私自身ポータブルDATは数種類所有していますが、通勤・通学のお供に持ち運ぼうと思うような機材は、さすがにこの機種しかありませんでした。私はあまり小型軽量という要素には興味が無く、これより前にはポータブルCDプレイヤーを電車で使っていたのですが、それでも他の録音対応の本体はサイズ的にもバッテリ持続時間的にも、携帯プレイヤーとしての利用は無理を感じましたので。
入手は比較的最近(それでも7年以上は経過しています)で、2005年に中古品として購入したものです。購入元は秋葉原のソフマップという、何ともオーディオ機器らしくない買い方ですが、オーディオインターフェースの中古を見に行って偶然見つけたものでした。
音質はMDプレイヤーや、最近の携帯プレイヤーと比べれば、明らかに本格オーディオ機器寄りのものです。非圧縮の16bit/48KHzですから、当然ながらフォーマット的にもmp3辺りよりは有利です。不可逆圧縮の音源を使うプレイヤーでは、この機種のような素直な高域方向の表現はまず不可能ですから。
ただ、DATとしてみた場合にはそれほど高音質というわけでもありません。バッテリーの持続時間や小型軽量化に力を注いでいる製品ですからやむを得ない部分はあるのですが、ヘッドフォンアンプに余裕が無く、大型ヘッドフォンを鳴らしきるような力はありませんし、特に低域の方の余裕のなさは少々気になります。もっとも、以前持っていた録音対応機のTCD-D7でもこの辺りはあまり大きな違いは無かったので、DAT Walkmanシリーズに共通する特徴なのかもしれません。
本格的なオーディオ機器として評価すれば少々辛口にならざるを得ない音質的な弱点はあるものの、ポータブルオーディオとしての使い勝手を維持しながらも、オーディオ機器としてのクオリティを持っていたことは素直に賞賛すべきでしょう。
また、シンプルなメカの構造が幸いしているのか、この機種は非常に故障が少ないことも大きな特徴といえます。他のポータブルDATはゴムベルト等を多用しているためか、今でもきちんと動く個体はそれほど多くないと思うのですが、この機種は実際に今音楽を再生しながらレビューを書けるコンディションを保っているのです。
今でも気軽に使える数少ないDATとして、手放せない一台となっています。
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購入金額
7,800円
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購入日
2005年10月31日
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購入場所
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