レビューメディア「ジグソー」

ゲーミング用途で比較する Core i7-4790 vs Pentium G3258

ゲーミングPCで重要なパーツと言えばまずはビデオカードが挙げられますが、では、CPUってどうなんだろう?
Core i7-4790Kでは標準時でも4GHzを達成し、今回比較に用いたCore i7-4790も標準時3.6GHz、Turbo Boost時で4GHzまでクロックが上昇します。
しかも、4コア8スレッドと並列処理が可能なアプリケーションではかなりのパワーを誇ります。

 

かたや素晴らしいコストパフォーマンスで知られる、Pentium登場20周年モデルのPentium G3258。
標準時のクロックは3.2GHzと控えめながら、オーバークロックをすると4.5GHz程度までクロックが伸びることで人気のCPUです。

 

両方とも動作クロックは同程度で動かすことが出来ますが、最大の差はコア数の違い。
Core i7-4790は4C/8Tですが、Pentium G3258は2C/2Tとなります。
コア数の違いはエンコード等では大きな差になってきますが、では、シングルスレッド処理が多いゲーム用途に限定するとどうなのか…という疑問が沸いたので、実際に実験することにしました。
今回は、「ゲームにおいてCore i7とPentiumで優位な差は出るのか?」ということを検証していきたいと思います。

 

比較に用いるCPUは以下の通りです。

 

■Core i7-4790

Haswell RefreshアーキテクチャのCore i7。
クロックは固定ながら標準3.6GHz、Turbo Boost4GHzととてもパワフル。
しかも、Hyper Threadingによる4コア8スレッドで、エンコードなどで底力を発揮します。

 

■Pentium G3258
Haswell世代のPentium。
20周年モデルなのですが、倍率がアンロックされているのが最大の特徴。
今回はCore i7-4790のTurbo Boost時のクロックに合わせるため、倍率40倍の4GHzにオーバークロックしています。

 

上記の2種類のCPUを使って、FF14ベンチマークとWorld of Tanksのリプレイファイルを使って、フレームレートを比較していきます。

 

検証環境は以下のスペックのPCを使用しています。

・マザー:intel Z97 マザーボード
・メモリ:DDR3L-1600
・OS:Windows 10
・モニター:SONY BRAVIA フルHD(1920x1080)

 

比較に用いるビデオカードは、GTX780、GTX660Ti、Radeon R9 270Xの3モデルを用意しました。

 

 

 


 

 

GeForce GTX780 

言わずと知れた一つ前のハイエンドカード。

現行モデルで言えば、GTX970とほぼ同一のスコアとなります。

 

World of Tanks

GTX780を使ったWorld of Tanksのフレームレートテストでは、僅かながら差が出る結果となりました。
Core i7-4790に対し、Pentium G3258は約93%と、7%の差が生じています。
7%といえば、GTX980とGTX970くらいの差はありますので、価格差に換算すると2万円強、といった程度でしょうか。
ビデオカードがボトルネックになりにくくなるハイエンドビデオカードを使う場合は、Core i-7クラスのCPUを選ぶ価値はありそうです。

 

Final Fantasy 14 蒼天のイシュガルドベンチマーク

上記はCore i7-4790時のもの。

 

そしてこちらがPentium G3258使用時のスコア。


Core i7の9656に対し、Pentium G3258は9513とほぼ誤差程度の差しか生じていません。
FF14をプレーするのであれば、CPUに求められるのはシングルスレッドの処理速度になりますので、Pentiumシリーズのデュアルコアでも快適に遊ぶことできます。

 


 

 

GeForce GTX660Ti

旧モデルのミドルクラス製品ですが、まだまだ重たいゲームでなければ使えるビデオカードです。

 

World of Tanks

World of Tanksですが、こちらは有意な差はまったく見当たらず。
Core i7-4790に対してPentium G3258は99.9%のスコアとなっていますので、まったく同一と言って良いかと思います。

 

Final Fantasy 14 蒼天のイシュガルドベンチマーク

上記はCore i7-4790のもの。
フルHDの解像度であれば、このクラスのカードでも十分遊べます。

 

