レビューメディア「ジグソー」

使い方にクセはあるが、バックアップスキームが多彩で面白い

現メインPCの復旧作業に合わせて、どうせ3RAIDアレイ中ふたつのアレイ(ともにRAID 1)が崩れたのであれば、すべて組み直して容量増量化するかと、崩壊しなかったシステムが入ったRAID 0アレイも交換・増量すべく、RAID対応のディスククローンとパーティション操作が確実に出来るソフトを探した。それが先日レビューしたMiniTool Partition Wizard Pro Ultimate

なのだが、メインPCとして引っ張る以上、今後もさらなるストレージ増量&換装や、パーティションの切り直しがありそうなことを考えた時に、サブスクし続ける必要がある年払いではなく、使用期限がない買い切りの方が良い。しかし、最上位グレードしか永続使用権版は選べず、5PC分とは言え国内正規価格24,200円は安くはない。

 

そこで、このソフトを安く売っているところがないか調べていたら、古い情報だがクーポンが適用されていた時期があったのを発見した。

 

そこで現在適用されているクーポンもしくは現在行われているMiniTool Partition Wizard Pro Ultimateのセール情報がないか探したところ、あるセラーがMiniTool全体のセールをやっていた。面白いのが、1日5回限定の福引きを引いて、その福引きの結果の割引・特典が得られるというモノ。そして、次のを引くと前のは使えなくなると言う仕組み。

 

セール内容は結構豪華で、特定の商品が半額だとか、MiniTool Video Converterの年間サブスクリプション(国内価格税込11,110円)が無料だとかなどの大きなものも含め、様々な特典があった(福引きなので、ハズレ?にはサブスク製品ひとつ5%OFF等のように(大当たりに比べると)ショボいのもある)。

 

何回か引くうちに、年間サブスク費用が国内価格税込13,530円のデータ復元ツール=MiniTool Power Data Recovery使用権1年分などの「大当たり」も出たのだが、2回目に偶然出たのが後から考えると一番良くて、結局3日連続で引き直し、合計13回目だか14回目だかに同じのが出たので、それを購入した。

 

それが、Partition Wizard + ShadowMaker Ultimate Bundle。

 

MiniTool Partition Wizard最上位のPro Ultimateと、バックアップツールMiniTool ShadowMakerの最上位Pro Ultimateがセットになったバンドルが、149.99ドル(消費税抜き)で購入できるというもの。当時のレートで計算すると、日本のサイトからMiniTool Partition Wizard Pro Ultimateの単品を買うより高かったので、最初に出た時はスルーした。しかし、今回の不意の事故によるデータ消失の危機のようなリスクを軽減しようと、バックアップソフトはいずれ購入しようと考えていたので、「買うつもりだったクローンソフト+数百円の負担で、強力なバックアップソフトが3ライセンス買い切りで手に入るならむしろ安い?」と思い直し、再び出るのを狙っていたワケ。

※この時の会計処理(請求書上)としては、以下の通りで結局半額以下。

 Partition Wizard + ShadowMaker Ultimate Bundle ¥  49,545

  MiniTool Partition Wizard - Pro Ultimate         ¥    0

  MiniTool ShadowMaker - Pro Ultimate       ¥    0

                   ディスカウント ¥ - 27,250

                        小計 ¥ 22,295

                   消費税 (10%)  ¥  2,230

                        合計 ¥ 24,524

 ※計算1円合わないが、たぶん四捨五入の問題。最終請求額は合計額(24,524円)だった。

 

このとき購入したUltimate Bundleは両ソフトとも最上位のPro Ultimateのセットだったのだが、MiniTool ShadowMakerにも、MiniTool Partition Wizard同様いくつかのヴァージョンがある。

 

まず無料のお試し版なのが、MiniTool ShadowMaker Free。これ制限が多く、まずシステムディスクのクローンは出来ない。また、差分バックアップやリモートバックアップ、バックアップの暗号化などが出来ず、いざというときのレスキューに使うWinPE起動による操作も復元操作のみしか出来ない。ただ、「マニュアル操作でバックアップとその復元を行う」ということに限れば、対象がシステムであろうが、ディスク単位であろうが、パーティション単位であろうが、ファイル単位であろうが問題なく出来るのは「お試し版」としてはかなり優秀。

