かなニュアンスまでは規定していないので各社の音源で特徴が出ます。

ピアノ(1番)の音を聴くとSound Canvasと比べ明るく聞こえるのですが、ローランド(SC)やヤマハ(MU)と比べて軽い印象です(コルグ(M1)ほどではない)。

ストリングスセクション(49番)の音はかなりシンセ臭い気がします。昔の音源なのでしょうがない気もしますが早い時期のDTM音源と比べてみてもSC-55(ローランド。実際はSCVA)はプラスチッキー、X5DR(コルグ)はいい具合のローファイ、GZ-50M(カシオ)はローランドに似てるけどディケイが激しい、といった具合でかなり違っています。

ディストーション系の音色(例えば30番=オーバードライブ)はもともとごまかしの効く音色ということもありSC-55(正確にはSC-88ProのSC-55MAP)と遜色ない音が鳴ります(でも30番だとSC-88Proはひずみが柔らかめなんですよねぇ……)。

更新: 2020/02/05

簡易スピルオーバー機能

GMegaの同時発音数は32ボイスです。そのくせ32パート対応していますが、おそらく32パートフルに使うことはまずないでしょう。但し、簡易スピルオーバー機能があり、2台のGMegaにそれぞれ奇数、偶数(説明書に書いてありませんが挙動を見る限りノートナンバーかと思います)を担当させることで合計64ボイスが使えるようになります(この機種にはMIDI OUT/THRUポートが2つついています)。

私は1台しか持っていないので奇数と偶数をそれぞれAudacityで録音したうえで重ねて再生することで確認しましたが、単機で顕著なもたりが発生していた20ノート程度の同時再生でもたり(およびボイス超過による音飛び)がかなり軽減されることが確認されました(それでもたまにもたりが見られますが)。ノートオフしても音が鳴りやむまではボイス枠を使用しているので32ボイス制限では20ノート以上オンにしているとボイス超過で音が切れやすくなります。言うまでもないですが、ノートナンバーの偶奇性が偏っているデータではあまり効果がありません(メロディパートはミとファ、シとドの間が半音なので起こりにくいのですが、ドラムパートでは起こりやすい傾向にあります。実際にドラムの音が途切れるデータがありました)。

ただ、当時の定価から言って2台買うなんて考えられないでしょうけどね!(バブル崩壊後の話ですし。あとソ連も崩壊してました) 一応発売当時64音ポリの音源は同年発売されたTG-500(ヤマハ)というプロ用音源ならあったようです(DTM音源では1994年のMU80やSC-88から)。

なお、ノートナンバーの偶数は ド レ ミ ファ♯ ソ♯ シ♭、奇数は ド♯ ミ♭ ファ ソ ラ シ です。

更新: 2020/02/05

注意が必要なこと

この音源の注意事項として、GM System ONを受信しません(General MIDIのロゴ付いてるのに……)。GMリセットするには、本体の「カーソル右」「EXIT」の同時押しか、次のエクスクルーシブで行います(16進表記。3バイト目はUNIT RCV CHに合わせること)。説明書には2.5秒かかると書かれています。

F0 40 00 10 00 08 00 00 00 00 00 F7

これを見てわかるように河合楽器には製造元IDに0x40が割り当てられています(ちなみにローランドは0x41、ヤマハは0x43、コルグは0x42)。

 

入手時は以前の持ち主の設定が残っていたようで手持ちのデータの中には音痴になるものもありました。出荷時設定へのリセットで直りましたが、これはSYSTEMボタンを何度か押していくとFACTORY RESETの項目があります。

更新: 2020/02/05

ACアダプタについて

電源はACアダプタですが、出力が10V1Aという珍品で(9Vや12Vならよく見かけるのですが)、しかも欠品のため代替品を用意する必要がありました。前の持ち主は9V1Aのもので使っていたようなので当方は9V2Aのセンターマイナスを楽器店で購入して使っています(国際標準はセンタープラスですが、楽器に関してはヤマハ以外センターマイナスが多いようです。GMegaもセンターマイナスです)。

ただ、使用開始の翌日(数時間点けっぱなしにして翌朝目が覚めたら)、経年が原因かもしれませんがヒューズが飛びました(筐体を開けるとヒューズが入っています)。ヒューズ(250V1Aの20mmガラス管)を交換するとまた電源が入るようになりましたがこれでまた飛ぶようなら10V品の発注を検討する必要があります。

ていうか、ヒューズついてる製品でよかった……

更新: 2020/02/22

バッテリーバックアップが失敗する→電池の消耗でした

(2/2/7) 今日帰ってきて点けてみたらバッテリーバックアップが化けました(昨日までは正常だったのに)。MIDI INは正常に受信していますがパラメータが化けており鳴りません。ファクトリーリセットすると正常に鳴ります。経年劣化か電源の問題かは不明です。

バッテリーバックアップが異常
バッテリーバックアップが異常

 

(2/2/8) 以前の持ち主がバッテリーバックアップ用の電池を電池ホルダー(CR2032)に改造していたのですが、コイン電池を交換したところ正常になりました。バッテリーバックアップの異常を検知する機能がないのでしょう。これがDQIIIだったら「おきのどくですが ぼうけんのしょ 1ばんは きえてしまいました」と出るところですが。

電池を交換してすぐはやっぱり異常なので一度ファクトリーリセットをかける必要があります。以降は電源を入れなおしても正常に動作しました。

 

(2/2/22) 今日久しぶりに点けてみたらバッテリーバックアップがまた飛びました。だから、「おきのどくですが ぼうけんのしょ 1ばんは きえてしまいました」って出るところなんだって!

  • 購入金額

    4,800円

  • 購入日

    2020年01月29日

  • 購入場所

    ヤフオク

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