2010年頃にそれまで使っていたBTOケースからの載せ替えを目的として購入しました。
翌年Sandyに組み替える予定でしたが少しでも早く良いケースに載せ替えたいというのが理由でした。
今回はいろいろなジャンルのケースを使って来た上でP193(初期型)に関してのレビューとなっております。
Antec公式サイトにP193として掲載されてるP193はマイナーチェンジされたP193(v3)のものとなっており、代理店であるLinksさんの公式サイトは説明も画像もP193(v3)のものとなっております。 今回のレビュー内容と公式では仕様や画像に差異がありますのでご注意ください。
レビュー時のPC構成
【CPU】Intel® Core™ i7-2600K
【CPUクーラー】ZALMAN CPUクーラー BLUE CNPS9900MAXB
【メモリ】CFD Elixir DDR3-1333 (4GB x 4枚) 16GB
【M/B】MSI Z77A-GD55
【GPU】MSI GEFORCE GTX 960 GAMING 2G
【SSD】Crucial MX300 SSD 275GB
【光学ドライブ】Pioneer BDR-205BK
【ケース】Antec P193
【電源】Corsair RM650x
【OS】Windows 10 Pro
作りに対してなるほどと思うことが多い
メーカー品から始まり格安鯖まで様々なケースを使って来た上で「市販の高級価格帯」に位置するケースを使うのは初めてでした。
そのため初めて使った際に高級価格帯の色々な部分に感動したのを覚えております。
- 5インチベイはケース前面から差し込むだけで固定される
- 電源に冷たい風がいくようにデュアルチャンバー設計となっており、電源が風を取り込みやすいよう高さがある
電源部分のかさ上げ [代理店LinksさんのP193紹介画像]
- HDD等の固定にデフォルトで防振ゴムが付いている
- フィルターが完備しており埃の侵入を減らしている
- ケースファンの一部にデフォでファンコントロールがついている
- 上段HDDケージのサイドにBOXが付いている
中段3.5インチベイ部分のBOX [代理店LinksさんのP193紹介画像]
自作経験があれば導入は問題なくできると思います。全くの初心者の方ですとスペーサー等最低限の知識さえあれば恐らくなんとかなります。
最初ネジが足りないと思ってしまうかもしれませんが、一部ネジは上記中段のBOX部分に入ってます。
導入時の注意点としてはCPUクーラーの高さです
E-ATX対応ケースということもあり内部が広く感じるかもしれませんがサイドパネルの200mmファンが内部にも張り出しており、内部の見た目以上にCPUクーラーを選びます。 [サイドファンの項目で画像有]
現在ZALMAN CNP9900MAXBを使っておりますが、高さ152mmのCPUクーラーでギリギリだと思います。
そのため内部からサイドパネルまでのスペース幅だけでCPUクーラーを選ぶと干渉してサイドパネルが閉まらない可能性があります。
メンテナンスの回数を重ねるごとに使いづらさに目が行く
7年半近くの間に中身は一通り入れ替わり、パーツも増設と取り外しを何度も行ってきました。
特にHDDは随時増設したり入れ替え、最大で6台積み運用をしていました。
一言でいうと「メンテナンス性は非常に悪い」です。
設置場所によりますがサイドパネルを開けたり閉めたりする際にサイドファンの接続を付け外しする必要があり、配線を綺麗にするとするとHDD周りの増減で特に苦労します。
不満箇所(全体/取り回し/裏配線)
全体
- 重いため気軽には動かしづらい[ケース実重量19.6kg/総重量24.5kg]
- サイドパネルが上下2カ所をネジ止めのため重さと相まって開けづらく閉めづらい
- 全体を通して剛性はあるがそのための折り曲げ等が多く埃が貯まりやすい
- 前面部には隙間が多くあり埃が貯まる
- 正圧にしてフィルターをつけていたがファン近くの物理的に入り組んだ隙間から埃がわんさか入る
- 埃ぱない
取り回し
- 3.5インチベイ部分は中段と下段に分かれており、中段は横置き2台、下段は縦置き4台になっている
- HDDを増設または取り外す際はネジ止めされているボックスを引き出す必要があり、内部配線のためケーブルを最小限に止めていると全て取り外す必要がある。多少の余裕を持たせていてもレール状に引き出す必要がありそれだけケーブルが引っ張られる
- 下段の3.5インチベイボックス手前にファン取り付けようの仕切りがあるが、お察しの通り下段にHDDを4台設置すると仕切りが邪魔になりケーブルを挿しづらく、ケーブルに余裕を持たせるとケーブルが風の通りを塞ぐ
- 中段にHDD等を設置した場合は中段の後ろにファンを増設できない
- 中段のボックスケースはアクセスが非常に悪くそんなに入るわけでは無い
