レビューメディア「ジグソー」

World of Tanksの世界を訪問するのに「待たせない」OS。瞬速起動のMicrosoft Windows 8.1

cybercatが今まで使ってきたOSはすべて企業用のエディションである“Pro(fessional)/Business”となる。
いわゆる企業用と一般消費者用で何が異なるかというと、ドメイン参加ができるとかWindows XP Mode(7 Professional)やHyper-Vで別OSを動かすことができる、サポートするCPUソケット数が多いなどの差があるが、一般的な使用で最も影響を受けそうなのは最大RAM容量。使用可能メモリの4GB制限が外れた64bit版Windowsの最大RAM容量は、Windows Vistaでは家庭用のHome Premiumが16GBなのに対してBusiness(以上)は128GB、Windows 7ではHome PremiumはVistaと同じく16GBだが、Professional(以上)はさらに拡張されて192GBとなっており、近年のメモリの大容量化の恩恵を受けることができる。2014年8月現在、8GBのメモリモジュールは1枚10,000円前後から入手できるようになっており、コンシューマーでも4スロット装備のM/Bに16GB超のメモリを載せることが非現実的ではなくなってきている。

そういう意味ではこの最大RAM容量が、Windows 7以前は企業向けOSを購入する大きな理由となっていた。

ただし、Windows 8/8.1ではこの制限が緩和され、企業向けのWindows 8/8.1 Pro(以上)の512GBと比較すると、まだ差はあるものの、無印のWindows 8/8.1でも128GBをサポートし、メモリの最大容量を理由に企業用OSを選択する必要がほぼなくなっている(一般的にメモリが128GBまでサポートされれば、それ以前にM/B側のサポートするメモリ最大容量を超える)。

そういう意味では、VHDブートやHyper-Vといった仮想化技術を使ったり、リモートデスクトップのホスト側として使用することがなければ、あえて“Pro”である必要性が薄れたと言える初めての非企業用OSだ。

2014年8月現在の64bit DSP版の無印とProの価格差が5千円ほどあることを考えれば、あえてPro版を選ぶ必要があるかはよく考慮する必要がある。

今回World of Tanksプレイ用のゲーミングPCのOSとしてのWindows8.1の優位性を見てみよう。
実際の動作自体は「カルいOS」であるWindows 8系の動作できびきびと動く。まず起動が速い。構成が同じではないので比較が公正ではないが、超低電圧版とはいえIvy Bridge世代のCore i7ブランドのCore i7-3770T

を積み、A-DATAのS511シリーズのSSD

でISRT設定したWindows 7を搭載したキューブ型ベアボーン「SZ77R5」

の起動速度と比べるとやはり速い。ISRTのPOST表示の画面を計算に入れないでも、POST画面が消えてからゲームののガレージ画面までの到達が、Windows7機の約75秒に対して、Windows 8.1を用いた今回の構成(欄外に構成表記)だと55秒であり、ストレスがない。特にWindowsのPW入力画面までの所要時間が1/3、PW入力後デスクトップ画面が立ち上がるまでが1/2と圧倒的な速さで、これはWindows 8から採用された「高速スタートアップ」が効いていると思われる。今回構築したPCは構成がシンプルで周辺機器・パーツの認識に時間がかからないアドバンテージがあるが、同じWindows 8.1系のOSを積んだ周辺接続機器てんこ盛りのメインPCがやはりデスクトップ画面の表示までがWindows 7機に対して速く、Windows 8系OSの優位性を示した。
一番差がつくのがWindowsのパスワード(PW)入力画面まで
一番差がつくのがWindowsのパスワード(PW)入力画面まで
ゲーミングPCにとってもっとも求められることは、このストレスのなさだ。ゲームをする前からイライラしては良い成績を残せない(イライラしていなくてもよい成績が残せるとは限らないがw)。そんなゲーミングPCを構築する際、特に起動の速さに重きを置いてチューニングされたこのOSは大変適している。

このOSの乗ったPCでWorld of Tanksを楽しもう!
もう一般的用途なら「Proなしでも充分?」
もう一般的用途なら「Proなしでも充分?」
【ゲーミングPC構成】
・CPU:Intel Core i7-4790K(Devil's Canyon、4C8T、4.0GHz、TB時4.4GHz)
・CPUクーラー:Intel Core i7-4790K純正
・M/B:MSI Z97 GAMING 5(LGA1150)
・メモリ:CORSAIR VENGEANCE LP CML8GX3M2A1600C9W
・VGA:ELSA GeForce GTX 780 S.A.C(901MHz(BC941MHz)、メモリGDDR5 3GB、6,008MHz)
・システムドライブ:Intel SSD 520 120GB SSDSC2CW120A3K5
・光学ドライブ:未搭載
(OSインストール時にはLogitec USB接続BDドライブLBD-PME6U3VBK使用
・サウンドカード:未搭載
・カードリーダー:未搭載
・電源:Seasonic SSR-650RM(80 PLUS GOLD、出力 650W、+12V 54A×1系統)
・ケース:Abee AS Enclosure M2

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