以前「複数のイヤホン、IEMを使っていると、好きな(自分の好みに合う)メーカーというのが出てくる。ダイナミックドライバーながら綺麗な高域を聴かせるOSTRY、そのOSTRAYと初期は技術交流があったという同じく美麗高音なSIMGOT、モニター系で精密な音造りなのにハウジングがコンパクトで聴きやすいWestone 、日本ではシリーズごとに明確な主張があるJVC(Victor)、素直な音質で小型のSATOLEXなど...。
そんな中、1つのメーカーで4種も持っている「お気に入り」メーカーの一つが、TANCHJIM。」
...なんて出だしでレビューを書いたことがあったが、
実はTANCHJIMのイヤホン、それからまだまだ増えている。
イヤホンレビューの際には、時間をかけて慣らし(エージング)をして、ここのところ固定にしてある評価曲を日をおいて複数回聴いてと、かなりリキを入れて書くため、なかなか筆が進まないのでレビューには至っていないが、すでに所持台数は二桁に乗っている。
ただここまで増えると、いかにお気に入りメーカーとは言うもののあまり出番がない機種も出てくる。
そんな中、購入金額はたいしたことはなく、音質も特に高音質!というものではないが、使用頻度がとても高いイヤホンがある。
それが、上記のTANCHJIM ZEROとともに、同社のボトムエンドラインを形成するTANCHJIM ONE。

TANCHJIM ONE DSPとTANCHJIM ZEROの差
ただONEでも、そのヴァリエーションの中で、接続端子がType-CであるTANCHJIM ONE DSP。
最近iPhone
の端子もType-Cになったことで、以前はLightning変換アダプタ
を介していたiPhoneとイヤホンの接続が、Type-Cでの接続となった。そしてType-Cは最近PCにも標準装備されているので、PCにも使い回しが出来る。そこでTANCHJIM ONE DSPを主に会社用として使っているのだ。
いままで、会社でイヤホンを使うこともあったが、音楽を聴きながら作業するわけではなく、それは主にオンラインミーティング用。Teamsやzoom等では、Bluetooth接続のマイク付き片耳レシーバー
を使っていた。それが、職務内容が変わったことで、出張の電車の中でTeams等で報告を聴くことも増えたことで、「使いにくく」なってしまった。...というのも、電波状況の不備やバッテリー切れで、万一接続が外れたとき電車の中にTeamsの音声が流れてしまう。それはセキュリティ上・業務上非常にヤバイ。
そもそも上記のBluetooth接続のヘッドセットを使っていたのは、以前の社有PCの3.5mmイヤホンジャックが接触不良になった代わりという理由だったので、無線化そのものが必須ではなかった。ワイヤレスヘッドセットは、使って見ると発表を聞きながら席を一時離れて資料をとってくる事なども出来て便利だったので、社有PCが入れ替えになったあとも使っていたのだが、前述のような理由で、社有iPhone(これも今は16eなのでType-C)には使いづらくなったので、会社でTeamsやzoomに使う用にType-Cイヤホンを入手することにした。そういう用途なので、マイク付きのType-Cイヤホンを探したのだが、ちょうど購入店のオマケ添付セールが実施されていたので、なじみの?TANCHJIMのものにしたわけ。

TANCHJIM ZEROと違って、ONE DSPのパッケージには、てんきちゃんはいない

内容物はZEROと同じく、本体・説明書・袋に、2種3サイズのイヤピ(セット済除く)

