インテルのLGA1155用CPU「Core i7-3770K」です。
発売日に深夜販売で購入しました(;=゚ω゚)=333
■概要
本CPUの開発コードネームは「IvyBridge(アイビー・ブリッジ)」と呼ばれており、今までのメインストリームCPUである「SandyBridge」の後継となるモデルで以下の部分が進化しています。
・製造プロセスが22nmとなり、低TDP化
・内蔵グラフィックがIntel HD Graphics4000(モデルによっては2500)に強化
・PCI-E Gen3に対応(Gen2の2倍の転送速度を誇ります)
22nmプロセスや3Dトランジスタなど、半導体としては大きなトピックが満載なのですが、ユーザーが体感するという意味ではSandyBridgeからのマイナーチェンジという印象があります。
このCPUは今回発売されたIvyBridgeの中で最上級モデルになります(;=゚ω゚)=333
(私がこんなグレードのCPUを買うって珍しいですね(^^; )
大阪日本橋での深夜販売の様子です。
(あまり販売の様子では無いかも知れないけどw)
※zigsowへのログインが必要です。
今、Corei7プロセッサ等を購入すると、SEGAのオンラインゲーム「ファンタシースターオンライン2」のゲーム内で使用できる、オリジナル武器が貰えます。(キャンペーン期間は2012.7.31まで) 私のものはロケットパンチo(#゚Д゚)_‐=o)`Д゚)・;'!でした。
■仕様
ここで、3770Kのスペックをおさらいしましょう。
【開発コードネーム】 Ivy Bridge (アイビー・ブリッジ)
【製造プロセス】 22nm 3Dトランジスタ使用
【コア数(物理/論理)】 4コア/8スレッド
【L2キャッシュ】 256KB×4
【L3キャッシュ】 8MB
【クロック(定格/ターボ)】 3.5GHz / 3.8GHz
【内蔵GPU】 Intel HD Graphics 4000
【実行ユニット数】16基
【GPUクロック】 1150MHz(最大)
【対応メモリ】 2ch DDR3-1600
【TDP】 77W
【備考】 倍率ロックフリー、DirectX11対応
SandyBridgeと比較しても、実行ユニット数の増加(12基→16基)やDirectX11対応、メモリの高速化DDR3-1333→1600等、色々改良されている部分があります(;=゚ω゚)=333
■開梱
とりあえず、開梱してみましょう(゚ω゚)
付属品
・CPU本体
・CPUクーラー
・マニュアル(エムブレムシール付)
いつものリテール品と同じですね(^^;
CPU本体表面(左が3770K、右が2600K)
CPU本体裏面
微妙にコンデンサなどの部品配置が異なっています。
CPUクーラー
私の場合、どちらもDELTA製の全く同じ型番のものでした。
intelの純正クーラーはいくつかのOEM供給元があるので、別のものが入っている可能性もあります。
高さは基板面から約50mmです。
LGA775のPentium4付属のクーラーだと70mmだったので低くなっており、当時のクーラーよりもスリムケースでの干渉がし難く、吸気の確保がしやすくなっています(゚ω゚)
純正でこんな低背タイプが付属するのは嬉しいですね。
■動作させてみよう
マシンの構成。やはりIvyBridgeと組み合わせるならZ77でしょう(゚ω゚)
【CPU】Intel Corei7-3770K
【CPUクーラー】Thermaltake Jing 静冷魂CLP0574
【マザーボード】GIGABYTE GA-Z77X-UD5H
【メモリ】CORSAIR CML16GX3M4A1600C9B (4GB×4枚)
【SSD】Intel SSD 320 Series 300GB
【光学ドライブ】BUFFALO DVSM-P58U2/B(USB接続)
【グラフィックカード】Intel HD Graphics4000 (CPU内蔵)
【ケース】IN-WIN IW-S500
【電源】剛力3プラグイン 700W
【OS】Microsoft Windows7 HomePremium(64bit)
※上記の製品名をクリックすると、それぞれのレビューに飛びます。
上記の構成で特に問題なくOSをインストールできました。
エクスペリエンス・インデックス(Windows7)
