レビューメディア「ジグソー」

SATA 3.0で本領発揮

まずは、まだ登録したばかりで駄文を書き散らかしていたに過ぎない私をレビューアーに
選んでいただいた、ジグソー運営事務局の方々に厚く御礼申し上げます。

今回の主目的は SONY VAIO S(SE) VPCSE1AJ への搭載ですが、このPCには既に
同じSandForce SF-2281を搭載したSSD、CORSAIR Force3 CSSD-F120GB3-BKを
搭載していましたので、スペック上同等構成と思われるSSD同士の比較ということに
なります。

また、VPCSE1AJはIntel HM67 Expressチップセットを採用していますが、HDD用のSATA
ポートはどうやらSATA2.0 (3Gbps)までの対応となっているようですので、他のPCに
おけるSATA3.0 (6Gbps)接続時の性能についても検証してみました。

それでは届いたIntel SSD 520についてですが、外箱はコンパクトかつ簡素ですね。

外箱
外箱


箱を開けると、ステッカーとSSD本体が現れます。

内容物
内容物


それでは、実際にPCに搭載してみます。


[1]SONY VAIO S(SE) VPCSE1AJへの搭載

元々搭載していたSSDから、Norton GhostのUSBブートディスクを使ってイメージを予め
コピーしておきます。Intelからもコピーツールは提供されていますので、手持ちにない方は
これを利用されるとよろしいかと思います。私の場合は都合で常にGhostのブート環境を
持ち歩いているため、それをそのまま利用したに過ぎません。

VPCSE1AJはバッテリーパックを収納している裏蓋を開ければ、内蔵HDDにすぐにアクセス
出来る構造となっていて、HDDの換装は極めて容易です。裏蓋はネジ2本で固定されています。
裏蓋
裏蓋


蓋を開ければすぐにHDDが見えますので、本体-HDD間のフレキケーブルを切らないよう
注意しながら、本体側コネクターを外します。あとはマウンターを止めている4本のネジを
外せばHDDを取り出すことが出来ます。
HDD搭載スペース
HDD搭載スペース


あとはフレキケーブルを元のHDD(この場合はSSD)から丁寧に取り外し、外したときと逆の
手順で新しいSSDを組み付けるだけです。
フレキケーブル
フレキケーブル

取り付け完了
取り付け完了


それでは、早速ベンチマーク等の結果です。

VPCSE1AJ+CSSD-F120GB3-BK(ランダム)
VPCSE1AJ+CSSD-F120GB3-BK(ランダム)
VPCSE1AJ+SSD520(ランダム)
VPCSE1AJ+SSD520(ランダム)


まずはCrystal Disk Markのデフォルト計測時の結果です。いきなり同じSF-2281搭載モデル
とは思えない大差が付きました。シーケンシャルや512Kランダムでは50MB/s程度の差と
なります。

VPCSE1AJ+CSSD-F120GB3-BK(0fill)
VPCSE1AJ+CSSD-F120GB3-BK(0fill)
VPCSE1AJ+SSD520(0fill)
VPCSE1AJ+SSD520(0fill)


続いて測定条件を、SandForceコントローラーが得意な0fillに変更してみました。この場合は
目立った差は付かず、いずれの値も誤差の範囲内といえるでしょう。ベンチマーク上の差は、
最大値についてはそれほど付かないと考えられますが、実使用環境ではランダムの方の
値が実際の使用感に大きく影響するでしょう。

ちなみに、それぞれのWindows起動時間ですが、PCの電源投入→パスワード入力表示
まで(プリインストールのWindows7 HomePremium 64bit)の時間を計測したところ、

 Intel SSD 520:約15秒   CORSAIR CSSD-F120GB3-BK:約17秒

という結果でした。多少差はありましたが、どちらも標準搭載のHDDよりはかなりの高速化
といえます。

また、秀丸エディタでデスクトップ上に置いた835KBのテキストファイルの特定文字列を置換
する処理を行ったところ、約15000カ所の置換にかかった時間は

 Intel SSD 520:約38秒   CORSAIR CSSD-F120GB3-BK:約36秒

となり、意外なことにこのテストだけはCSSD-F120GB3-BKが上回りました。

秀丸エディタのテストは少々意外な形となったものの、それ以外ではほぼ全面的にIntel
SSD 520が上回っていて、同じSF-2281採用製品であっても後発かつ高額である製品の
メリットを見せてくれています。とはいえ、SATA3.0で使っていないだけにどちらの製品も
真価を発揮したとは到底いえないでしょう。そこで次はSATA3.0環境で追試を行いました。

[2]ASUS P6T Deluxe + U3S6環境でテスト

・主な構成

  CPU:Intel Core i7-950
  M/B:ASUS P6T Deluxe + ASUS U3S6
  Video:Palit GeForce GTX 470
  Memory:4GB DDR3-1333
  OS:Windows7 Ultimate 32bit

