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プレミアムレビュー第六弾!その3




ジグソープレミアムレビュー レビューインフィニティ第2弾「ロッコア星」に選んでいただき、ありがとうございます。
こちらはintel最高峰のコンシューマCPU、Intel Core i7-990X Prosessor Extream Editionのレビューです。

その他の製品群はこちらをご覧ください。






それではレビューに移ろう。
まずは開梱からだ。

黒を基調としてシリコンダイの写真を角にあしらったデザインだ。
大きさは両手の手のひらに収まらないくらいといえばその大きさを想像出来るだろうか。
SandyBridgeのCPUパッケージを見たあとではその大きさの違いに驚くだろう。
最高峰CPUの貫禄と言ったところか。
物流の点ではこの巨大なCPUクーラーはコスト増となるだろうが、ハイエンドCPUにおいてはそれなりの販売価格となるため占める割合としては小さいのだろう。
(ex. 販売価格8万円に対してクーラー5千円とすると6%程だが、2万円のCPUに対して同じく5千円のクーラーをつけるとなるとなんと25%もの割合になる)


封印シールを切って箱を開けるとダンボールの緩衝材に包まれた巨大なCPUクーラーが姿を現す。
一瞬CPUクーラーの梱包だったのかと錯覚するかのような大きさだ。
一緒に説明書とCPUグリスが二つ同梱されている。
ちなみにCPUは画像上側に見える溝にちょこんと入っているのがそれだ。


まずはCPUクーラーを見てみよう。
オープンフレームのファンに4本のヒートパイプが使われている。
恐らくオープンフレームを選んだのはフィンへの送風に加え、CPUクーラーの周りにも空気の流れを作り出すことを目的としたように見える。
余談ではあるが、ファンが透明なのはワケがある。そのあたりは後ほど記そう。
戦闘機みたいなペラ
戦闘機みたいなペラ


上部のカバーにはintelのロゴがあしらわれており、また後述の取り付け用の穴、そしてファンの回転数切り替えスイッチがある。
Qは低回転で静音向け、Pは高回転で高冷却向けとなっている。


フィンは後方にオフセットされており、ファンを含んだクーラー全体の中心がCPUの中心と合うようになっている。
残念ながら私の所に届いた個体はフィン上部、及びカバーが何かにぶつかったようなあとがあった。


固定方法は流石にプッシュピンではなくネジ止めだ。
ドライバーだけでなく手でも十分に締め付けられるようにローレット仕様となっている。


バックプレートは樹脂にメスネジが埋め込まれている。
intelとしてはCPUクーラー取り付けによるマザーボードのしなりは仕様の範囲内と言うことで金属製のバックプレートは採用していないのだろう。(金属製を採用してしまえばintelの提唱するマザーボードの設計
ガイドラインを自ら否定しかねない)
バックプレートの裏側には両面テープが貼り付けられており、CPUソケットのバックプレートに貼り付けられるようになって脱落を防ぐようになっている。
ちなみにCPUとの接触面にはグリスは塗布されておらず、後述の同梱されているグリスを使用するようになっている。
ばってんばってん
ばってんばってん


フィン後方の取り付けネジはフィンの下に隠れる形となるため、先述のCPUクーラー上部のカバーに開いた穴からドライバーを差し込んでネジを回す事になる。
一般的にこちら側はマザーボードにもVRM冷却のためにヒートシンクが付いているために元々手では回しにくいことが多いため、この方式は正解といえるだろう。
また、ファン側はドライバーが真っ直ぐ当てられないので、手で締めたあとドライバーで締め込めるかどうかを念のため確認するといったところだ。
恐らく手できちんと締められれば十分ということなのだろう。
するーほーる!
するーほーる!



次はCPUグリスだ。
こちらは2つ同梱されており、CPUクーラーをつけ直したときにもう一度使えるようになっている。
分量は一回分使い切りで多少多めに入っているので少し残すくらいがちょうど良さそうだ。
CPUグリスの扱いに慣れない初心者が全量を使い切っても多すぎないので親切な量であるといえる。
ぐりす。
ぐりす。



そしてやっとCPU本体の紹介だ。
CPU本体は最初に述べたようにダンボールの溝に入っている。
別角度から見るとダンボールに開いた窓とパッケージの窓からCPU本体が確認出来るようになっている事がわかるだろう。


CPUはおなじみのブリスターに入っている。
何度も利用できるのでこれは何かと重宝するケースだ。
一時的に置いておくのにも外した際の保管にも使えるこのケースは捨てずに保管しておきたい。


CPUの裏、LGAの端子が接触する部分にはマザーボードに取り付けて通電させたような跡がある。
恐らくパッケージにしてから選別を行い、販売するモデルを決めるのであろう。
一点一点それぞれにある凹みは配線がシリコンダイにそこから伸びているのであろうか。
ぽちぽち
ぽちぽち



