本職(?)つか一番まじめにやったのはDrumsですが、家には様々な楽器が転がっている。
これもそんな楽器の一つ。
「minimoog」、この神話的楽器をご存じだろうか。
1970年頃に開発された初期のアナログシンセサイザーである。
シンセサイザーはその名のごとく(シンセサイザー=(音)合成機)黎明期は棚(ラック)に発振器、変調機、フィルターなどを設置してそれらをケーブルで接続、発音させるというまさに「合成」装置であり非常に大がかりなシステムであった。シンセサイザー黎明期より開発に関わったmoogは(つか楽器としての概念をもつシンセサイザーを最初に商品化したのはmoogである)そのような巨大システム(Modular System)から出発した。「タンス」と呼ばれた巨大な壁にだらだらと何本ものケーブルが突き刺さった様子は初期のプログレ(EL&P等)や「火の鳥」や「惑星」といったレコードで日本のシンセ界黎明期を支えた冨田勲などのプレイや映像に接したことがある方は見たことがあるだろう。
minimoogはそのモジュール型の機材から代表的な接続法(VCO(発振器)→VCF(音色フィルタ)→VCA(音量制御)+ENV(音量・音質変化の時間的制御)+LFO(音量・音質の周期的変動))に限って最小限の結線とし、コンパクトなガタイに押し込めたもの。
比較的簡単な操作と、当時どんな楽器も出せなかった合成音で一生を風靡。大量に生産された。
その後追随するメーカーも現れ、切磋琢磨や技術の進歩もあり、シンセサイザーはその音色数やポリ数(同時に出る音の数)を充実させ、音色切り替え機能がなく1セットアップでは1音色の単音しか出せないminimoogは絶滅....しなかった。
発振器の精度がいい意味でアバウトなこと、使われている技術が原始的であることから、音に独特の「荒さ」があり、演奏の中でバックに埋もれない「主張する音」であった、つまり「フトい音」だったことがその理由。特にシンセベースと単音のシンセソロでは圧倒的な存在感で長く音楽界を支えた。
でも時が経つとそのアバウトな発振器は狂い、鍵盤もへたり、ジャンクの山となっていった。なにより致命的だったのは設計時代からは致し方ないが、自動演奏の機能や外部からのコントロール機能がなかったこと。最も使われたベース音はドラムマシンと並んで「打ち込み」と呼ばれるコンピュータ制御の自動演奏が多く使われていたので、この機能がないminimoogは今度こそ絶滅....しなかった。
オリジナルminimoogの部品を使って、汎用的な楽器系コントロール信号規格であるMIDIに対応させた音源モジュール、「MIDIMOOG」。制作したのは外部メーカー「Studio Electronics」。
moogそのものの(あたりまえ)太い音と、コンピュータコントロールもできるMIDI端子装備。バンド解消後一時DTMにはまっていた時代に購入。合成やサンプラーにはない独特の存在感溢れる音で結構使いました。
今はさらに技術が進んでレトロシンセサイザーシミュレーターなどによりその音色が再現されることも多くなっていますが、やっぱり電圧安定しないと音程がブレるとか、湿度によってフィルターのキレがちがうとか「生き物のような」こいつが好きです。
本家moog music
VINTAGE SYNTH EXPLORER MIDIMOOG
Wikizic日本 MIDIMOOG
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購入金額
300,000円
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購入日
1993年頃
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購入場所
N-DRさん
2011/04/22
cybercatさん
2011/04/22
ちょ~~~アナログです。もともとアメリカの117Vに合わせて作ってあるのですが、途中に100V→117Vのトランス挟まないと音程へべれけ。
>もうこのあたりは大人のおもちゃだな(笑)
そうですね。好きな人以外は「全く」理解できないでしょうが。
minimoogって聞いてときめかない人には完全な「置物」です。
でもつまみがレトロでCOOLなのでそれはそれであり??