P6T Deluxe自体はIntel X58 Expressチップセットを搭載していて、SATAはICH10R内蔵の
ものとなってしまいますが、PCI ExpressスロットにASUS U3S6(USB3.0 + SATA 6Gbpsの
コンボカード)を装着してSATA3.0環境を用意してみました。なお、OSはWindows7 Ultimate
32bitです。

P6T Deluxe + CSSD-F120GB3-BK + U3S6(ランダム)
P6T Deluxe + CSSD-F120GB3-BK + U3S6(ランダム)
P6T Deluxe + Intel SSD 520 + U3S6(ランダム)
P6T Deluxe + Intel SSD 520 + U3S6(ランダム)


VPCSE1AJの場合と同様、圧倒的な差が付きます。ただ、SATA3.0環境としてはやや寂しい
結果にも見えます。0fillに変更してみましょう。

P6T Deluxe + CSSD-F120GB3-BK + U3S6(0fill)
P6T Deluxe + CSSD-F120GB3-BK + U3S6(0fill)
P6T Deluxe + SSD 520 + U3S6(0fill)
P6T Deluxe + SSD 520 + U3S6(0fill)


両者の差は縮まりますが、いずれにしても不満の残る結果ですね。U3S6が採用している
Marvell 88SE9123の性能的な限界と思われます。

もう少し公称スペックに肉薄する値を見てみたいと思いますので、今度はAMD 870 + SB850
チップセットを採用する、ASRock 870 Extreme3環境での値を見てみましょう。

[3]ASRock 870 Extreme3環境でテスト

主な環境
  CPU:AMD PhenomII X4 965 BlackEdition
  M/B:ASRock 870 Extreme3(AMD 870 + SB850)
  Video:MSI N460GTX Cyclone
  Memory:4GB DDR3-1333
  OS:Windows7 Ultimate 32bit

870 Extreme3 + ADATA AS510S3-120GM-C(ランダム)
870 Extreme3 + ADATA AS510S3-120GM-C(ランダム)
SSD 520 + 870 Extreme3(ランダム)
SSD 520 + 870 Extreme3(ランダム)


ここからは比較対象が手持ちの環境の都合で、ADATA S510に変わります。S510もIntel SSD
520やCORSAIR CSSD-F120GB3-BKと同様、SandForce SF-2281を搭載するSSDで、実売
価格はCSSD-F120GB3-BKとほぼ同じです。

デフォルトの環境では、平均して2倍ほどの強烈な差が付きます。とても同じコントローラーの
製品とは思えませんね。

870 Extreme3 + S510(0fill)
870 Extreme3 + S510(0fill)
870 Extreme3 + SSD 520(0fill)
870 Extreme3 + SSD 520(0fill)


0fillでは両者の差は詰まりますが、SSD 520の値もより伸びます。シーケンシャルリードでは
ここでようやく500MB/sの値を見ることが出来ました。公称スペックにはやや及びませんが、
評判通りの性能は見られたといって良いでしょう。

ただ、注意が必要なのは、この値はAMDのAHCIドライバーを組み込んだ状態であり、当初
MicrosoftのWindows標準ドライバーで測定した際にはこのようになりました。
MS標準ドライバーの場合
MS標準ドライバーの場合


ベンチマークの値が気になるようであれば、チップセットベンダー提供のAHCIドライバーなど
もチェックする必要があるでしょう。


以上の結果を受けて改めて痛感するのは、SSDは公称スペックやコントローラーの型番
だけで選んではいけないということです。特にSandForce製のコントローラーは搭載製品
ごとに性能や完成度に極端な差が見られる傾向がありますので。このIntel SSD 520は
SF-2281搭載製品としては条件による速度差が出にくいことから、実売価格がやや高い
ことにも納得は行く製品であるといえるでしょう。

[追試]Intel Z68環境で試す

まだ仮組みの段階ですが、Intel Z68 Expressチップセットを採用した、ASUS P8Z68-V PRO
/GEN3の環境が出来上がりましたので、これに接続した場合の追試を行いました。テスト環境
は以下の通り。

  CPU:Intel Celeron G530
  M/B:ASUS P8Z68-V PRO/GEN3
  Memory:8GB DDR3-1600
  Video:MSI GeForce GTX 260 (SP192)
  OS:Windows 7 Ultimate 64bit

今回は最高性能の部分に注目していたため、0fillのみのテストです。

Intel SSD 520 + ASUS P8Z68-V PRO/GEN3
Intel SSD 520 + ASUS P8Z68-V PRO/GEN3


シーケンシャルリードの最高速度こそAMD SB850環境に対してわずかに劣りましたが、
それ以外の部分では概ねZ68環境が安定して速度を発揮していることがわかります。

実際にテスト中の値や挙動を見ていても、Z68環境ではバラツキが少ないことがはっきりと
確認できました。さすがにIntel同士だけあり相性の良さが光ります。

まもなく新プラットフォームの発表が噂されてはいますが、現時点ではZ68とSSD 520という
組み合わせは、実に手堅い選択となるでしょう。

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