近年値上がりする一方ですっかり機材の購入から遠のいていたカメラですが、久しぶりにボディーを入手しました。大昔のCanonのフラッグシップモデル、EOS-1Ds MarkIIIです。ジャンク品で売られていた物の復旧に成功したということで私の所有ラインナップに加わったため、ここで取り上げます。
発売は2007年11月で、私がこれまでメイン機として使ってきたEOS 5D MarkIIよりも1年ほど前に登場しています。
発売当時の価格はEOS-1Ds MarkIIIが約90万円、EOS 5D MarkIIが約40万円と実に2倍以上の開きがありましたが、光学センサーはどちらも有効画素数2,110万の35mmサイズCMOSセンサーでほぼ同等です。当時EOS 5D MarkIIがヒットしたのも頷ける価格設定ですね。
ただ、EOS-1Ds MarkIIIは画質を追求したフラッグシップ「EOS-1Ds」シリーズの最終作であり、APS-Hサイズセンサーで展開されていた速度性能と耐久性を追求したフラッグシップ「EOS-1D」シリーズの特徴も取り入れられるようになり、この後登場するシリーズを統合したフラッグシップ「EOS-1D X」シリーズへの布石となっていたことが判ります。
入手時点では付属品はバッテリーと充電器のみであり、それ以外は手持ちの物をそのまま組み合わせています。
写真では傷が妙に強調されて写っていますが、実機はむしろ年式の割には美品といえるレベルです。他のEOSシリーズであればオプションのバッテリーグリップを組み合わせたようなフォルムですが、EOS-1Ds MarkIIIでは底面部の空間にそのまま専用バッテリーが挿入されます。
この写真で判るように、標準状態で縦位置グリップが付いている形です。
EOS-1D MarkIIIで採用された防塵構造を踏襲しているため、メモリーカードスロットの蓋も他のEOSシリーズのようなスライドロック型ではなく、レバーを起こしてロックを解除する形です。
さすがにシリーズ最上位だけのことはあり、CF/SDのデュアルスロットとなっています。両方に同じファイルを記録することも出来ますし、それぞれに別サイズのファイルを記録することも可能です。また単純にCFが埋まった場合続きをSDにという記録方法も可能です。但しSDスロットはSDHCまでの対応となるため、最大容量が32GBに制限されます。実際試しに64GBのSDXCを挿入してみましたが、エラーとなり初期化が出来ませんでした。
バッテリーは専用形状のLP-E4が使われています。LP-E4は後継のEOS-1D X、EOS-1D X MarkIIでも使われていますので、ジャンクでこのカメラを買ったのも、最悪バッテリーと充電器が生きていれば付属品全なしで格安に出てくるEOS-1D Xシリーズを中古で買っても良いかと思った部分が大きいわけです。
ファームウェアは現時点で最新版となるVer. 1.2.3となっていますが、購入時点ではVer. 1.0.6でした。
実はこのカメラがジャンクで売られていた理由は、通電は正常だが撮影しようとすると「Error 99」表示が出てしまい、それ以上動かないからというものでした。EOSシリーズのエラーコードで「Error 99」は、言ってみれば「その他エラー」の総称であり、ファームウェアで部位や原因を特定できないエラーは全てこの表示となります。
そしてEOS-1Ds MarkIIIは初期ファームウェアではエラーパターンの定義があまりに少なく、ほぼ全てのエラーがError 99となってしまう状態だったそうです。そして初期のファームウェアでは一度Error 99が発生すると、サービスセンターでリセットをかけない限り解除されない場合があるらしいのです。調べたところその辺りの情報が出てきましたので、正常起動した時点ですぐにファームウェアの更新をかけたところ、それ以降は正常に動いているという訳なのです。
さすがにメカや回路の故障であればお手上げですが、ファームウェアであれば起動できれば何とかなりますからね。
性能は低いがフラッグシップらしい部分も
基本仕様の一覧は以下でご覧いただけます。
何しろ19年も前に発売された製品ですから、スペック的には見るべき部分はほぼありません。有効画素数2,110万はまだしも、ISO感度の設定範囲は100~1600と今時のカメラからは考えられない狭さです。ISO 50及び3200は拡張設定で利用できますが、画質では見るべきものは無いでしょう。ちなみにEOS 5D MarkIIではISO 100~6400で、拡張設定で50,12800,25600も利用可能であり、ISO 100~3200についてはオート設定で利用可能です。参考までにEOS 5D MarkIIの基本仕様もリンクを貼っておきます。
https://faq.canon.jp/app/answers/detail/a_id/45432
ただ、デジタル的な部分の性能は1年とはいえ新しいEOS 5D MarkIIの方がむしろ有利なのですが、カメラとしての基本構造はやはりEOS-1シリーズならではの部分もあります。
最も大きな違いといえるのはファインダー視野角で、EOS-1Ds MarkIIIはEOS-1シリーズの伝統通り約100%を達成していますが、EOS 5D MarkIIは約98%に止まります。まあ98%もそれほど悪い値ではないのですが…。
さらにミラーもEOS 5D MarkIIは通常のクイックターン型ですが、EOS-1Ds MarkIIIは半透過型の前面ハーフミラーとなっていてミラー切れがほぼ発生しない構造となっています。
耐久性も基本的にはプロ向け機材であるEOS-1Ds MarkIIIはシャッター回数30万回を保証していますが、EOS 5D MarkIIは15万回となります。まあ、EOS 5D MarkIIも所謂「一桁EOS」ですから、普及価格帯の製品よりは保証値は上なのですが、さすがにプロ用のEOS-1Ds MarkIIIには及ばないということです。
カメラとしてのメカ部分はさすがに高価な機材として、ハイアマチュア向けのEOS 5D MarkIIよりもかなり作り込まれているのが判ります。とはいえ、EOS 5D MarkIIでも普通のユーザーが多少酷使したところでまず問題は無い程度であり、一般ユーザーが使う分にはEOS-1系はややオーバースペックともいえます。
性能の限界はあるが色はさすが
作例をいくつか作ったのですが、比較用のEOS 5D MarkII撮影分と日光の条件などがかなり変わってしまい、殆ど比較としては意味を為さなくなってしまいましたので参考までに。さらに撮り終わってからEOS 5D MarkIIは2/3段露出を上げていたことに気付きましたので、出来上がりも随分明るく見えるはずです。基本的に全てJPEGの撮って出しです。組み合わせたレンズはTAMRON SP AF 90mm F2.8 Di Macroです。