○組み立て
では、組み付けをしてみよう。
LGAではおなじみの
・レバーをフックから起こし
・テンショナを起こしてソケットカバーを外し
・CPUを乗せてテンショナをかぶせ
・レバーを倒してフックに掛ける
という作業工程となる。

注意点としては3点。
・CPUソケットカバーは真っ直ぐ外す。
ずらしたりするとカバーでLGAの接点を痛めたりして動作不良を起こし、マザーボード自体を交換しなければならなくなる。
難しければ思い切ってマザーボードをひっくり返して落下させたほうが安全かもしれない。(もちろんレバーとテンショナは手で押さえよう)
・CPUの向きを間違えない
CPUの切り欠きとソケットの出っ張りを合わせることを忘れないこと。
これを間違えて無理矢理装着するとソケットからCPUまでも破損して、またもや交換しか対応策が無くなってしまう。
・多少ミシミシ言ってもびっくりしない。
それなりのテンションがかかるため、時に基板がきしむ音がする場合がある。
CPUの向きが合っていて、きちっとソケットにはまっていることが確認できたならば思い切ってレバーを倒してフックに掛けよう。

CPUに同梱されているグリスを塗布した状態はこちらだ。
この量は一袋を少し残して塗ったところだ。
大体8~9割と言ったところだろうか。
これくらいがちょうど良いように思う。


そしてこれがある程度使用した後、CPUクーラーを外したところだ。
ちょうど良い・・・か少し少ないだろうか?
やはりグリスは一袋全量塗っても問題無いと思われる。




クーラーの取り付けはまずバックプレートを貼り付ける。
ここではあえてケースにマザーボードを取り付けた後、CPUメンテナンスホールを利用しての取り付けをしている。
※注意!
このケースはSilverStone RV03であるため、マザーボードの向きが一般的なケースと90度違います。



そして表側からクーラーを乗せ、4カ所のネジを対角に締め付ける。
ネジの長さがオス、メス共に短いので、裏面からバックプレートを押さえながらCPUクーラーを表側から支えてさらにネジを締める。というアクロバティックな作業が必要になるため、二人で作業をするか、マザーボードを取り付ける前にCPUクーラーを取り付けるかした方が良さそうである。

そして取り付けた画像がこちら。
リテールクーラーとは思えない迫力である。


画像ではストレージ周りはまだ組み付けていないが、PCとして組み上げるとこのようになる。
RV03の裏配線が秀逸なため、こちら側にくるケーブルがかなり少なくなるのがわかるだろうか。


そして電源を入れるとこのように・・・青く光る!
これが冒頭で述べたファンが透明であるワケということだ。
ギラギラするわけでも無く控えめな青い光がなかなか良い。
しかし残念ながらLEDをOFFすることは出来ない点は覚えておいた方が良いだろう。



組み付けて正常に動作すれば晴れて12スレッドが林立するタスクマネージャを見ることが出来る。
これだけのグラフが動く様は圧巻だ。
すっごいよ!
すっごいよ!



注意点
このマザーボードの裏は比較的大きく出っ張っているピンがいくつかあるので、バックプレートが金属製の場合はこのピンに触れないように注意したい。
出来る事であればリテールクーラーのような×型のバックプレートを推奨したい。
わかりやすいように黄色線でピンホール位置を結び、出っ張っているピンを赤色丸で囲った。


無限2付属のバックプレートのような形状だと取り付けはしない方が良いかもしれない。
(スポンジなどが貼ってあるが、突き破る可能性を否定できないため)
無限2バックプレート
無限2バックプレート

※この写真のみ向きが通常のマザーボードと同様の向きです。



○性能検証
それではここでやっと990Xの性能をベンチマークソフトを用いて検証してみよう。
比較対象は同じ6コアのAMD PhoenomII X6 1090Tだ。
弟機として表中に記してある。
ここではなるべく同条件下での評価を行うため、極力使用するパーツを揃えてみた。
以下にその構成を記すので参考にしてほしい。
構成表
構成表


そしてベンチマーク結果はこのようになった。
ベンチマークソフトは
・Chinebench 11.5(32bit、64bit)
・3DMark11
・3DMark Vantage
・PCMark7
・HeavenBentimark
・FF XIV Official Benchmark
以上に加えて最大消費電力を測定するために
・OCCT
を使用した。

表中は伸び率20%以上を黄色、50%以上を赤色に、マイナスを青色にハイライトしている。
OCCTの最大消費電力テストについては消費電力が少ないほうをプラスとしている。


表の結果からするとCore i7 990XはPhenomII X6 1090Tに対して全体的にアドバンテージを示している。
特にCHINEBENCHはOpenGLで20%、CPUで60%の差をつけている点が目立つ。FuturMark系のベンチマークは世代が新しくなるほどその差を広げ、最終的に30%に迫る差をつけている。
やはり新しいベンチマークテストはマルチスレッドにより対応した物となっているのであろう。
逆にHeavenBenchmarkではなぜかスコアが逆転している。
主にGPUの性能を測るベンチマークとされているようだが、マルチスレッドには適応していないのかもしれない。
ハイパースレッディングのオーバーヘッドが邪魔をしてスコアを落としてしまったのであろうか?
FF XIV Official BenchmarkについてはLowでは50%に迫る差を見せつけているがHighは3.66%差とパッとしない。
恐らくGPUがボトルネックとなりスコアが伸びなかったのであろう。
最大消費電力はなんとこれだけの性能を持ちながら15%以上も消費電力が少ない。
32nmプロセスルールの省電力性が光る結果となった。