イヤピは穴が大きいタイプと細いもの。ZEROと同じなので寸法はZEROのレビュー参照。

フェイスプレート部分に銀色プレートを貼り付けていただけのZEROに比べると高級感ある

オンラインミーティング用に入手したので、cybercatのイヤホン類ではレアなマイク付き。
実は、TANCHJIMの低価格帯のイヤホンには比較的多くDSP機能付きのType-C端子のイヤホンがある。
前述のZERO、その上のONE、筐体の形が違うBUNNY、ボトムエンドに追加されたTANYA。だいたい5,000円以下で入手できる、このあたりのTANCHJIMの言う「通勤・日常・初心者向け」イヤホン全てに設定がある。このうち、名前が似ているだけあって?ZEROとONEの筐体は非常に似ている。ZEROはTANCHJIMに共通する「足(ステム)」の短さはあるものの、コンパクトで耳への収まりが良いのは使って知っていたので、それを選ぼうかと思ったが、でもその時はZEROはセール対象ではなかったので、耳掛け式のBUNNYや、ハウジング形状が異なるTANYAに浮気するのではなく、類似の筐体のONEにしてみた(一応ONEはZEROの上位の位置づけだが、実売500円程度しか変わらないので)。
すでに手持ちのZEROとONEを比較してみると、筐体が近いだけあってドライバーの口径は同じなのだが、結構違いがある。ドライバーやケーブルの素材が違うし、なによりケーブルが固定式か交換式かが違う(ONEは0.78mm2pinでハウジング側端子は埋め込みタイプ)。ま、このクラスのイヤホンをリケーブルするかというと現実的ではないし、そもそもリケーブル側が0.78mm2pinで耳掛け式加工をしていないものが多くはなく、大多数を占めるケーブルに耳掛け用のクセが付けられているのは使えないしということで、実際替えるかというと多分替えないが、機能的・性能的には価格通りZERO<ONEと言う感じ。
Teamsやzoomに使って見ると、自分の小さめの耳の穴でも収まりが良く、コンチャへの座りも良いし、TANCHJIMらしく?中域がきこえやすくて、会議の声がすごく聴きとりやすい。マイクもあって、自分の耳の穴の開口方向から装着時にマイクがキチンと口の方向に向かない片耳ヘッドセットより上手く声も拾ってくれるようだ(通話相手の反応による)。
では、このType-C接続の廉価帯イヤホンONE、音楽を聴くという観点だと、どういった評価になるだろうか。
試聴環境としては、DAPはいつもどおりTANCHJIMがチューニングに関与したDAP、Shanling M3X Limited Edition
なのだが、いつもは4.4mmもしくは3.5mmのオーディオアウトを使った評価なのだが、今回Type-Cからの出力で評価。
※この機種、Type-C(USB)からの出力を最大値で固定する“USB Audio Fixed Volume”がオンになっていると音量最大固定(音量を調整できない)になって耳がタヒぬので要注意。ただそこがオフになっていても一度電源を切ると最大値に戻ってしまうので、聴く前に音量下げるの忘れずに!絶対に!(聴覚保護に重要)
いつもの評価曲を聴いてみた。
まず、吉田賢一ピアノトリオのハイレゾ音源“STARDUST”(PCM24bit/96kHz wav)
からFLAC化した「Never Let Me Go(わたしを離さないで)」。この曲、ピアノ+ドラムス+ベースというトリオ構成で高い方(シンバル類)から低い方(ベース)まで音がまんべんなく分布し、全帯域評価しやすい上に、ドラムスが右チャンネルに寄っていて、シンバルレガートが入っているので、高域偏重イヤホンだと右に引っ張られるのでバランスが見やすい曲。このTANCHJIM ONE DSP、やや高音のシンバル帯域が目立つが、TANCHJIMらしい中域重視の音造りで、あまり右に引っ張られない。ベースの沈み込みは深くはなく、ややナローだが、それ故バランスが悪くない構成。ピアノの主旋律と、ドラムのリムショットはキマり、曲を上手く仕上げている。決して高音質ではないが、曲として成立させるのが上手い感じ。
同じく高音質ハイレゾ音源は、宇多田ヒカルのUSBメモリ供給の“Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1+2 HD”(PCM24bit/96kHz)
