レビューメディア「ジグソー」

最高の画質を静寂の中で。ゲームへの集中をとぎらせない“Silent Air Cooling”

PCのディスプレイは2000年代後半に急速にフルHDサイズ(1920×1080)が標準となってきたが、それらは画面サイズ20インチ前半(22~24インチ)。それ以前のスクエアな19インチ画面に比べれば広いとはいうものの、主に横方向の情報が広がっただけで、縦方向はSXGA (1280×1024)からならわずか56ドット、5%程度しか広がっていない。映画などを観る際は人間の視野は左右に広いのでそれで問題ないが、縦に長い書類の閲覧や、フォーマット上縦に長くなりやすいWeb画面にはやや適していなかったというのが実情だ。それでもなかなかWUXGA(1920×1200)以上のものが出てこなかったのは、解像度が細密なディスプレイが効果だったことと、それに見合うビデオ機能が揃っていなかった事による。映像を単に流すのであれば、Intel HD Graphics系でも2560×1600などの出力も可(Intel HD Graphics 4400、4600ならば4096×2304ですら可)。

しかし、ゲームなどを高細密に,影などを即時計算しながら描き出すのはせいぜいフルHD迄が見るに堪えるレベル。それを超えると非常に質が落ちていた。

ビデオカードを積んでも、GeForce GTX 580の頃までは2560×1600が最高。

そんな状態がさらに進化したのはつい最近、27インチクラス以上のFullHD解像度以上の画面が手が届く価格帯に降りてきたのと時を同じくする。
最大2560✕1600(WQXGA)の解像度をデュアルリンクでのDVI デジタルで、DisplayPortとHDMIでは実に3840✕2160(4K UHDTV)をサポートするハイエンドカードが「ELSA GeForce GTX 780 S.A.C」。

使用するGPUはnVIDIAのフラッグシップチップ、GeForce GTX TITANの系譜“GK110コア”のディチューン版、GeForce GTX 780。Streaming Processorsを14から12に減らし、ビデオメモリを半減(6GB⇒3GB)、その代わりとして動作周波数を多少引き上げたのが、「GeForce GTX 780」。破格の性能と飛び抜けた価格を持つTITANに対して、「ハイエンド」に収まる価格に抑えたものがGTX 780。
デュアルリンクのDVI-IとDVI-D、HDMIにDisplayPortという4系統出力。
デュアルリンクのDVI-IとDVI-D、HDMIにDisplayPortという4系統出力。
しかしそのチップを使いながらさらにクロックをあげてオーバークロック仕様とするのがこの「ELSA GeForce GTX 780 S.A.C」。実にベースクロックがリファレンスの863MHzから901MHzへ、ブーストクロックは同じく900MHzから941MHzへとそれぞれ4%ほど高められている。4%と聞くと「たかだか」という感じもするが、リファレンスボードのブーストクロックを本品のベースクロックが上回っている、と読み解けばスゴイ上昇率だ。これはつい最近出た上位GPU=GeForce GTX 780 Tiのリファレンスボードの動作周波数、ベースクロック875MHzでブーストクロックが928MHzという数字さえ上回っているのだ。

さらにELSAには、「ELSA GPU Optimizer」と呼ばれる「GPU管理ツール」が用意される。これは「初期設定モード」と「パフォーマンスモード」、「エコモード」の3つをボタンひとつで切り替えられる機構だ。今回はゲームと言うことで「パフォーマンスモード」を評価してみた。

3DMark

を「初期設定モード」と「パフォーマンスモード」で比較した。
ついに1万越えを記録。
ついに1万越えを記録。
いずれもスコアが上がっているが、グラフィックボードのツールらしく、GPUにのみ効いている感じで、「Physics Score」は誤差範囲。しかし、「Graphics Score」は明確な上昇で1万越え。GPUの性能向上はM/Bのパフォーマンス調整ツール、「Gaming App」よりも効果が高い。

ELSAはnVIDIAリファレンスデザインの「ELSA GeForce GTX 780」もラインアップするがそれは定格クロック版。この「ELSA GeForce GTX 780 S.A.C」との差は冷却機構にある。型番最後の「S.A.C」は「Silent Air Cooling」の意で、4本のヒートパイプと組み合わされたフィンに、大径のトリプルファンを組み込んだことにより実現されている。
3連ファンが高い性能を暗喩する。
3連ファンが高い性能を暗喩する。
この「S.A.C」、秀逸。
ファンの下にはぶっといヒートパイプとぎっしりと冷却フィンが敷き詰められる。
ファンの下にはぶっといヒートパイプとぎっしりと冷却フィンが敷き詰められる。
非常に静かで、ケースを開けたまま使うと多少風切り音がするが、密閉型のケース(Abee AS Enclosure M2)ではほとんど音がかき消される。回転音は皆無に等しい。騒がしいBGMが鳴り響くシューティングゲームならば、多少の騒音は問題ないが、ブッシュに身を潜め、廃墟に待ち伏せするタンク戦では静かさは臨場感を高める。

戦場を吹き抜ける風を聴きながら、敵を待つ。美しい絵と静かな環境でWorld of Tanksの世界を体感しよう。

【仕様】
GPU:NVIDIA GeForce GTX 780(CUDAコアプロセッサ2304コア)
作動周波数:ベースクロック901MHz、ブーストクロック941MHz
メモリ:GDDR5 SDRAM 3GB
メモリI/F: 384bit
メモリデータレート:6008MHz
バス:PCI-Express x16 (PCI-Express 3.0対応)
最大消費電力:265W
電源コネクタ:PCI-Express 8ピン電源コネクタ×1、PCI-Express 6ピン電源コネクタ×1
搭載コネクタ:デュアルリンクDVI-I×1 、デュアルリンクDVI-D×1 、DisplayPort×1 、
HDMI×1
外形寸法:290mm x 111mm x 42mm (2スロット占有)
対応OS:Windows 8.1 / 8 (32bit / 64bit)、Windows 7 (32bit / 64bit)、Windows Vista (32bit / 64bit)、Windows XP (32bit / 64bit)

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