○オーバークロック
次はオーバークロックによるパフォーマンスの向上を見てみよう。

*********************************************************************
オーバークロック、またはダウンクロックは定格外の動作のためメーカーの保証が無くなり、パーツの破損のリスクがあります。
オーバークロック、またはダウンクロックを行う際には自己責任において行ってください。
*********************************************************************

カジュアルなオーバークロックを想定し、簡単な設定とするために倍率の変更のみで行った。
また、OCCTはCPU温度のリミットを80度とし、破損のリスクを下げている。
結果としては倍率の変更のみでは4.13GHzが限界のようだ。これ以上の倍率にして安定動作を狙うとするとCPUクーラーを能力の高い物に交換をし、電圧も掛けなければならないだろう。

CHINEBENCHでのスコアの伸びが素直に出ている点はクロックアップがスコア上昇にきちんと効いているということだろう。
4.13GHzでは10~14%伸びを見せ、クロック通りにリニアに上昇した。
FuturMark系のベンチマークはPCMark7がやはりスコアを伸ばしている。
HeavenBenchmarkはスコアが安定しない。このベンチマークはCPUの性能測定には向かないのかもしれない。
FF XIV Official BenchmarkはLowの伸びが良い反面Hkghのスコアは伸びない。
改めてGPUがボトルネックになっている事が浮き彫りになった格好だ。

そしてここで注目したいのはOCCTのCPU温度リミットオーバーだ。
80度というCPU温度は高負荷時としてはそれほど高い物では無いが、990Xのスペック表に掲載されているTCASE(CPUパッケージの許容温度)の67.9度からすると12度ほど高い。
そういった点からするとオーバークロック動作をするには付属クーラーでは冷却能力は足りていないようだ。
迫力満点の大きなクーラーだが・・・意外とCPU自体の冷却能力には疑問が残る結果となった。



○省電力設定
最後に省電力に振った設定をして効率の良い設定を探ってみた。
今回の設定も手軽に出来る設定を想定し、倍率の設定とコア電圧の2点にしぼりベンチマークが通る設定を採用している。
SpeedStepの電圧降下はあまり電圧が下がると不安定になるため、Low Voltage Dropとした。
12スレッドCPUという点、またスコアが安定して出るという点からCHINEBENCHでスコアを取得し、OCCTで最大消費電力を測定した。
1ワットあたりのパフォーマンスは32bitと64bitのOpenGLとCPUスコアを定格からの比で算出し、平均を取った物を消費電力で割った物とした。
わかりやすいように1Wあたりのパフォーマンス比が良い物を黄色くハイライトした。
尚、定格の倍率はTurbo BoostがONであるために27倍の36000MHzとなっている。

結果は定格から少し電圧、クロックを落としたあたりが一番効率が良いようだ。
最大消費電力も定格の390Wから数十Wオーダーで削減が出来る。
簡単な設定で5~60W程削減ができるのでなかなか悪くはないのではないだろうか。
電力消費量のピーク時間に合わせて設定すれば節電とパフォーマンスの両立が出来そうだ。




○総括
Core i7 990Xの最大の特徴はその性能の一言に尽きる。
そして最大の弱点はその価格だろう。
AMDのPhenomII X6に対して今回の検証では最大6割以上の性能差と最大15%の省電力性に対して、7万円に迫る価格差※以上の価値を見いだせるかがポイントだ。
そしてメモリが3枚必要なこと、内蔵グラフィックを搭載しないこと、マザーボード自体が高価であること等々、プラットフォーム自体も高価になりがちなため、その価格差はさらに広がるのは言うまでも無い。
まさに必要な人のためのニーズに向けた最強のコンシューマ向けCPUといったところだろうか。

※AKIBA PC Hotline! 2011/08/19付け調査より引用
・Core i7 990X 85580円
・PhenomII X6 1090T 15970円
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20110820/p_cp...


それでは、これで私infychanのCore i7 990Xのプレミアムレビューを終わる。
最後まで読んで頂きありがとうございました。



                            infychanプレミアムレビュー

コメント (16)

  • ガトーさん

    2011/08/16

    CPUクーラーすげぇぇぇぇwwwwww
  • infychanさん

    2011/08/17

    リテールとしてはダンチでデカいですよw
    最近のSandyBridge用3コ分くらいありますw
  • リーダーさん

    2011/08/20

    リテールのクーラーでコレかあああ!

    つか、画像Coooooool!!
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