(失礼ながら)Intelの内蔵グラフィックスとは思えないような値が出ています(^^;
■CPUの性能を見てみよう
やはり、新しいCPUとなると最も気になるのは性能だと思います(;=゚ω゚)=333
ここでは、5つのベンチで性能を比較します。
・CrystalMark2004R3「ALU」 整数演算の性能を測定します。
・CrystalMark2004R3「FPU」 浮動小数演算の性能を測定します。
・午後のこーだー MP3への変換速度を測定します。(ノーマルベンチを使用)
・CINEBENCH R11.5 64bit版「CPU」 3DCGのレンダリング性能を測定します。
・MediaEspresso6.5「CPU」 CPUでのエンコード速度を測定します。
(動画のソースはQSVの項を参照してください)
上記のアプリケーションは全てマルチスレッドに対応しています。
比較対象として、
・Corei7 3770K(定格) 定格クロック3.5GHzです。
・Corei7 3770K(OC) GIGABYTEマザーのOC設定1で4.18GHzにOCしたものです。
・Corei7 2600K(定格) 前世代のSandyBridgeのCPUで定格3.4GHzです。
・Corei7 2700K(相当) 3770Kとクロックを揃える為に、2600Kの倍率を上げたものです。
(全CPUとも、TurboBoostは有効にしていますので、ベンチにバラつきが出る可能性があります)
このベンチの見所は、以下の3点です。
・Corei7-3770Kの絶対性能
・Corei7-3700Kの定格とオーバークロック時の性能比較
・3700K(IvyBridge)と2700K(前世代SandyBridge)との同クロックの性能比較
【結果】
3770Kは同クロックの2700Kに比べて約7%の性能がUPしています(;=゚ω゚)=333
比較的低リスクだと思われる4.18GHzのOCだと約20%の性能が上がっています。
これなら、2600(Kが付かない方)を持っている方が、OC前提に買うのもありかも知れません。
絶対性能を考えると、IvyBridgeのコストパフォーマンスはかなり高いと思います。
■内蔵GPU(Intel HD Graphics4000)の性能を見てみよう
IVyBridge世代のウリとして、内蔵GPUの性能向上が挙げられています。
Corei7-3770Kでは最上位のIntel HD Graphics4000(以下、HD4000)が搭載されています。
前世代のIntel HD Graphics3000(以下、HD3000)よりもクロックが1350MHz→1150MHzへと下がっていますが、実行ユニット数が12基→16基へと増えています。果たしてこれが性能のどのように影響するのか見ものです(;゚∀゚)=3
ここでは、5つのベンチで性能を比較します。
・3DMark06 3DMark06の総合スコアです。
・PSO2 ファンタシースターオンライン2のキャラクタークリエイト体験版のベンチです。
・MHF3 モンスターハンターフロンティアオンラインベンチ3[大討伐]です。
・A列車 A列車で行こう9のOpeningAのベンチです。
・FF11(H) FINAL FANTASY11Bench3のHIGHで測定します。
・CINEBENCH CINEBenchR11.5のGPU(OpenGL)テストを行います。
比較対象として、
・Corei7 3770K(定格) 定格GPUクロック1150MHzです。
・Corei7 3770K@1350 3770KのGPUを1350MHzにOCしたものです。
・Corei7 2600K(定格) 前世代のSandyBridgeの内蔵GPUで定格1350MHzです。
・Corei7 2600K@1650 2600KのGPUを1650MHzにOCしたものです。
3770KのGPUもOCしましたが、1450MHz辺りが限界でドライバの応答が無くなったりしますので、1350MHzとしました。
このベンチの見所は、以下の3点です。
・Corei7-3770K内蔵のHD4000の絶対性能とOC後の性能
・HD3000とHD4000の同クロックの性能比較
・HD3000@1650MHzでHD4000(定格)に追いつくことはできるか!?
