Digi Fi No.10は特別付録についている OlasonicのHEAD PHONE AMP/LINE出力つきバスパワー駆動のUSB-DACです。
同じような機能をもつUSB-DACとして、stereo誌のおまけ LUXMAN LXU-OT2 があります。
このモデルは当たりはずれがあるとも言われますが、別ルートで2個購入して試しました。
しかし素の特性も、昨年末電解C,昇圧,オペアンプ交換ほかさまざまな改造を実施しても、
まったく満足行くレベルに到達せず、さらに常用すると疲労感がある状態で使うのをやめてしました。
話は長くなったのですが、Olasonicは機能は同等ですがオペアンプ交換など欲張らず、もっと実用度の高い商品を作ってきました。
本機はカップリングコンデンサには日ケミの標準グレード SMGですが、無改造でも音質、ノイズ、音量を十分なレベルで鳴ります。
回路定数を工夫して ほぼ220μF,47μFで構成されてるところをみると、インプレスのUSB-DACと同じで、ローコストでも問題の出にくい設計にしてるのでしょうね。
オペアンプ交換できるより、全然こっちの新型オペアンプのほうがいい感じですね。
上からみるとこんな感じです。
out SMG, in MUSE or FineGold?
さて、SMG 220μ/16V を交換してみます。
今回の候補は、
ニチコン Fine Gold と ニチコン MUSE KZ です。
どちらも耐圧25V品で、グレードは MUSE KZ>>FineGoldの順です。
電解コンデンサは同一材料なら容量や耐圧が大きくなると大型化します。
さらに MUSE KZはオーディオ用にするために構造を最適化しているため、
かなり大きいです。
SMG, Find Gold, MUSE KZの順ですが、大きさの違いが分かるでしょう。
で サイズのため ヘッドフォンアンプの出力カップリングを MUSE KZに、
入力側を FineGold にしてみました。
エージング途中ですが、全然気にならないぐらい良く鳴ってますよ。
これなら常用できそうですよ。
まぬけな話なんですが、
MUSE KZとFineGoldの背の高さが同じぐらいになってます。
これは、FineGoldに取り換える際に裏面のパターンを少し剥がしてしまって、
部品面で配線しちゃったので、はんだごてを入れるスペースのためリード線が長くなってるからなんです…はずかしい失敗ですね。
LINE OUTを使ってみる
インプレスのDVK-UDA01を USB-DAC、アンプに LXA-OT1を使ってきたんですが、ためしにUSB-DAC部分をこれに入れ替えてみます。
本機のラインアウトはヘッドフォンアンプ系とは分離していて、カップリングコンデンサは入れ替えていません。
ヘッドフォン側は出力側カップリングMUSE KZなので聴き易いのですが、
ライン側は SMGのままなので… 低音が小さいのと情報量不足で物足りません。
DVK-UDA01も FineGoldにする前は SMGで同じ傾向でしたので、
ラインアウトのカップリングも交換してみたほうがよさそうです。
さらなる改造…
この基板はスルーホールなんですが、パターンが剥げやすいので要注意…
スルーホールゆえに助かってるともいえますけどね。
だいぶFine GoldとMUSE BPに入れ替わりました。
・VBUSのデカップリング C1を Fine Gold 220uFに変更, C2をMUSE BP 22uFに変更。
→ C2はC1をFGに交換してしまうとあまり効果なしかな? ESRの引き下げ効果はありますけどね。
・TPS61170昇圧コンバータのあとのデカップリング C6を MUSE BP 47uFに変更
・ラインアウトのカップリングC39,C40 は MUSE BP 22uFに変更
・PCM2704のデカップリング C16 を Fine Gold 220uFに変更
・PCM2704出力の正側のカップリング C21,C22 を MUSE BP 22uFに変更
これでヘッドフォン出力はだいぶ改善しました。
しかし、ラインは満足行くレベルじゃないです。
残っている箇所は、PCM2704 出力のGND側のカップリング C25,C26。
初段が差動入力のようで、こっちも見直す必要があります。
手持ちの MUSE BP 47uFを使い果たしたので、後回しにします。
この段階では、ライン兼ヘッドフォンアンプの前段のデカップリング C9,C31,C32が未交換です。C9を抜いて、C31,C32を東信 UTSJ 330μ/16Vにしますかね。
C9はそのままにして、C31,C32を東信 UTSJ 330μ/16Vにしました。
上部の銀色が UTSJ です。
ここまで改造したとたんヘッドフォン出力のVoに艶が出てきましたし、低音が出るようになりました。ただし、ボリュームに関係のないホワイトノイズが重畳してます。
PC側のノイズっぽいのでUSB電源のノイズ除去が足りないかも。
ラインアウトの状態は未確認です。(深夜なので)
改造ポイントを整理すると
改造すべきポイント
- デカップリング C6/C16/C31/C32/C51/C52
- カップリング C21,C22
- ヘッドフォンを使うなら C55,C56
- ラインアウトを使うなら C39,C40
お勧めのカップリングは、
入力は MUSE BP、ヘッドフォン出力は MUSE KZ
デカップリングは UTSJ 330uF/16V
ってところです。
ここまでの改造にかかった費用は、
UTSJ 330uF/16V @84 x 2 (千石電商)
MUSE KZ 220uF/25V @40 x 2 (秋月電子通商)
MUSE BP 22uF/25V @30 x 5 (秋月電子通商)
MUSE BP 47uF/25V @30 x 1 (秋月電子通商)
FineGold 220uF/25V @40 x 4 (秋月電子通商)
588円(税込)で結構満足できました。
ホワイトノイズ対策
たかじんさんのページ
http://nw-electric.way-nifty.com/blog/2013/07/digif.html
http://nw-electric.way-nifty.com/blog/2013/07/digifi-no10-usb.html
PCM2704自体のホワイトノイズを ラインアンプxHPAで気になる電圧レベルまで引き揚げてしまってるということで、HPAのゲインを0dBにする改造をされてます。
私も1-2,6-7ピンをショート、さらにR51/R52を外したところホワイトノイズについてはほぼ消えました。
カナルタイプのイヤホンどころか、ATH-A5Xでも十分認識できるノイズでしたが、なんでHPAでゲインを確保しようとしたのか設計者の意図が読み取れませんでした。
さらに、ヘッドフォン出力の抵抗に KOA金属皮膜抵抗 33Ω 5%をパラで入れることで、リズムパートがしっかりしてきました。
もともと 220Ωのパラで110Ωにしていたところに 33Ωを入れたので、
(110*33)/(110+33) = 25Ωです。
47Ωを入れるとちょうど32Ωですから、この辺でよかったかもしれないです。
C6は MUSE BP, C51,C52はFineGold, C31,C32は UTSJに交換してしまったので、フィルムCはパラってません。ためしにやってみても交換を感じられませんでした。
http://nw-electric.way-nifty.com/blog/2013/08/digifi-no10-usb.html
さて、ここまでの改造直後は LPFのカットオフ周波数が下がったような感じで高音がかなり少な目になってましたが、エージングを続けてきたところ 低音多目ですが高音も少しずつ出てきました。十分満足行くレベルでしょう。
残る重要な改造ポイントは、C37,C38 ラインアンプのNFBループのコンデンサです。
ここのセラコンは 470pFのフィルムCに交換する予定です。
-
購入金額
3,300円
-
購入日
2013年05月29日
-
購入場所
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。