以下、メインとして使っていた頃のレビューです。ペンタッチについてのレビューが案外少なかったので今回はそれメインで。
[はじめに]
私のペンタブ歴はfavo→Bamboo CTE-650/S0→同Bamboo CTH-470/K1→intuos5 Sサイズとなります。
Bambooは一言で言えば、「趣味で使う範囲であれば十分、プロとして使うには厳しいレベル」でしょうか。まさに「家庭向」であります。
今回のBamboo CTH-470/K1は過去シリーズであるCTE-650に比べ、形状がよりintuos4,5に近いものとなりました。ファンクションキーについてもintuosと似たような形状です。見た目は特にブラックはintuosとほとんど変わりません。キーの形が違う、くらいでしょうか。
ただ、大きな違いとして「ソフトごとの個別設定が出来ない」「ファンクションキーの数が少ない」[ペンストロークの違いが明確]「ペンの種類が選べない」などが挙げられます。
[ペンの種類が標準ペン/標準芯のみ」
BambooはFavoに比べ格段に良くなったとは言え、やはり廉価版ではあります。
intuosは「細身のクラシックペン」「回転制御のあるアートペン」「コントロールが効きやすいエアブラシペン」「トレースに最適なインクペン」など、割りと選択肢があるのですが、Bambooはこれらを期待することは出来ません。全て標準ペンのみのストロークで頑張るということになります。
更に「ストローク芯」「ハードフエルト芯」「エラストマー芯」などのペンタッチの違いが出せる芯もintuosでは豊富ですが、Bambooは標準芯の感触のみで様々な表現をすることになります。ペンタッチに自信の無い方はintuosをお勧めします。
[ソフトごとの個別設定が出来ない]
intuosではフォトショやsaiなどの画像ソフトを複数持っている場合、それぞれに合った設定が出来ますが、Bambooでは一律です。自分にとって一番ベストな「入り抜き」の筆圧を見つけ、設定することになるでしょう。
[ファンクションキーが少ない]
Bamboo Funでは3つしかありません。よほど使い勝手のいいショートカットを登録するか、少ないのであればむしろ無効にしたほうが広く取れていい気がします。
[ペンストロークが"やはり"大味]
Bamboo FunはCTH-470/K1で筆圧が最高1024レベル、intuos5だと2048レベルです。やはりこの差は歴然です。
intuos5では2048レベルに対応するソフト限定になりますが、きちんと感応してくれればそっと撫でるだけでも線が出来ます。
対してBambooは細い線は出にくいです。intuos5よりも若干抑揚が出にくい感じでしょうか。割りと均一なペンタッチになります。
更に曲線を描いた場合の細かさも違います。ペンの滑りがいいか、さほどでもないかの違いではありますが、気持よく描けるのはやはりintuos5の方でした。
更にかなり見落とされがちですが、個人的には線よりも色のペンストロークが荒くなったのがとても気になりました。良くも悪くも大味になります。細かい色塗りを期待するのであれば画像ソフトに依存し筆タッチなどに期待した方がいいと思います。
[まとめ]
まとめると、ペンタッチにこだわりがあるならintuos以上、ペンタッチが取りあえず出来ればいいと思うならBambooで十分事足ります。ただプロを目指すなら、線・色を作成するにあたってかなり制限されることになるでしょう。Bambooの機能には期待しないで、ソフトの力を信じ自らカバーする方法を見つけられる方であればBambooでオッケーです。細かい機能のあるintuosは必要ないと思われます。逆にペンタッチに期待される方は高くてもintuosをお勧めします。
[総論…ではBambooで様々な線を描くには?]
ハッキリ言って製品としてのペンタッチに制限があるBamboo、ここは先述通り素直にペイントソフトの機能に頼りましょう。それも出来ればバンドルのPhotoshop ElementsでもPainter Essencialでもなく、クリップスタジオやコミックスタジオ、イラストスタジオといった「痒いところに手が届きやすい特化ソフト」が最適です。このソフト群はむしろintuosよりBambooとの相性のほうが合うのではないか?と思うくらい使い勝手がよくなります。
また線に関しては「手ブレ補正」がつくものがいいでしょう。色に関してはブラシカスタムが出来るものが最高です。
[え、結局ソフト買わないとやってらんないの?→人によります!]
…とは言え。別にこれら画像ソフトを買ってわざわざ頼る必要が絶対ある、とは言いません。例えばバンドルであればペインターエセよりもフォトショエレメンツがお勧めです。編集モード等では設定で筆の入り抜き「チック」なものを出し、ストロークを出すことはある程度できます。webでの設定tipsは豊富にあるので参考にすれば助けになるでしょう。ただこのソフトは廉価版なので筆のレタッチは期待出来ません。
色塗り用の筆やペン向けの筆のいずれにせよ、ストロークが気に入らない場合は消しゴムなどで先っぽを消す、くらいの配慮は必要になるかもしれませんね。
一般家庭向けのペンタッチであるBambooをいかに愛し、欠点を自分の腕でカバーできるか。Bambooは初心者向けというよりむしろ玄人向けな気がします。
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購入金額
10,915円
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購入日
2012年04月頃
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購入場所
amazon
はにゃさん
2013/04/02
あと、購入場所を短く修正してもらえると、レイアウト崩れが戻って、Cool が押せるようにもどりますので、よろしくお願いします。
fururuさん
2013/06/11
amazonのアドレスをそのまま乗せるとレイアウト崩れを起こすんですね…!購入場所を「アマゾン」のみにしてみました。
また1つ勉強になりました。そしてコメント、有難うございます!