【結果】
ほぼ全てのベンチでHD4000がHD3000を上回っています。約30%の性能向上といったところでしょうか。(唯一FFBench11が下回りましたが、このベンチはCPU重視でありGPUではあまり性能差はでません。)
注目すべきところは、HD3000を1650MHzまでOCしたときよりも、HD4000(定格)の方が速いことではないでしょうか(;=゚ω゚)=333
このスコアなら内蔵グラフィックスでも、タイトルを選べば3Dゲームも遊べます。
昔は低解像度でしか使えないとか、Office専用とか言われたIntelのGPUも進化しましたね(^^;
■PCI-Express3.0の性能を探る
IvyBridgeではPCI-Express3.0に対応し、従来のPCI-Express2.0の2倍の転送速度を誇ります(;=゚ω゚)=333 既に対応マザーボードとグラフィックカードは発売されています。
ここではGen3対応のグラフィックカードRADEON HD 7770を使用し、マザーボードのBIOSでGen2とGen3を切り替え、各ゲームのベンチマークを行いました。
【結果】
Gen2とGen3のスコア差は1%未満であり、実質差がありません。
但し、良く見ると全てのスコアでGen3が勝っていたりします(^^;
過去のAGPの規格変更時やAGP→PCI-E移行時も、すぐに高速なインターフェイスのご利益を受けられた訳では無いので、今後、登場するGPUに期待したいところです。
■消費電力とCPU温度を見てみよう
IvyBridgeは製造プロセスの微細化により、SandyBridgeよりもTDPが下がり、消費電力も下がっているとのことです。ここでは消費電力とCPU温度を比較してみましょう。
アイドル時と高負荷時(Prime95を走らせながら、FF14ベンチを10分間動作させる)で測定しました。
消費電力はCUSTOM エコキーパーで、
CPU温度はGIGABYTEマザー付属の「EasyTune6」で測定しました。
CPUクーラーのファンの回転数(可変)は2つとも1200前後に調整しています。
比較対象として、
・Corei7 3770K(定格) TDP77WのCPUを定格動作させたものです。
・Corei7 3770K(OC) 3770Kを4.18GHzまでOCしたものです。
・Corei7 2600K(定格) TDP95WのCPUを定格動作させたものです。
・Corei7 2700K(相当) 2600Kの倍率を変更し2700K相当にしたものです。
このベンチの見所は、以下の2点です。
・IvyBridge(3770K)とSandyBridge(2600K)の消費電力比較
・3700Kを4.18GHzまでOCしたときの消費電力の上昇幅
【結果】
まずは消費電力から!
高負荷時では3770Kは2600K/2700Kよりも消費電力が20W以上も低くなっています(;=゚ω゚)=333
TDPほぼ通りに下がっています。一方、37770K@4.18GHzでは一気に消費電力が増えてしまいます。性能に不足を感じないなら定格で動作させた方がエコですね(^^;
アイドル時はEISTでクロックが下がるのか、どのCPUもそれほど変わりませんでした。
お次はCPU温度!
定格動作ならば、どのCPUもほとんど変わらず50度前後となっています。3770K@4.18GHzは消費電力と同じで一気に80℃近くになります。
TDPが下がったのにも関わらず、CPU温度が同等、及び少しのOCで一気に上がってしまう・・・これは例のCPUとヒートスプレッダ間の熱伝導方法がソルダーリングからグリスに変更されたからだと思います。この為、オーバークロッカーな方々ではヒートスプレッダを外す「殻割」が流行っています。
■QSVで動画のエンコードを試してみよう
SandyBridgeで好評だった動画エンコーダ/デコーダーのQSV(クイック・シンク・ビデオ)が進化し、IvyBridgeではQSV2.0になっています。まだ、正式対応を謳ったソフトを見かけませんが、ここではCyberLinkのMediaEspresso6.5を使用し、エンコード時間の比較を行いたいと思います。
比較対象としてQSV有効/無効で、計8種類の条件で測定しました。
・QSV有効:Corei7 3770K(定格) 定格GPUクロック1150MHzです。
・QSV有効:Corei7 3770K@1350 3770KのGPUを1350MHzにOCしたものです。
・QSV有効:Corei7 2600K(定格) 前世代のSandyBridgeの内蔵GPUで定格1350MHzです。
・QSV有効:Corei7 2600K@1650 2600KのGPUを1650MHzにOCしたものです。
