AntecのP180を使って以来、P182→P183と愛用してきました。
窒息系静音ケースの先駆けでもあり、代名詞とも言える素晴らしいケースですが、最近は詰め込むデバイスが増えたためにケーブルが多数押し込まれるようになったことや、ハイエンドマザーを中心に横方向に長いE-ATXサイズへ移行しているという事情もあり、そろそろ次のケースを…と探していたところ見つけたのが、CorsairのGraphite 600Tでした。
ブラックモデル、ホワイトモデルのほかシルバーモデルの3色のラインナップがあるこのケースですが、残念ながらブラックモデルは昨年夏頃に終息、シルバーモデルに至っては代理店のLinksでの取扱がなくアメリカなどから輸入せざるを得ないという状況です。
ホワイトモデルは流通していますが、どうもホワイトとブラックのツートンが好きになれず、どうしようかな…と悩んでいたところ、新品を4000円ちょっとのアウトレット価格で見つけたため急遽購入しました。
ブラックモデルが無いなら、塗ってしまえ!ってことで、4000円程度なら塗料代を考えても安いだろう~と思っていたんですよね、このときは(笑
■高さはミドルタワー、ただし横幅はかなり巨大
写真を見てもらうのが一目瞭然ということで、今まで使っていたP183と並べて撮影してみました。
DVDドライブもチッピングコートでブラック塗装にしてみました
高さこそP183よりわずかに低いものの、幅については二回りほど大きくなっており、実に265mmとP183の205mmと比べると60mmもワイドになっています。
フロントデザインを見ると、小型のミドルタワーケースを縁で囲っているデザインになっていますが、この縁の部分だけケース全体が太っていると思えばイメージがわかりやすいかと思います。
Graphite 600Tのこの厚みですが、実際に使ってみるととても便利です。
背面のケーブルスペースもとても広く、きちんとケーブルを配線せず、ごちゃっとした状態でも余裕でサイドパネルを閉じることが可能です。
また、基板側もサイドパネルまでの高さがかなりありますので、超大型のサイドフロークーラーであっても余裕で装着可能。
P183が細身ということもあるかと思いますが、この広さはメンテナンスをするにもとても便利です。
高さはP183の方が高いのですが、こちらは上下2つに分割されたチェンバー方式のため、上下チェンバー内の余裕はかなり少なく、窮屈感があります。
その点Graphite 600Tは中身が大きな空洞になっていることもあり、かなりのゆとりがあります。
■エアフローは抜群、思ったより冷えないHDD
フロントには吸気用の20cmファン×1、排気は上面に20cmファン×1とリアに12cmファン×1と、標準的なファン構成となっています。
フロントはすべてメッシュになっているため、通気性はかなり良さそう。
さらに、サイドパネルのアクリル窓をメッシュに変更可能です。
標準状態だと排気過多となるため(吸気ファン1に対して排気はファン×2に電源ユニットの3つ)、サイドパネルからもそれなりに吸気しています。
HDDベイの直前に20cmファンがありますが、HDDを取り付けるためのフレームの開口部が割と狭く、HDDに効率的に風が当たらないためか、P183に比べてHDDが熱を持ちやすくなっています。
といっても、通常の5400/7200rpmのHDDであればなんら問題無いと思いますが、使っているのが15000rpmのHDDのため、通常のままではエアフローが足りません。
そこで、HDDの後ろ側に排気用の12cmファンをセットしてみました。
タイラップを使って、ちょうどいい具合に3.5インチシャドウベイにファンを固定することが可能です。
10℃ちかくHDDの温度が下がって一安心
■3-way SLIでも余裕な8スロットデザイン
このケースを選ぶ最大の決めてともいえるのが、拡張スロットが8つあるということ。
ATXサイズのマザーでは7つまでしか拡張スロットはありませんが、一番下のスロットに2スロット占有のビデオカードを装着すると、ケース側には拡張スロットが8本分必要となります。
2-wayまでのSLIであれば必要ありませんが、3-way、4-wayのSLI構成にするには最下部のPCI-Eを使用する必要があるため、対応できるケースにどうしても限りがあります。
この点、Graphite 600Tは8つの拡張スロットがありますので、3枚以上のビデオカードを使用することが可能です。
GeForce GTX660Ti×3でも余裕の圧倒的サイズ
■きわめて満足度の高いケース
メインPCのパーツをごっそり移植して組んでみましたが、組みやすさ、内部のゆとり、デザインすべてにおいてとても満足できるケースです。
