一応、PC-9821シリーズとして最後に販売されていた機種は、Celeron(Mendocino)433MHzを搭載したPC-9821Ra433シリーズとなるのですが、これはPentiumII(Klamath)233MHz搭載のPC-9821RaII23とマザーボードの構成等は一切変わっておらず、BIOS等内部ソフトウェアの更新以外は行われていないものでした。
このPC-9821RvII26/N20は、PC-9821RaII23/N30と同時期に販売されていた製品ですが、Slot1のCPUを採用していたPC-9821シリーズとしては、RvII26/N20と、サーバー用途向け兄弟機のPC-9821RsII26/B20だけが全く別物のハードウェア構成となっていました。
Pentium Pro 200MHzを搭載したPC-9821Ra20/N12以降に発表されたP6系CPU搭載のPC-9821シリーズは、基本的にチップセットにIntel 440FXを採用しています。しかし、このRvII26/N20とRsII26/B20だけは、チップセットがRCC Champion 1.0(後のServerWorks ServerSet I)となっているのです。440FXを採用した機種の場合には、メインメモリは72P SIMMを2枚単位で増設するのですが、RvII26/N20やRsII26/B20では72P SIMMを4枚単位で増設する必要があるのです。コストはかさみますが、4chアクセスだけありメモリの帯域はSIMMを使う本体としては群を抜いていました。
また、通常多くのPC-9821シリーズではPCIスロットは2本だったのですが、RvII26/N20ではPCIスロットが3本使えることに加え、オンボードでUltra SCSIコントローラー(Adaptec AIC-7860Q)を搭載していたことから拡張性もワンランク上でした。ただ、SCSIコントローラーを標準搭載していながら、なぜか光学ドライブはATAPI接続のPDドライブでしたが。
CPUはPentiumII 266MHz(Klamath)を搭載していました。標準搭載は1基でしたが、スロットは2基用意されていて、同等のCPUとVRMを用意すればDual CPUでの運用も可能でした。ただ、Socket8採用の機種とは異なり、BIOSによるCPU IDの決めうち(厳密にはITFと呼ばれる部分)があり、無改造で搭載できるのはKlamathコアのPentiumIIだけでした。一部のパワーユーザーはITFを自力で修正することで、他のCPUにも対応させていましたが、これにはかなりの知識と技術が必要でした。この壁を乗り越えてTualatinコアのPentiumIII-Sを搭載していたRvII26は、文字通りPC-9800シリーズの最高峰にふさわしい性能を誇っていました。
ただ、私の場合は既に先代に当たるPC-9821Rv20/N20を使用していて、RvII26/N20の入手が遅かったこともあり、特別な改造は行わずに外部向けのWebサーバーとして活用していました。
標準状態からメモリーとHDDの増設とUltra 2 Wide SCSIホストアダプターの追加、ビデオカードの交換(標準搭載のMatrox MGA-2064W Millenniumを外し、formac製のRevolutionIV PCIを装着)を行い、OSをWindows 2000 Serverとした上でサーバー環境を整え、約2年間運用しました。
本体は特に問題なく動いていたのですが、連続稼働約2年で電源ユニットのファンが故障してしまいました。他の機種と異なり、背面の形状が特殊な電源であったため、今更コストと労力をかけてまで電源ユニットを修理するぐらいならと思い、結局Webサーバーを入れ替えて引退させてしまいました。現在も動作はしますが、電源のファンが動かないため発熱が大きく、長時間の使用には耐えられません。
もっとも、さんざん使われた後の中古品を購入して、約2年の24時間稼働でもこれといったトラブルを起こさなかった安定感はさすがでした。HDDがSCSI構成であったこともあり、体感速度も世代の割には良好で、性能的にはまだ入れ替えるほどの理由は無かったと思っていたほどです。50万円超えの価格は伊達ではないと感心させられた、フラッグシップにふさわしい機種だったといえるでしょう。
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購入金額
59,800円
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購入日
2003年頃
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購入場所
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