レビューメディア「ジグソー」

OCで遊べて楽しいCPU

2014年にPentium誕生20周年記念として発売されたモデル。発売直後に対応マザーを持っていないにもかかわらず衝動買いしたもの。

記念モデルといっても現在のPentiumはCore iシリーズの下位となり、デュアルコアでHT無し。

このG3258も定格3.2GHzとフツー。フツーといっても自分が昔メインで使っていたPentium4 3.2EGHzと同じクロックな上にデュアルコア。クロックあたりの性能も比べちゃいけないレベル。

別にPentium最高クロックというわけではないのだが…なんとi5やi7と同じく倍率フリーのアンロックモデル。対応マザーを使えばベースクロックを弄る事無くクロックをアップできるのだ。

インテルのアンロックモデルはクアッドコア以上が多く、デュアルコアのアンロックというと2010年のCore i5 655K以来。CPU自体が廉価かつ、発熱・消費電力面で手頃なデュアルコアということで、オーバークロック入門用として「遊べる」CPU。

 

 

ちなみにパッケージも専用デザインが奢られており、自分には理解できない独特のセンスが素晴らしい通常のHaswellパッケージと違って親しみやすいデザインだ。

ちなみに付属のクーラーも銅柱入りと上位クアッドコアモデルと同等のものになっているので、このクーラーでもOCはいけるんじゃないだろうか。

更新: 2015/03/08
コストパフォーマンス

実用面でもコスパ良し 4.6GHzで常用OK

素の状態で使っても意外と快適。もちろんクアッドコアに慣れてしまった状態だと少々のひっかかりを感じる場面もあるが、Haswell世代なのでメモリやSSDの性能を存分に生かせる。CPUはこの辺りに予算を押さえておいてSSDやグラフィックボードに予算をかけるのは十分アリな選択肢だろう。

で、なんといってもオーバークロック。あくまで保障外だがやらない手はない。

今回用意したマザーがPentiumに不釣り合いな超多機能ハイエンドマザーASRock Z87 Extreme11/ACというコストパフォーマンスでは本末転倒な構成になってしまっているが。発売当初の実売価格は8万円に迫るマザーなのでPentium10個分だ。

まあOCに直結しそうな電源フェーズに関しては同Extreme4と同じ12フェーズなのでミドルハイと大差ないと思うが…

このマザーにはプリセットで3.8~4.4GHzのOCプロファイルが用意されており、それを選ぶだけでもうOK。あっさりそのクロックで動く。さすがにプリセットだと電圧は強気&固定に盛られるので、冷却力には余裕を持っておいたほうがいい。

今回は冬場な上に簡易水冷をぶちこんでいるので(極端な設定にしない限り)冷却力に関して不足を感じることはなかった。

4.2GHzプリセット電圧でも4.4GHzは普通に動作するのでやはりプリセットは電圧に余裕を持たせているようだ。

また4.2GHz以上のプリセットは電圧が固定モードになるのでアイドル消費電力や発熱が高くなる。なので4.0GHzの電圧可変プリセットをベースに手動でやっていくと、4.6GHzまではあっさり安定して動く。その時の負荷時電圧は1.350V程度だ。

4.7GHzになるとシビアになってきて、1.380Vではベンチを何度か回しているとBSODが起きる。1.390Vでベンチは安定したがマザーに拡張カード等を挿すと不安定になる。

この個体はここが壁らしく4.8GHzを狙うと1.5V近くまで電圧を上げるハメになる。一応OSは起動するしベンチマークも回るのだが、簡易水冷ではまるで冷却が間に合わない。

 

純粋にOC記録を狙うならより冷却力のある構成にするなり殻割りするなりしかないのだが、今回はあくまで常用マシン狙い。ベンチマークは4.7GHzでGo。尚ベースクロックとかも弄っていない。

(ちなみにベンチ取った後は実使用環境での安定性を考えて4.6GHz常用に)

 

4.6GHz時のWin7WEI。さすがにデュアルコアなのでCPUスコアはOCでも7.3。搭載GPUはRadeon HD7770*2のCFX。メモリはDDR3 1866 4GB*4でメモリスコアは堂々の7.9。

元々Core i7 3770Kで使っていたケースやパーツ類(と新たなハイエンドマザー)なのでデュアルコアのPentiumが収まるにはずいぶん物々しい姿。 

もちろん多スレッドを効率的に使える最新のゲーム等にはキツいのだけど、DirectX9時代の古いゲームやベンチだと、この実クロックはかなりの武器になる。

 

なんと3Dmark06ではCPUスコア以外を3770K定格どころか4.4GHzOCを越えるスコアを叩き出した。FF14ベンチでも3770K定格に迫るスコアだ。ついでに同じHD7770でスコアをとったことがあったX79の低クロックヘキサコアXeon E5-2620とは明確な差が。やっぱりクロックだよ兄貴。

FF14ベンチでもフルHD最高画質で8500ptを達成。同じく7770のCFXを搭載したCore i7 3770K定格が8611ptなのでFF14に関してはほぼ同等に迫れるのだ。

HD7770のクロスファイアとっても今なら750Ti単発でも迫れるレベルの性能なので、Pentiumの性格を考えればそちらのほうが小型マシンを作るのに適している。

 

同時にいくつもの作業をしたり、クリエイティブな作業には向かないが、ネットゲーム用には十分実用域。キャプチャや配信を行うならスレッド数に余裕のある上位モデルがいいだろうがゲームだけを楽しむならコストパフォーマンスは高い。

 

また注意すべきはOC状態だとそれなりに電圧を持っているので消費電力や発熱面ではクアッドコアCPUに迫ってしまう点。使用したマザーや構成パーツの消費電力が高いのであまり参考にならないが、今回の構成(4.6GHzOC Z87 Extreme11/ac HD7770x2 SSHD1台 mSATASSD1台 サウンドカード USBカード 光物いっぱい)でゲームをすると250Wを越える。マザーで+40Wくらいされている気がするんだが、OC状態で常用するならCorei5向けくらいの電源は用意しておいたほうがいい。

 

 

同じくデュアルコアでOCを楽しめるAMD A6-5400Kで感じた微妙なひっかかり感も実クロックに物を言わせているせいか少ないのでブラウジング等の常用でもなかなかのパフォーマンス。「パワーを使い切っている」のでOCすればするほど大抵のベンチやゲームで効果がでるのも楽しい。

一方オンボードグラフィックはAPUと比べるのはキツイので、グラフィックボードを使わないのなら同価格帯のアンロックAPUで遊ぶのもいい。

 

OCで限界まで攻めるもよし、常用OCでサブPCはもちろんメインPCとして使うもよし。定格に戻してファイルサーバーにするもよし。遊びにも実用にもコスパのいいCPUかと。

ただアレだ、今回みたいに高価なパーツでゴテゴテに固めるCPUじゃないよね!

 

  • 購入金額

    7,329円

  • 購入日

    2014年07月04日

  • 購入場所

    TSUKUMO

コメント (5)

  • vuronさん

    2015/03/08

    Ballistixの方に目が行く基地外がここにいます・・・
  • 下小川さん

    2015/03/08


    光るぜ~超光るぜ~ 買った当時のレビューでは2枚しかもってなかったんですが、その後都合よく全く同じスペックの中古品2枚を発見したのでついに4連達成です。
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