レビューメディア「ジグソー」

速くなる部分とならない部分の見極めが必要です

 この度は「インテル SSD 520 120GB」のレビュアーに選出いただきありがとうございます。

 今回応募したきっかけは先日行なったネコカメ写真教室でレビューしたPCの真のスペックを見たかったからです。


 折角のハイスペックがハードディスクがボトルネックになりコンピューターのパフォーマンススコアが低かったのでした。

 昨年レビューさせていただいた SSD 320で起動時間短縮など劇的な変化がもたらされることは分かってはいますが、SSDの性能を活かす PCを所持していなかったのでパフォーマンススコアはいまいちでした。


 しかし今回使用する PCは SATA 3に対応しており、パフォーマンススコアも期待できます。

 それでは、実際のレビューに入っていきたいと思います。


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  ○ レビュー課題
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 レビューするにあたり、以下の課題が出ております。

  1.インテル SSD 520を PCに換装する手順
  2.インテル SSD 520への交換の前後での以下の速度を比較
    (1) OSが起動する時間
    (2) アプリケーションを使用してサイズの大きなファイルを
      処理するのに掛かった時間
  3.CrystalDiskMark Nano Pico Edition のスコアをインテル
    SSD 520への交換前後で比較
  4.応募時に記入したテーマ
   内容は「Windows Virtual PC上の XPで通常の課題を行う」
   でした。

 こちらをこなしつつ、レビューを行っていきます。

 まずは外観から見ていきます。


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  ○ インテル SSD 520外観
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 今回届いたものは前回の SSD 320同様茶箱のものでした。
茶箱と指令書
茶箱と指令書

 中には SPEED DEMONのステッカーと SSD本体のみで、デスクトップPC取付用のマウンタなどは入っておりません。
SSD本体は乾燥剤と共に袋に入っていました
SSD本体は乾燥剤と共に袋に入っていました

 本来茶箱は組込み用PC向けに販売されており、廉価な分余計なものが入っていないそうです。

 本体の表面はこんな感じです。

SSD 320と外観は全く一緒です。

裏は汚れているのではなく、こういうものみたいです。



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  ○ 課題1 換装手順
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 今回は今まで使用していた HDDをそっくりそのまま SSDに移すので、「やってみよう SSD」の手順そのままです。

 ●やってみようSSD(zigsow内記事)

   i. 「Intel Data Migration Software」インストール
   ii. SSDをPCに接続
  iii. データ移行
   iv. SSDのPCへの取り付け
   v. SSDから起動

 ii.の SSD接続には USB 3.0接続の外付けアダプタを用意しました。


 i.とiii.の手順は「やってみようSSD」そのままですので割愛させていただきます。

 データ移行は SSD 320の時にかなり時間がかかっていたため、データのコピーが始まったら席を外していたのですが、20分後に様子を見に行くと既にコピーは完了しており今回のPC及び USB 3.0の速度をなめていました。

 iv.の PCへの取り付けですが、デスクトップPCでもマウンタを使用しなくても取り付けられるものもあるようなのですが、今回使用するPCにはマウンタ必須でしたので新たに購入しました。


 3.5インチベイはスカスカなのですが、安かった 5インチベイに取り付ける本品にしました。

 まずは SSDをマウンタに取り付けておきます。
 上記リンク先にも書いていますが、前後が決まっているので向きに注意して取り付けます。

 続いて、HDDと SSDのケース内の入れ替えです。

 今後 HDDはデータディスク用として使用する予定なので、今回はケーブルだけ外して PCに取り付けたままにしておきます。

 それでは PCのサイドパネルを開き、中を見てみます。

 向かって右が PCのフロント側ですが、何も拡張していないのでベイはスカスカです。

 本PCには SATAの端子が 6つあるのですが、画像真ん中に 2段ずつ 3つ並んでいるところになります。

 この内丸で囲んだ白いブロックが SATA 3になり、青い方は SATA 2になるので取り付け時は間違いなく SATA 3の方にケーブルを接続する必要があります。

 違う方に挿してしまうと使用は出来ますが、速度が出ません。

 今回は元々の HDDが SATA 3接続されていましたので、換装前HDD側に付いていたケーブルを抜いてそのまま使用しました。

 SSDを PCに取り付けるにあたり、今回 5インチベイ用のマウンタを使用しているので内側からだと他のケーブルが邪魔してしまうので、フロントのパネルを外して前から差し込みました。

