あまり見かけない音源を入手しました。カシオ計算機から発売されていたGeneral MIDI音源です。
経年劣化によりボリュームにガリが出ています。
筐体の特徴
一般的に、スタジオ向けの音源モジュールは19インチラック(サーバー用電算機を格納する棚)にマウントすることを想定して作られています。これに対し、DTM音源の多くは省スペースながらスタジオユースも考慮したハーフラックサイズで作られていました(ラックに2つ並べられるサイズ)。高さは廉価版などでは1U(私の手持ちではコルグのX5DRやNS5Rが該当)、フル機能のものでは2U(私の手持ちではヤマハのMU2000、ローランドのSC-8850とSD-90)が一般的でした(但し例外があって、SC-88Proは1.5Uハーフラックサイズ)。
それを踏まえて、この機種は一般的なDTM音源と比べて小さく、1Uクオーターラックサイズです。ハーフラックのさらに半分ということですね。外付けドライブのような(昔使っていたMOドライブくらい?(←今の人には伝わらない) 紙でいうとB6より少し大きいくらい)大きさです。
筐体が小さいため機能もインターフェイスもシンプルです。この機種はGeneral MIDI level 1に対応していますが、それだけです。SC‐55のように音色が拡張されているわけではありません(バンクセレクトに対応していないようです)。
表には電源ボタンとLEDインジケーター2つ(電源とMIDI信号)、ボリューム、イヤホン端子、デモ曲(ROM)を再生するボタンがあり、裏には電源ジャック(DCアダプタ)と MIDI IN、音声出力(標準ジャックが左右1つずつ)あります。デモ曲を再生するためだけのボタンがあるとは贅沢ですね。
標準ジャックについて、NS5Rの記事に「シンセ寄りといわれる本機の特徴を反映しているのかもしれません」と書きましたがそういう事情とは関係ないようです。なぜ標準ジャックにしたし。
スタジオユースなど一切想定しない、DTM専用音源として割り切った設計になっているといえます。
音色の特徴
SC-55(正確にはSC‐88ProのSC-55マップ)と比べてカマボコ気味な感じです。また、音色ごとの音量バランスも異なるため、ドラムが目立ちやすい傾向にあります。
なお、本製品にはカシオトーンの音源が使われているそうです。珍しい音源ですしこれはこれで……
遅い?
この機種はGeneral MIDI音源ですが、実際に使ってみるとどうももたつきが発生しやすいようです。曲によっては明らかにリズムがずれているのが分かります。でも「調律がずれている」という意味の「音痴」ではないので(当たり前)トラックごとに分けて録音して後からミックス……そんなんやってられるか!
SC‐8850をMIDIインターフェイス代わりに使っているのですが、同じSC‐8850のMIDI OUTに接続しているはずのKORG X5DRではもたつきが見られないのでCASIO GZ-50Mの問題と思われます。
極端な例……RPGツクールVXの戦闘BGM(Battle1.mid)はSC‐88Proでも(MIDI接続の場合。シリアル接続は環境がないので不明)最初のオケヒがもたりますが、この部分は同時のノートオンが多すぎるため発生します。USB接続かソフトウェア音源ではもたらないのでMIDIの仕様(31.25kbps)によるものと思われます(ちなみにUSBはLow-Speedモードでも1.5Mbps)。GZ-50Mでは全体的に遅れがちなうえにボイス数超過のためまともに鳴りません。
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購入金額
3,734円
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購入日
2020年01月16日
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購入場所
ヤフオク
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