から「First Love」。この曲、静かで音数が少ない1st Verseまでと、下がモリモリのシンセベースがセンター腰下に入ってくるそれ以降では、求められる性能がまるで違うので、両方美味しく聴けるイヤホン/ヘッドホンは多くない。このTANCHJIM ONE DSPは、ベースの下の沈み込みはやや薄く、リムショットのキレもさほどではない。部屋の残響も残響もすぐに消えて、音のグレードそのものは高いわけではない。ただヒカルの声は悪くない。良く聴くと、喉の奥で鳴るようなくぐもった音(声)のニュアンスや、ブレスの感じは、やや短調ながらも良く追える。
曲調としては「First Love」と同傾向ながら、比較的違う評価になりがちの「空」はあやちゃんこと女性声優洲崎綾の生誕祭記念で作られたメモリアルファンブック“Campus”
の付属CD音源。ミックスのせいか、声と楽器との相性のせいか、いわゆるサビになると声がバックに埋もれがちになるのがムズカシイ音源。なのだが..これは...悪くない!この曲、「First Love」に比べてややレンジがナローで、かつ、サビになって全ての楽器がインすると特にベースにあやちゃんの声がかぶって聴きづらい再生環境があるが、TANCHJIM ONE DSPは重低音のなさが上手く働いて?サビでもヴォーカルを埋もれさせない。ヴォーカルがここまで明瞭に聴こえる組み合わせは少ない。この曲、このクラスのイヤホンをターゲットにミキシングしたかと思うくらい。
おなじあやちゃんが歌う曲で、今度は真逆の音飽和系のダンスチューン、アイドルカードバトルゲーム“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS”の「ヴィーナスシンドローム」は、“THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 019 新田美波”
から。この曲、バスドラのビートの音圧、音数が多いラウドなバックで、あやちゃんの声が埋もれがちになりがちで、きっちりと声を分離して描き出せるイヤホンは多くない。しかし、驚いたことにヴォーカルのうもれが全くない。それでいてビート感はしっかりとあって、下がスカスカなわけではなく、ダンサブルな曲調に合っている。ただ左右の広がりは狭く、左右いっぱいに散らされたシーケンスパターンなどは広がりに欠け、あやちゃんの声も“切なさ”というようなニュアンスは伝わりづらい感じ。、
同じビートが強い曲でも、インスト曲でタイトなリズム、楽器間の空間の描き出しも重要なフュージョンナンバーは、ジャパニーズフュージョンの雄T-SQUAREが、自身の曲「RADIO STAR」を、ベーシストでかつラッパーでもある日野"JINO"賢二をゲストに迎えてセルフカバーしたアルバム“虹曲~T-SQUARE plays T&THE SQUARE SPECIAL~”
のテイクから。こういったインスト曲を真摯に聴こうと思うとツラい。この曲、JINOのプレイが聴き所だが、かなり平坦。特にベースソロの部分は、スラップのプル音を中心とした前半の部分はまだしも、JINO自身のスキャットのバックに回ってプッシュ中心になるソロ後半は沈み込みが足りず、ノリがイマイチ。ただ、このクラスにしてはEWIの旋律の描き出しはなかなか。
一転してピラミッド音場の古典ロック、Eaglesの「Hotel California」は、同名アルバム(24K蒸着仕様CD)から。
古い録音で上下が広くなく、このイヤホンに合うかと思ったがイマイチ。少しヌケていない音色ながら、印象的なフレーズで曲の中心を固めるRandy Meisnerのベースの音が軽くて締まらない。また、左右いっぱいに広げられたパーカッションやドラムも余韻が短く「空間」が感じられない。Don FelderとJoe Walshのツインギターソロも音はきちんと追えるが、ピッキングなどのニュアンス表現はイマイチ。ただ、アコギの音は悪くないのと、決して前に出てくる声ではないDon Henleyのヴォーカルは良く追える。
「艦これ」BGMのオーケストラアレンジ、交響アクティブNEETsによる“艦隊フィルハーモニー交響楽団”