中段ボックス部分へのアクセス方法(二通り)
- 右サイドパネルを取り外す
- 左サイドパネルを開き、中段の3.5インチボックスケースのネジ止めを外して引き出す。(HDD等が刺さっている場合はケーブルを取り外す必要あり)
- 上下を分けるデュアルチャンバー設計の穴を通すと思いのほかケーブルが遠回りする結果となりケーブルの長さが足りなくなる
- 穴を最小限にしてる板のネジを外すことで広げられるが、その場合デュアルチャンバー設計の意味が無くなるどころか残った部分がただの邪魔な仕切りになる
裏配線
- 見た目以上に実際は狭く、セミプラグインの電源ケーブル太さだとまず閉まらない
裏配線最大20mm (但しサイドパネルの関係で実際の可能範囲はもっと狭い)
- ケースファンのための電源ケーブルもペリフェラル部分があるだけで綺麗には閉まらない
- 結束バンドを使うと結束部分で閉まらなくなる場合もある
- 極力横に広げ無理矢理押し込むと閉まらないことは無いがサイドパネル部分がたわむ
- E-ATX対応ということもあり高さがあるため無理矢理裏配線をした場合CPU電源のケーブル長が確実に足りない
不満箇所(ファン/サイドファン/フィルター/v3改善点)
ケースファン
- ケース上部と背面にファンが付いているがちょっと取り外し辛い
- ファンコンが裏ついているがそのためのケーブルがあり、ファンに巻き込まれる恐れがある
- 割とファンまでの間が狭くケーブルを巻き込みやすい
- ケースファンコンは裏にあるが硬く、設置場所次第ではファンコンの状態が見えないためPCケースを動かす必要がある
サイドパネルケースファン
- サイドパネルファンの200mmファンが外だけでなく内部にも出っ張っているため入らないハイエンドクーラーがいくつかある (当時の有名どころではしげる等)
内側に張り出したサイドファンの高さ (約14mm~16mm)
- ファンがほぼむき出しのためGPUの補助電源などが配線次第では巻き込む恐れがある
- ファン固定用の仕切りが4本あるが、この4本が地味にファンの清掃を妨げる
内部の配線を巻き込む恐れがあり掃除に邪魔な仕切り/短い電源と更に短いファンコン部分
- サイドパネルファンの電源ケーブル部分が思いのほか短く、接続した状態で蓋を閉めるのが困難。また接続しやすいよう電源から接続までを長く取ると前述の通りたわんで巻き込む恐れがある
- サイドパネルファンのファンコンは更に短くサイドパネル中央部にほど近いためケース温度とかを見つつ切り替えは困難を極める。安全にやるのであれば一度電源を落とし、サイドパネルを開けて切り替えて閉めてという手順を毎回踏む必要がある
ケースフィルター
- 前面のフィルターは上部の5インチベイ部分は取り外し可能だが、下部の2台のファン部分は扉式のため清掃が困難
- なお扉式のところは開けてもファンにアクセスできるわけではない
- 前面ファンの増設や変更を行うには「ケース内部の3.5インチベイボックスを外す」必要があるが取り付けは非常に困難
- 前面フィルターの作りが甘く清掃時に毎回端から解れていく
- たゆまない用に仕切られているが溝が深く清掃がし辛い
v3で改善された箇所
- 前面のeSATA端子がUSB3.0端子に変更され利便性上昇
- CPUクーラー用の切り抜き
- 2.5インチのSSDを搭載する場合のマウンタが不要に(確認してないが改善されてるらしい)
剛性がありファンも多いため冷却性は高いが組み替えや入れ替えは最小限に
重量があり剛性もあるしっかりとした作りでありケースには上部に140mmファンが2基、背面に120mmファンが1基、サイドパネルに200mmファンが1基付いておりそぞれにファンコンが標準で付いております。
この他にも前面のケース部分にファンが2基、中段はHDDを設置しなければ1基、下部は仕切り部分に1基とファンの設置箇所が多く風が大量に送れます。
メンテナンス性に関しては非常に悪く一度組んだ後は極力手を入れない構成にするか、手を入れる頻度が割とあるならば内部配線等はしっかりせずに妥協しておいた方が多少取り回しが良くなります。
既にv3まで出ており一部分は解消されてますが、大きな構成は変わらないため取り回しの面は変わらないと思います。
高級価格帯ならではの品質と手を入れるたびに新しい不満点や惜しいと感じる発見があるケースでした。
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購入金額
28,000円
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購入日
2010年10月頃
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購入場所
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