レビューメディア「ジグソー」

GS音源の決定版……になれなかった

かつてローランドから発売されていたGS音源モジュールです。このモデル以降USBに対応していますが、Windows 10用のドライバが用意されていないので特殊な方法でインストールする必要があります。

 

(2.2.2追記) Supersawが収録されていたので書いておきました。

更新: 2019/12/29

筐体の特徴

筐体は2Uハーフラックで、従来のSCシリーズとはかなり違います。従来のSound Canvasが黒基調だったのに対し前面パネルが銀色になっており、ロータリーエンコーダが搭載されています。

なお、電源ケーブルは極性付ジャック(眼鏡ケーブルに似ていて片側が四角い)が付いていますが、電気屋に売ってる普通の眼鏡ケーブルで大丈夫です。なお、あらかじめシャーシと絶縁されていることを確認しています(かなり昔のアンプにはシャーシと絶縁していないものがあってコードを逆につなぐと感電の虞があったとどこかで読んだことがあります……)。

更新: 2019/12/17

MIDIインターフェイスの特徴

背面のコンピュータースイッチをUSBに設定して使用しましょう(「PC」や「Mac」はシリアルケーブル用です。あと、ここでいうMacはクラシックMacです)。USBで4系統64パート(MIDI INは2系統32パート)使用できるほか、MIDI OUTが2系統搭載されているため、外部のMIDI機器にSC-8850経由で出力することができます。USBからMIDI OUTに出力する場合は本体の音源が鳴らないのでUSB MIDIインターフェイスの代わりに使用できそうですが、内部の音源が4系統64パートあるのはどう考えてもオーバースペックだと思います(32パート使うデータすら稀です)。

但し、後のSD-90と違ってUSBオーディオには対応していないため、録音したい場合は出力をPCのライン入力に接続する必要があります。

更新: 2020/02/02

音色の特徴

8850マップでは最大4ボイスになり一部の音色がステレオサンプリングになるなど音質が向上していますが、SC-88Pro用のデータを8850マップで鳴らす(TMIDI PlayerでForce 8850-MAPに設定)と出音のバランスが変わってくるので聞き比べ以外の目的でやるのはお勧めしません。88Proマップでも一部変わっているところがあるようで、SC-88Proとの互換性に優れた8820をあえて選ぶ人もいたようです。

MU2000と同世代のフラグシップ機であるにもかかわらず、前世代のSC-88Proが実質的にGS音源の決定版になってしまい、それとの互換性に難があるためなのか、オーディオインターフェイス搭載のSC-D70、鍵盤モデルのSK-500、iOS版やSound Canvas VA(VSTi/AudioUnit)は廉価版のはずのSC-8820がベースとなっており、8850本来の音が出せるのは8850だけという残念なことになっています(MU500、MU1000はMU2000と同じ波形だそうです)。

 

なお、この機種から本体の試聴機能に、従来の単音に加えてフレーズ試聴が追加されました。但し、後発のSDシリーズやSonicCellとは異なるフレーズが使われています。

 

収録されている特徴的な音色(プログラムチェンジ、バンクMSBの順。GSのバンクLSBはマップ切換)。ワールドミュージックに割と強いかもしれません。

  • Uillean Harp (47, 8) ケルティックハープ(アイリッシュハープ)です。意外と見かけません。
  • Yang Qin (47, 24) 揚琴という中国の楽器です。これはGM2に入っているので後発の機種でもよく見かけます。
  • JP SuperSaw (82, 15) JP-8000(実は88Proと同じ1996年発売)にあったsupersawが収録されています。プログラムチェンジ82番のバリエーションで唯一4ボイス。
  • Er Hu (111, 8) 二胡(これも中国の楽器)です。88Proマップと共通です。MU2000にも二胡はありますがこちらのほうがリアルです。
  • Pour Bottle (126, 17) お酒などを注ぐ、トクトクトクトク……という音です。
  • SL 1 (126, 22) 蒸気機関車の汽笛の音です。SC-8820にもありますが、ほかの音源ではまず見かけません。
  • Car Horn (126, 25) 自動車の警笛の音です。ハードウェア音源には意外と無いようです。
  • Sword Boom! (126, 29) 剣を振る音です。
  • Sword Cross (126, 30) 剣がぶつかる音です。
  • ASIA (53, Drum) 日本や中国の打楽器です。SC-88Proにもありますが波形が変わっているようです。MU2000にもChina Kitがありますがかなり限られてきます。
  • 購入金額

    14,000円

  • 購入日

    2019年12月08日

  • 購入場所

    ヤフオク

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