・QSV無効:Corei7 3770K(定格) 定格クロック3.5GHzです。
・QSV無効:Corei7 3770K(OC) GIGABYTEマザーのOC設定1で4.18GHzにOCしたものです。
・QSV無効:Corei7 2600K(定格) 前世代のSandyBridgeのCPUで定格3.4GHzです。
・QSV無効:Corei7 2700K(相当) 3770Kとクロックを揃える為に2600Kの倍率を上げたものです。
(TurboBoostは有効にしていますので、ベンチに多少のバラつきが出る可能性があります)
動画のソースは、PCでの観賞用に1280×720 24fps 24分27秒のH.264の動画を、PSPで見られるように変換します。(MediaEspressoのプリセットプロファイルの「SONY PS3/PSP」を選択)
【結果】
まず、変換時間ではQSVの有無で、2グループに分かれています。
2600KでCPU処理のおよそ半分、3770Kではおよそ4割の時間で変換が完了しました(;=゚ω゚)=333
同じQSV有効時でも3770Kの方が30秒近く短くなっています。
今回使用した、サンプル動画はサイズも小さく比較的短時間で変換できますが、数GBクラスの大きなファイルだともっと差が出ると思います。
また、QSV有効時の消費電力も特筆すべきことです。
例えば、3770KのQSV有/無で確認すると、109W→82Wまで大幅に下がっています。
しかも、QSV使用時はCPUの使用率は低い為、エンコード中に他の作業をしてもあまり変換速度が落ちないというメリットもあります。
エンコードでも速くて、消費電力も下がる!QSVは積極的に利用したい機能ですね(;=゚ω゚)=333
■総評
IvyBridgeはSandyBridgeのマイナーチェンジの印象が強かった。
しかし、3770Kを使ってみるとCPU性能で約7%、GPUで約30%程度の性能向上が見られます。
特にGPUの性能向上は大きく、メーカー製PCや小型PC等グラフィックカード搭載できないマシンでもある程度の3Dゲームができるのは歓迎できることです。ただ、ゲーム用を謳うには、まだまだ性能不足ですので更なる向上を期待したいところです(;=゚ω゚)=333
消費電力は高負荷時で約20Wも下がっており、22nmプロセスの恩恵は確実に出ています(;゚∀゚)=3 反面、CPU温度に関しては熱伝導処理の変更により若干悪くなった印象があります。定格で使うには何の問題もありませんが、オーバークロックはSandyBridgeよりもし難いと思います。
QSVに関しては、GPUの実行ユニットが増えた恩恵なのかQSV2.0に対応したのか、わかりませんがSandyBridgeに比べると大幅に高速化しており、動画のエンコードには最適だと思います。
個人的に素晴らしいと思うのは、「エンコード時の消費電力」です。CPUで処理するよりもずっと省エネで変換も高速です。これを使わない手はないでしょう(;゚∀゚)=3
そろそろ、会社のPCもPentium4からこれに乗り換えたいぜ(´;ω;`)ブワッ
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購入金額
29,970円
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購入日
2012年04月29日
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購入場所
TWOTOP大阪日本橋店
harmankardonさん
2012/04/29
ふっけんさんも,3770Kですか.
今後のレビューが楽しみです.
がんばって下さい.
ふっけんさん
2012/04/29
ありがとうございます!
最初は省電力タイプと迷いましたが、3770KでもTDPが77Wと低いので、こちらを購入しました。内蔵GPUの進化が楽しみです(゚ω゚)
下小川さん
2012/05/27
内蔵グラフィック、数字が1000増えてるのはダテじゃないですね…
定格状態でOCしたHD3000より高いとは。
殻の中身もやっぱり定格だと発熱は許容範囲なんですね。
ユーザーの大半は定格で使うでしょうから、そういう判断になったのでしょうか。
(なら倍率可変のKだけはヒートスプレッダの中身をSandyと同じにするとかもアリだったのかもしれませんが)
んー欲しくなってしまうw
ふっけんさん
2012/05/27
ありがとうございます!
HD4000はIntelのグラフィックとは思えないくらい速くなっています。
もちろん、満足に動かないゲームも多いですが、着実な進歩を感じます。
グリスはOCの防止策なのかも知れませんね(^^;
実際には製造コストの削減でしょうけどw