レビューメディア「ジグソー」

90年代が産んだ個性派全方位ラジカセ

ラジカセという言葉もあまり聞かなくなったこのご時勢(特にカセの部分)。我が家でも音楽視聴はポータブルMP3プレーヤーや、パソコンが殆ど。何台かあったラジカセを初めとしたオーディオ機器も故障による処分か、まだ使えても部屋の置物と化している。
ゴハンタケタヨー
ゴハンタケタヨー

そんな中、未だにCD再生機として頻繁とはいえないまでも実用品として動いているラジカセがこの炊飯器のような物体。

1980年末期~90年代前半のラジカセ・ミニコンポは、デュアルカセット・CDチェンジャーを備えたものや、ドハデなエフェクトをもったVFD/LCDを備えたモデルが色々販売されており、電気店で眺めるだけで面白がっていた。
そんな時代だからこそ産まれ、それでも尚カタログで異彩を放ちまくっていたこのaiwa CSD-MR1。超多機能な重装備高級機とは毛色が異なるが、現在ではまず登場しないであろう事に変わりは無いトンデモラジカセ。
そろそろバブリーなラジカセもひと段落してきた1996年の購入だ(モデル自体はそれ以前からあったらしい)。


三角はスピーカー方向をイメージ?
三角はスピーカー方向をイメージ?

スピーカー全方位に向けりゃサラウンドだろ!…となんかもう見た目で出オチ感バリバリのイロモノだが、全方向にスピーカーを向けた異質な構造は他のラジカセでは味わえない音。

真上から見るとまさに円
真上から見るとまさに円

真上から見るとまさに円形。6つのスピーカーが放射状に並んでいるという判りやすいっちゃ判りやすい構造とデザインだが、グッドデザイン賞受賞だったきがする。ちなみに6つのスピーカーのLR割り振りは購入から16年経った今でも調べてないから判らない(オイ
レッドリング
レッドリング

更にスピーカーの周囲にはLEDイルミネーションを搭載。レッドとグリーンにわけられていて、交互かと思いきや、前方と後方の4つはレッド、左右に当たる2個がグリーンという配置。常時点灯・オフ・イルミネーションの3モードに切り替えが可能で、イルミネーションモードでは15年後に購入するENERMAX製ファンばりに回るような軌跡を描く。但し何故かグリーンは点滅を繰り返すだけの謎区別。

尚音にあわせて光るとかそんな高度な機能はない。むしろ電気的に完全に独立しているのか、コンセントを挿すと本体がカセットだろうがCDだろうが問答無用で光りだす。しかもイルミネーションモードが初期値だ。

左側操作パネル
左側操作パネル

黄色いスイッチがサラウンドスイッチ。6chサラウンドじゃなくて6スピーカーサラウンドだ。オンにするとモード問わず高音が強調されると共に反響がかかったような広がるような音になる、このラジカセのアピールポイント。

全方向死角無く問答無用で発せられる音は、本格的オーディオ機器のそれとは全く異なる性格だが、なんともいえない魅力がある。ちなみに乾電池による動作も可能だが単二電池8本という重量級なので、今まで乾電池動作をさせたことはない。


ロッドアンテナ。実はすごいよく伸びる。
ロッドアンテナ。実はすごいよく伸びる。

一方基本的なスペックははラジオステレオ放送に対応している点以外は特に見るべき点はない。機構的には昔ながらの機械的なもので、カセットテープモード=電源オフ状態。カセットの各種ボタンorCD&ラジオへの切り替えが電源オンだ。
ラジオ含め共通のボリューム&音質ツマミもラジカセのお決まり。
カセット操作部
カセット操作部

カセットの操作ボタンも当然ガチャッ!ガチャッ!といった機械的な装置。停止ボタンとイジェクトボタンが共通化されているのもまさにお決まり。バネ式で電源が入っていなくても出し入れOK
親の持ってたカセット
親の持ってたカセット

CD部はともかくカセット部は長年使っていなかったので試しに動かしたところ生きていた。さすがメカニカルだ。というか適当にカセットテープ持ってきたけど何年前のだよコレ。

コチラは自分のCD
コチラは自分のCD

CD部分もやはりバネで開くタイプなので電源オンオフ関わらず出し入れ可能。とはいえこちらは再生中でも特にロックされていなく、フタをあけられてしまうが。こちらも16年経った今でも音とびや読み取り不良も無く、PCで焼いたCD-Rも再生可能。この頃買ったCDプレーヤーの中でCD-Rの読み取り不良を起こさなかったのはコイツだけだ。

CD操作部 奥はラジオチューナー
CD操作部 奥はラジオチューナー

操作系統も超シンプル。再生/一時停止ボタンに停止ボタン、曲前後ボタンにリピートモード切替ボタンだ。リピートモードは1曲リピートとCD全体リピート。ランダム再生なんて無かった。
トラック表示
トラック表示

そしてトラック表示インジゲータは1桁しかない。では10トラック目以降はどう表示されるのかというと、左上に「・」があり、12=・2という表示になる。20トラック目になると「・」が点滅して区別する。30トラック目になっても点滅のままなので、20トラック目以降は区別が付かないが、そもそも手持ちで30トラック以上あるCDはサウンドトラックの一部くらいなので実用上は大した問題にならない。



最初に書いた通り、音楽再生のメインはパソコンだったりポータブルオーディオだったりでこのラジカセの出番は限られる。
しかし例えば買ってきたCDをすぐに聞きたい時、掃除や整理等で音楽をかけられない場所で聞きたい時。何処においても何処に居ても聞こえるこのラジカセは、活躍している。
但し古いCDプレーヤーのお決まりで振動に弱く、床に直接置くと近くを歩いただけで音とびがする。座布団や椅子の上で偉そうにするのがお決まりだ。



取っ手付き
取っ手付き

ちなみにこの全方向スピーカーという謎設計、リスニングテストやイベント練習などでは重宝したのか学校の備品としても同型を見たことがある。それも2箇所で。


ラジカセが多機能と個性で鎬を削った時代だからこそ生まれた珍品。今や多機能ラジカセどころか、aiwaという名前自体が消滅してしまった。
しかし奇妙な見た目に反したシンプルな構造は、16年の時を経た今でもしっかりと動いている。
  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    1996年頃

  • 購入場所

コメント (4)

  • ヒロ妨さん

    2012/08/07

    あっこれの、白っぽいやつが、妻の実家で、まだ現役で活躍してますよ。ww
  • 退会したユーザーさん

    2012/08/07

    アイアン・メイデンだ(’’
    親御様は私と同年代なのでつかねぃ(ちょっと悲しいような嬉しいような(w
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