 内部に余裕がある場合は、内側から入れてもなんら問題はありません。

 ケースによっては差し込むだけなんて簡単なものもありますが、今回のケースはベイに直接ねじ止めする必要があるため、マザーボードの裏側のサイドパネルを外し、しっかりねじ止めします。

 そして反対側もねじ止めし、HDDから抜いたケーブルと電源ケーブルを SSDに取り付けます。

 後は PCケースのサイドパネルを閉じて換装完了です。

 そしてマウスやキーボード、ディスプレイ等を接続し PCを起動すると、HDDで前回終了した環境そのまま起動し、起動後一回だけ再起動を要求されます。


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  ○ 課題2 SSD換装前後の速度計測
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 (1) OSが起動する時間の計測

 OSの起動時間を測るにあたり Windowsにログインして入っているため、どのタイミングまで測るかを悩み、自動ログインして計測できるアプリケーションがあるか探してみました。

 すると「PassMark Rebooter」というアプリケーションが使えそうです。

  ●PassMark Rebooter

 PCを指定回数、指定時間ごとに再起動を繰り返すことができ、自動ログインもしてくれます。

 こちらを用い 5回再起動を行い計測しました。
PassMark Rebooter
PassMark Rebooter

OS起動速度計測結果
OS起動速度計測結果

 SSD換装前の HDDは Seagate製 ST2000DL003という 2TBのものですが、平均で 23秒速くなっています。

 まぁこの程度かって感じもしますが PC起動時はディスクドライブのアクセスだけでなくハードウェア認識その他をしているので、こんなものでしょう。


 (2) アプリケーションを使用してサイズの大きなファイルを処理するのに掛かった時間

 最近はハードディスク容量が大きくなったためあまり行わなくなってしまいましたが、よく画像ファイルを圧縮して(1ファイルにまとめ)保管していましたので、ファイルの圧縮・解凍にかかる時間を計測してみました。

 環境は以下の通りです。

   使用ソフト:Lhaplus
   圧縮形式 :lzh
   ファイル数:100
   Total容量 :679MB

   圧縮時容量:663MB

 計測は iPod nanoのストップウォッチ機能を使用し手動で計測です。



ファイル解凍中ダイアログ
ファイル解凍中ダイアログ

 RAW画像ファイル 100個の圧縮にかかる時間計測及び解凍にかかった時間は以下の通りです。
RAW画像圧縮速度計測結果
RAW画像圧縮速度計測結果

RAW画像解凍速度計測結果
RAW画像解凍速度計測結果

 CD一枚分もあれば差が出るだろうと思っていましたが、圧縮・解凍共に 1秒程度しか差が出ませんでした。

 参考に現在メインで使用しているPCでも計測してみました。


 こちらは 1年半位前に購入した PCで Core i7-870で SSD 320を現在積んでいます。

 そして 5GBの RAMディスクを作っており、そこに圧縮・解凍を行ってみました。
他PC参考計測結果
他PC参考計測結果

 結果は解凍時間はほぼ同じものの圧縮にかかる時間が 3倍近くかかっています。

 扱うファイルサイズ容量が大きくてもディスクの読み書きにかかる時間より処理にかかる時間の方がかかっているようですね。

 そうなると動画変換の計測も用意したのですが、こちらも差が出なさそうな感じがしてきました。

 計測には普段使用していないアプリケーションですが、操作が簡単なので「ffmpいーじー」を使用し計測しました。

  ●「ffmpいーじー」作者様ホームページ
「ffmpいーじー」バージョン情報
「ffmpいーじー」バージョン情報

「ffmpいーじー」変換開始画面
「ffmpいーじー」変換開始画面

「ffmpいーじー」変換中画面
「ffmpいーじー」変換中画面

 計測環境は以下の通りです。

   使用ソフト:ffmpいーじー
   入力ファイル形式:MPEG2
   出力ファイル形式:AVI(Divx)低ファイルサイズ

   元ファイル:620MB
   動画時間:9:12
   画面サイズ:720x480

   出力サイズ:679MB

 こちらも計測には iPod nanoのストップウォッチ機能を使っています。
動画変換速度計測結果
動画変換速度計測結果

 案の定平均 1秒以内の差で誤差の範囲でした。

 差を出すためには読み書きがメインの操作(ファイルのコピーやアプリケーションからのファイルの読み込みなど)をする必要があります。


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  ○ 課題3 SSD換装前後の CDM計測
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 課題3つ目の CrystalDiskMark Nano Pico Edition での計測結果は以下の通りです。