Pentium G3258時のスコア。
Core i7-4790と比べると、GTX780と同様誤差でしかないスコアとなっています。

 


 

 

Radeon R9 270X

リネームしまくりでよく分からないことになっているRadeonですが、モデルとしてはGTX660クラスの対抗馬としてリリースされた製品。
性能としてはGTX660より上、GTX660Tiにはちょっと及ばない、といったあたりになります。

 

World of Tanks

こちらもCPUの差による差異はほとんど見当たらず、Core i7-4790比で99.1%のスコアとなっています。

 

Final Fantasy 14 蒼天のイシュガルドベンチマーク

Core i7-4790時のスコア。

GTX660Tiよりも少し低いスコアになってます。おおむね性能通りという感じ。

 

Pentium G3258使用時のスコア。
こちらも差はたった3と、完全に誤差の範囲に収まっています。

更新: 2015/08/22
コストパフォーマンス

ゲーミング用途ではCore i7-4790と同等のスコアを記録

結論

World of TanksとFF14ベンチマークという、少ない比較ではありますが、この2タイトルに限って言えば、「CPUはCore i7だろうがPentiumだろうがビデオカードが同じであればスコアはほぼかわらない」という結果となりました。

 

ビデオカードによりかなりのスコアの差がありますから、ソフトウェアの処理がどちらかというとビデオカード側に依存しており、かつプログラムもシングルスレッドで動作しているので、Core i7の恩恵を受けられていない、という状況かと思います。

限られた予算でPCを組む場合、CPUをPentium G3258…はさすがにビデオカード側とは不釣り合いなので、たとえばCore i7→i5/i3クラスに落として、その分ビデオカードをワンランク上げる、というのは有効な選択肢だと思います。

 

今回はHyper Threadingが有効なCore i7と無効なPentium G3258の比較ですので、シングルスレッドの処理速度が若干Pentium G3258に有利となっていた可能性はあります。
そう考えると、ゲーミングPCには物理コアはCore i7と同じ4コアを積んだCore i5シリーズが最適かもしれません。

※HTはCPUコア1つを仮想に2つに見立てて空いた時間で処理をさせるので、若干のオーバーヘッド分がある

 

Pentium G3258が8,000円ちょっと、Core i7-4790が38,000円程度。

この3万円の差をどう考えるかと言うと…上記2タイトルに限ると、CPUでCore i7-4790を買ってビデオカードはGTX960にする…というよりも、CPUはPentium G3258をチョイスし、ビデオカードはGTX980を買う!という非常に不釣り合いな、ピーキーな組み合わせが最も効果的になりそうな気がします。
ただ、エンコードとかマルチスレッドの処理はガクッと速度が落ちますから、そこは要注意です。

  • 購入金額

    8,000円

  • 購入日

    2015年08月22日

  • 購入場所

19人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (4)

  • ぱずるさん

    2015/08/22

    i7-4790K と Pentium G3258 持ってますが検証しようかと思いつつもなかなか出来なかったので参考になりました。
    安いグラボ載せてあげるだけで幸せになれそうですね。
    Windows10のDirectX12だとCPU側の処理が改善されるらしいので差が付くかもです。
  • ふっけんさん

    2015/08/22

    FF14ってタスクマネージャ読みだと4スレッド動いているように見えた記憶があるのですが、意外に2スレッドCPUと8スレッドCPUで差が出ないものなのですね。

    大変参考になるベンチでした(;=゚ω゚)=333
  • n-eさん

    2015/08/22

    ベンチマークテストだとほぼGPUでスコアが決まるのが多いけど、実際のゲームだと何かとCPUに負荷がかかるから差がありますね。MMOとか人数が多いMOは負荷が大きいものが多い感じです。あとWindowsでゲームをしているとシングルタスクというわけにもいかないのも難しいところですね。実際のところ、ほとんどのゲームでi7は必要ないだろうけど、どれくらいあれば十分なのかは、ゲームによって違うので難しいところです。CPUスペックに比例してローディングが短くなるゲームなんてのもあるし。
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