 

次がPro系なのだが、MiniTool Partition Wizardと違って、Pro系はすべてフルヴァージョンで機能は同じ(厳密にはこの上に、Windows Server対応のBusinessヴァージョンがあるが、通常のWindowsでよければ、Pro=全機能無制限版)。それぞれ契約条件とインストール可能台数が異なり

・Pro(サブスク月次支払い):税込2,200円/月、1PC用

・Pro(サブスク年次支払い):税込5,478円/年、2PC用

Pro Ultimate(買い切り):税込12,045円、 3PC用

という感じ。 

 

一瞬だけ必要なら月払いProだが、3ヶ月以上継続するなら年払いが、2年3ヶ月以上継続するなら買い切りのPro Ultimateがコスト優位性がある。ただ、バックアップソフトを「一瞬だけ使う」ということは考えづらいので、結局Pro Ultimateで良い気がする(SSD(HDD)挿し換え時にクローンを作る用途ならパーティション操作も出来るMiniTool Partition Wizardの方が優れているのだが、出来ることが多くて高額なので、同サイズのHDD⇒SSD化に一瞬有料版のMiniTool ShadowMakerのディスクローン機能を使って、あとのメンテは手持ちの別のバックアップソフトを使う...というようなレアケースは考えられなくもないが)。

 

...というか、同じMiniTool製のソフトなのに、ShadowMakerPartition Wizardとは一部機能がかぶっている。ディスククローンを作るだけなら、どちらも同じ。OS入っているディスクのクローンが有料版でしか出来ないのも同じ。一方細かいパーティションの切り直しやパーティション属性の変更、ドライヴレターの変更・付与/削除などはPartition Wizardしかできない。一方、フルディスクコピーだけではなく、ファイル単位、パーティション単位のスケジューリングも含んだコピー/バックアップはShadowMakerの機能。

 

OSが壊れて起動できなくなったときに、PCのシステムを使わない、ブータブルメディアのWinPEで立ち上げてのファイルコピーはどちらも出来るが、WinPE起動後にできることに差があり、ディスクやパーティションの操作なのがPartition Wizardで、バックアップや同期はShadowMaker

 

主な共通機能は「(有料版は)OSが入ったディスクのクローンが作れる」ということだが、ディスク操作ユーティリティの一部として「SSD(HDD)のクローン機能」を持つPartition Wizardと、バックアップ機能の一種として「SSD(HDD)のフルコピー(クローン)機能」を持つShadowMakerという、それぞれ独立したソフトが、違う視点から機能を増やすように手を広げていった結果、たまたま重複した領域ができた感じ。

機能比較。クローンなど一部かぶっているが、バックアップソフトとディスクユーティリティ。
機能比較:バックアップソフトとディスクユーティリティだが一部重複(クリックで拡大)

 

結構価格と機能が違うので、「OSディスクのクローンがやりたい」というのが一番の目的なら、そのあと自分の使用したい機能が多い方を選ぶのが良いのかも。

 

そのMiniTool ShadowMaker Pro Ultimate、使い勝手は「わかると難しくない」というレベル。同じ会社のPartition Wizardの方が、遙かに使いやすい。あちらは「直感的にわかる」レベル、こちらは「触っていくと、まぁ理解できる」程度。

 

初期画面のディスクの一覧も、自分のように複数のドライヴを使っていると、同じ容量のものも出てきて判別しづらいし、あとから構成を変えたような場合、ディスクの表示順がドライヴレター通りに並ばないので、いちいちフォーカスあてないと、どのディスクがどのストレージを表しているのかわからない。

起動時の画面構成
起動時の画面構成

 

ファーカスしないとドライヴレターが出ないので、同じ容量があるとわかりづらい。
フォーカスしないとドライヴレターが出ないので、同じ容量があるとわかりづらい。

 

