ローランドから発売されていたMIDI音源です。ついに実機を手に入れました。
Windows 9x系が現役だったころに広く普及し、事実上の標準音源となったSC-88Proです。
電源回路は筐体に内蔵されていて、コードが直付けになっています。昔はこのように電源コードが直付けになっているのがよくありました(他に私が知る限りでは手持ちのノイズメーターがこんな感じの直付けです)。
入出力のこと
USBがまだ普及していなかった時代の機種なので、PCとはシリアルケーブルで接続するようになっています……が、おそらくドライバがWindows10に対応していないと思われますし、最近のPCにUSBポートはあってもシリアルポートがないと思われます(変換器は市販のものが使えます。電子工作でマイコンを使う人は持っていることでしょう)。
シリアルケーブルは専用品が必要ですが、説明書(公式サイトでPDFが公開されています)に配線が書かれているのでUSB/シリアル変換モジュールと撚り線、コネクタがあれば自分ではんだ付けして作れなくもないと思われます。しかし、MIDIインターフェイス買ってきたほうが早いです。同じローランドからUM-ONEというUSB/MIDIインターフェイスが発売されているのでそれを使用しましょう。
MIDI INは2つあり、32チャンネル(うち10番と26番がドラム)同時に鳴らせますが、MIDIを2ポート使うデータは極稀で、私はMU2000の内蔵デモのほかは見たことがありません(なお、SC-8850は4ポート対応しているそうですが、一体何に使うのでしょうか)。
出力はRCAポートからアナログで出てきます。ここからケーブルをスピーカーアンプに繋ぐか、PCのライン入力端子につなぎます(PCに接続する場合はほとんどの場合RCA-⌀3.5ステレオ変換ケーブルが必要になると思われますが、家電量販店などで手に入ります)。前面にモニタ用のヘッドホン差込口がありますが、こちらはモノラルで出てくるようです(当時の音源の多くはモノラルサンプリングだったのでモニタ用もモノラルで事足りたと思われます)。
VST版にはない特徴、「XGも鳴らせるよ」
現在はローランドから本機やSC-8820を再現したiOSアプリ(私はiPhoneを持っているので購入しました)やVSTプラグインが発売されています(これも買っています)が、これらにない実機の特徴として、XGシステムオンを受信すると隠しモードになり、XGフォーマットのMIDIファイルを変な音にならないように再生することができます(波形が違うので当然出音は異なりますが)。SC-88ProはもともとヤマハのMUシリーズを研究して作られたそうなので、「大きな声では言えないけどXGも再生できるよ」ということなのでしょうか。ヤマハもTG300Bモードで似たようなことをしていますし(後にY社とR社はXGとGSに相互対応することで合意しました。私が持っているMU2000はGSに正式対応した後期版なのでTG300BモードではなくGSモードになっています)。
実際にXG規格のMIDIファイルをいくつか聴き比べてみました(MU2000と)。音源の性質上、MU2000は比較的繊細な音が出るのに対してSC-88Proでははっきりした音が出ます。あと、エレキギターの音がMU2000と比べてやかましくなるような気がします。
(同時代に発売され比較記事も書かれたライバル機はMU100ですが、これは持っていません)
実機で持っておくと何かと便利
昔のMIDIファイルを聞くことがあるなら、これ1台とMIDIインターフェイスを持っておくと、XGも再生できて便利です。かつて広く使われていたので、多くのMIDIファイルは88Pro用に作られたそうなので1台でまとめるのであればやっぱり88Proがいいかと思います。今回買った店ではありませんが2018年夏頃に大阪府内の楽器店に置いてあったのを見たことがあります(商品としてです!)。
なお、Windows8以降MIDIマッパーが無くなったので、CoolSoft MIDIMapperをインストールして使っています(TMIDI PlayerなどMIDIデバイスを指定できるソフトであれば無くても大丈夫なのですが)。
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購入金額
10,778円
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購入日
2018年07月13日
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購入場所
ソフマップなんば店 ザウルス2
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