▲EOS-1Ds MarkIII (ISO=800, F2.8, 1/25)

EOS 5D MarkII (ISO=3200, F2.8, 1/13)

EOS-1Ds MarkIII (ISO=800, F2.8, 1/13)

EOS 5D MarkII (ISO=3200, F2.8, 1/20)

EOS-1Ds MarkIII (ISO=800, F2.8, 1/20)

EOS 5D MarkII (ISO=3200, F2.8, 1/25)
個人的には素子や画像処理プロセッサの古さを考えると、予想以上にEOS-1Ds MarkIIIは良い画になっているように思います。使い勝手は正直EOS 5D MarkIIの方が上なのですが、それでもEOS-1Ds MarkIIIを使いたく魅力は確かにあります。
価格を考えれば満足しか無い
元々私はフィルム時代にも初代ながらEOS-1を愛用していましたし、何となくですが使っていてしっくりくるというEOS-1シリーズならではの魅力はEOS-1Ds MarkIIIでも健在でした。
画像処理プロセッサの性能が低かった時代なので今時のカメラのようにISO 3200辺りを常用として使えるような性能は全くありませんが、そういった使い方であればそれこそFUJIFILM X-E2を持ち出せば済む話です。
発売当時はレンズ込みで100万円コースだった高額製品ですので、細部の作り込みもしっかりしていますし「撮影機材」という意識が強く表れます。個人的にミラーレスカメラはどんなに高性能でも「家電」という印象が強く、この「撮影機材」という感覚を強く味わったのも久しぶりです。
何しろ値段が値段ですから、動く限り使い倒してみようと思います。
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購入金額
11,000円
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購入日
2026年01月15日
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購入場所
HARD OFF







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