から勇壮な戦闘曲「鉄底海峡の死闘」は、上と下がなく音場も狭いTANCHJIM ONE DSPでは荷が重いか...と予想して聴いたら、曲としては上手くまとめられていた。ティンパニの腹に響くドウンという深みのある音や、弦楽低音部の下で支える音の量は足りないのだが、編曲というか楽器構成が良いのか、そのすぐ上のところ(重低音の“上”)が充実しているので充分迫力はあるし、勇壮なブラスの“キレ”は良く、戦闘シーンのBGMというこの曲には合っている。中間部の笛の調べの空間表現や、オーケストラのスケール感には欠けるが、充分成り立っている。
今までFLAC音源で評価してきたが、最近では無視できない配信グレードのmp3(ビットレート269kbps)では、YOASOBIのサポートや自身のバンドAoooでの活躍で名を上げている、やまもとひかるの2nd配信シングル「NOISE」。
この曲、多くのリスニング環境では、ベースフィーチャリングで、「ベーシストやまもとひかる>ヴォーカリストやまもとひかる」となりがちだが、予想通り?みごとに「ベーシストやまもとひかる<ヴォーカリストやまもとひかる」。名の通り、“NOISY”な曲で、ベースも主張している曲なので、ひかるちゃんの声が埋もれがちなのだが、きちんと追える。ただベースプレイはスラップのプル中心でソロっぽく前に出る部分以外はきこえない。一方、ピアノの刻むバッキングはとてもキレ良く聴こえる。
TANCHJIMのボトムラインの中では上級寄りのONE DSP、最大の特徴は接続端子がType-Cということだが、楽曲を聴くという目線(耳線?)で評価すると...
◎ヴォーカル・主旋律を前に出すチューニングで小音量でもメロディを見失わない
◎弾力がある?音色の中低域で、リズムコンシャス!
◎コンパクトで収まりがよいハウジング
◎ボトムライン製品なのにリケーブル可能な構造
と曲のメロディを小音量でも明確に提示し、ポップス系楽曲で重要なリズムをしっかりと届けるイヤホンであった一方、
■超高域は、すっぱりと無く、天井の広さは感じられない
■低域は、重低音までは伸びておらず、楽曲構成によっては腰高
■サウンドステージは特に左右に狭く、音の分離はあまりよくない。
■DSP性能の限界か、特に余韻がない
と、広がりや伸び、という要素は控えめなイヤホンだった(これは3.5mmアンバランス接続の同社のZEROと近似の評価なので、TANCHJIMのボトムライン商品群共通の傾向なのかも知れない)。
さすがにDSP機能コミで4,000円のイヤホン、高望みは出来ず、音楽に対峙して聴く...というにはキビシイ面はあるが、このイヤホン、人の声の帯域が非常に聴きとりやすく、小音量でもメロディを見失わないという特徴がある。
元々はオンラインミーティング用に入手したイヤホンだが、仕事などのBGMに控えめ音量で音楽を流すのにも適していて、とても使い勝手の良いイヤホン。
有線の低価格帯のイヤホンを探しているなら、一聴の価値があるアイテムです。
ハイが伸びていないのが、空間の広がりもないのもあって目立つ
そもそも超高域はバッサリなく、余韻の無さも合わせて開放感がない。
ただ、中高音域は美音系なので「鼻づまり感」はない。
「聞きとる」という観点では満点。「聴く」という観点でもナローな帯域にしては、さほどに悪くない。
ヘタに?ワイドレンジのイヤホンでは、量が多い低域や刺さる高域にマスクされて上手く聴こえないミックスのヴォーカルや、本来分解能が高くないと
重低音はないが、中低音域の描き方が上手く、スカスカに感じる曲は少ない
クラシック系のワイドレンジの楽曲でも、中低域に配置された音があれば、上手く埋めてくれて腰高感は少ない。
余韻の消え去り方に違和感のある高域に比べると、単なる?レンジナローなだけ。
広がりは狭く、人工的
音の「芯」は悪くないが、余韻がそもそも少なく、広がりも狭く、消え去り方もブツギリな感じで、曲調によってはとても気になる。
空間の広さを感じさせる、小編成のアコースティックインストなどは全く楽しめない。
-
購入金額
3,999円
-
購入日
2025年10月06日
-
購入場所
SonicSerenity Co. Store (Ali Express)








ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。