 ・SSD換装前(Seagate製 ST2000DL003)
SSD換装前
SSD換装前

 ・SSD 520換装後
データ:ランダム
データ:ランダム

 残念ながら 500の壁は越えられませんでしたが、自分の使用している PCで初めて見る数値です。

 テストデータを「0 Fill」や「1 Fill」で行うと更に数値が出ると言うことなのでやってみました。
データ:0 Fill
データ:0 Fill

データ:1 Fill
データ:1 Fill

 Readはわずかの上昇でしたが、Writeは劇的に上がりますね。

 ただ、テストデータのところに「ALL 0x00(0 Fill)」「ALL 0xFF(1 Fill)」と書かれているので実際にそんなデータは扱わないのであくまで参考ですね。

 コンピューターのパフォーマンススコアもとってみました。

 ・SSD換装後

 交換前と後でディスクのスコアが 5.9 → 7.9になり、これまた初めて見る数値です。

 HDDが基準でスコアを付けているのでしょうから、今後新たな測定方法が必要ですね。


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  ○ 課題4 応募時の記入テーマ
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 課題の4つ目は応募時に記入した「Windows Virtual PC上の Windows XPで通常の課題を行う」でした。

 Virtual PCの起動時間を通常時と同じく「PassMark Rebooter」を使用し計測し、 Virtual PC上でファイルの圧縮・解凍時間を計測してみました。

 今までの流れからいくと OSの起動は仮想上で行うのでかなり期待できますが、ファイルの圧縮・解凍はあまり期待できませんね。

 Virtual PC上の Windows XPの起動にかかった時間は以下の通りです。
Virtual PC起動速度計測結果
Virtual PC起動速度計測結果

 SSD交換後、期待通り倍以上の速さで起動してくれています。

 仮想上なので単純にディスク読込速度の差が出ました。

 続いて Virtual PC上での圧縮・解凍です。

 使用アプリ・データ共に先のものと同じものを使用しました。

 結果は以下の通りです。
Virtual PC上での圧縮速度計測結果
Virtual PC上での圧縮速度計測結果

Virtual PC上での解凍速度計測結果
Virtual PC上での解凍速度計測結果

 圧縮は予想通りほとんど変わりませんでしたが、解凍が見事に速くなり SSD換装後に至っては通常の Windows 7上で行うより速い結果が出ました。

 なぜ?


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  ○ まとめ
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 HDDから SSDに入れ替えることにより劇的に速くなる部分、大容量のファイルを利用してもあまり変わらない部分があります。

 自分がよく使うアプリケーションで速くなっていないと「噂ほど速くないじゃん」と考えがちですが、どこに重点を置くかで SSDはただの宝の持ち腐れになってしまいます。

 常に起動しっぱなしの PCでディスクへのアクセスが少ない利用方法だと SSDだともったいないですね。

 また、SATA 3対応していない PCで高価な SSD 520を使うより速度の差を考えると廉価な SSD 320の方がコストパフォーマンスは良いです。
 (廉価なのは速度だけではないと思うので一概には言えないと思いますが)

 PCのスペックや自分の PCの利用法をよく考えディスクドライブの購入を考えたいですね。

 今回デスクトップPCでの利用だったため、速度重視のレビューになってしまいましたがノートPCでの利用でしたら、耐衝撃や消費電力の低さなどのメリットもありますのでよく持ち歩くノートPCでしたらこの点のメリットも考え購入検討して欲しいです。

 しかし予算が許すのなら否応もなく高速な SSDの方がお薦めです。

 最後になりましたが、この様な機会を与えていただきありがとうございます。

 また最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメント (12)

  • リーダーさん

    2012/03/08

    レビューお疲れ様です(^^

    エクスペリエンスインデックスがすごいことにwww
    やっぱりWrite がずいぶんと上がってますね。
  • eulerさん

    2012/03/08

    レビューお疲れ様です。
    VirtualPCの起動がはやいのはイイですね・・・
    結構試験用に仮想マシン乱立することがあるので・・・
  • atsuo@tokyoさん

    2012/03/08

    > リーダーさん

    ありがとうございます。

    CrystalDiskMarkもコンピューターのパフォーマンススコアも初めて見る数値が出ちゃって、それを見るだけですごく速くなった気がしますね。

    実際、私が普段している作業だとなかなか SSD交換による速度変化は少ないんですが、ネコカメの時のように大量に画像を読み込ませるのに力を発揮できそうです。

    もっとも 120GBなので、データは元々入っていた HDDの方に入れてしまうと思いますが(^^;
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