強いて言えば、スチールフレームで使っている鉄板がもう少し分厚いと剛性が上がって良かったと思いますが、欠点らしい欠点はこの程度です。
少し丸みを帯びたボリュームのあるデザインは好みが分かれそうですが、私はとても気に入っています。
サイドパネルはネジを使用せずに簡単に取り外し・装着が可能ですし、エアフローも悪くありません。
静音性という面では開口部が大きいため音の漏れも大きいのですが、いろいろ詰め込んだP183と比較してもそれほどでもありません。
それよりも、3-way SLI構成が実現できたこと、DIY塗装が予想以上に仕上がりがよかったこともあって、とても満足できるケースです。
惜しむべくは、ブラックモデルが終息になってしまったことですが、まだホワイトモデルの残っていますし、気になる方は買っておいて損はないと思います。
ただ、予想以上に巨大ですので、設置の際は事前に設置場所を考えておくと良いかと思います。
■塗装にチャレンジ
黒いケースが欲しかったのですが、購入したのはホワイトモデルでしたので、自分で塗装してみることにしました。
届いたばかりのホワイトモデル
届いたケースから、ホワイトに塗装されたパーツを取り外します。
ケースの外周をフロント・リア・上下と4つのパーツに分解、電源スイッチには電源マークの切り抜きと、そこにはまるクリアーパーツがありますので、クリアーパーツを取り外しておきます。
サイドパネルに付いているロック用のパーツも塗装の邪魔になりますので取り外します。
フロントパネルの周囲には黒いパーツがはまっていますので、これも外しておきます。
届いた30分後の姿
取り外し終わったら、あとはスプレーで塗装するのみ。
塗装前に1200番程度のやすりで塗装の凹凸を消しておき、最後に台所用洗剤を使って塗装面の油分を落としておきます。
細かいパーツは両面テープを利用して棒の先などに固定します。
塗装に使ったのはイサム塗料のエアーウレタンつや消しブラック×2とチッピングコートSL×1、エアーラッカー黒×2とくっついちゃうシーラー(プライマー)×1。
エアーウレタンが1本2000円を超えるので、塗料だけで8000円くらいになってるんじゃないかな…と思います。
エアーウレタンは強靱な皮膜と仕上がりがとても美しい塗料なのですが、思ったように仕上がらなかったこともあり、エアーウレタンで塗装した上にチッピングコートを塗るという、とてつもなくもったいない使い方をしています…。
まあ、ウレタン塗料のベース塗装なだけに、さらに強力になっていると思えば…
ケースを安く買った意味があまりなくなったようにも思いますが。
ブラック塗装後
塗装したあとは、↑のような感じになりました。
見ただけでは、これがホワイトモデルだったとは誰もわかるまい…
フロントUSBやファンコントローラーがあるパネルに印刷があるのですが、上から塗装してしまう関係で印刷が見えなくなってしまいます。
ヘッドフォン端子は使わない(nuforce Iconを使用中)ので問題はありませんし、USBなどは見ればわかるのでこちらも問題なし。
唯一の問題はファンコントローラのツマミがどの位置かわからなくなってしまうということでしたが、リューターを使ってマーカーの位置を削って対応することにしました。
パネル付近
■LEDを内部に仕込んでドレスアップ
前に作ったLEDライトセーバー(撮影用の照明もどき)ですが、これが微妙に光量が足りないこともあってまったく使っていませんでした。
Graphite 600Tに内蔵されている20cmファンはLEDを内蔵しており、電源投入時にはそれなりにケース内が明るく照らされます。
どうせなら、各パーツが見えるように、とLEDライトセーバーを分解し、LEDをケース内に仕込んでみました。
内部に設置したLEDテープ状モジュール
方法はとても簡単で、テープ状のLEDモジュールに付いている両面テープで、ケース内側の上下左右にモジュールを固定するだけ。
電源は12Vになりますので、ファン用の3ピンコネクタを繋げてやれば簡単に取ることが可能です。
電源を投入すると、明るすぎず、暗すぎずという感じでケース内が見えるのでいい感じです。
電源投入時#1
電源投入時#2
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購入金額
4,500円
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購入日
2013年05月頃
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購入場所
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