バックアップする時は、多くのバックアップソフトは、どの“ディスク/パーティション/フォルダ/ファイル”を“どこに”バックアップするのかを、最初に設定していくものだと思うが、このソフトは最初にデフォルトで入っている設定を「変えていく」設定法(デフォルトは「システムを含むディスクを」「一番空き容量の大きなディスクに」「専用のフォルダを作って」バックアップするというものなので「」内が一つでも番うと設定をし直す形)。スケジューリングのページも、そのページに遷移しただけでは操作できなくて、ちょっと離れた位置にあるボタンを「ON」しなければ設定出来ない。あと設定確認画面のようなものもないので、ちゃんと設定できているのかを調べるすべがない。ちょっと今までの他のバックアップソフトの操作性と感性的に差があって「ん?」となる。

デフォルトでターゲットも保管場所も勝手に選ばれている。
デフォルトでターゲットも保管場所も勝手に選ばれているので設定を変える方式。

 

スケジュールはこのボタンをオンにすることで...
スケジュールはこのボタンをオンにすることで...

 

初めて使えるようになる
...初めて使えるようになる。

 

ただ慣れればマァマァ使いやすい(スケジューリングの部分はそれでも使いづらいが)。

完全、増分、差分の3パターンのバックアップ方式があるが、その図示もわかりやすいとは言えない。
完全/増分/差分の3パターンのバックアップ方式があるが、その図解もわかりやすいとは言えない。

 

一方(Pro版以上に)用意されている機能としては申し分ない。複数代履歴が残せるが、ファイルには直接アクセスできない(アクセスするには「復元」作業が必要な)「バックアップ」と、1世代しか残せないがファイルに普通にアクセスできる(つまり単なるファイルコピーの)「同期」を組み合わせて、スケジューリングでPC起動時に「同期」、終了時に「バックアップ」を取っておく等すれば、その日立ち上げてからの作業で間違って消してしまったファイルは「同期」でコピーが取ってあるのですぐに元に戻せるし、数日前に戻ってやり直したい場合は、該当日の「バックアップ」から戻して復元できる。この体制ならバックアップソフトとしては結構鉄壁。

 

特記すべきこととして、Partition Wizardと大きく違う点に、「ユニバーサル復元対応」がある。これはバックアップを取ったPCとは別のPCにバックアップ元PCの内容を復元すること。Partition WizardのOSディスククローンはあくまで同一PCのSSD差し替えや容量アップをするためのもの、ShadowMakerの方は本体故障時や買い換え時の前環境再現にも力点が置かれている。

 

あと、5PCのライセンスMiniTool Partition Wizard Pro Ultimateと組み合わせで売られるのが、3PC用MiniTool ShadowMaker Pro Ultimateって、ちょっとアンバランス...と思ったが、これは「リモートコンピューターの管理」で多くの場合解決できる。同じネットワーク上にあるPCのIPアドレスを入れることで、そのPCの中のファイルのバックアップが出来るようになるのだ。このときは相手先のPCにもMiniTool ShadowMakerのインストールが必要だが、それはFree版でよい。そのため所有台数分ライセンスを消費することはない。なおリモート操作なので、すべてOSはPro(もしくはEnterprise)...最低限ホスト側はリモートデスクトップのホスト側機能があるPro版以上が必要なのかどうかは不明(自環境は、稼働中PCすべてPro版なので検証できない)。

リモートバックアップの機能で、他PCもバックアップ可。
リモートバックアップの機能で、他PCもバックアップ可。

 

この機能を使えば、メインPC1世代あたりShadowMakerの有料版ひとつで済む(ハズ)。このリモートバックアップ機能があるので、原則対象のPCにすべて有償版のインストールが必要なPartition Wizardとは、ライセンスあたりのインストール可能PCがズレてても良いのかな。

※なお、MiniTool社のライセンスのインストール可能数は1台ではなく1PCというカウント。例えばDVDfabの様に「使わなくなったライセンスを無効化登録すれば再利用できる」わけではなく、「PCに紐付くライセンスで移せない」らしい。ただ、自作PCになどで大きく構成を変えた場合、どうカウントするのか、なにに紐付けてカウントするのかは不明。

 

ちょっと使い方にクセはあるけれど、使い慣れればかなり優秀なバックアップソフト。ひと月2,200円で体験できるので、試してから導入もアリ!自分としては購入経緯から、Partition Wizardの「オマケ」的期待度で、「使えればラッキー」程度だったのだけれど、良い意味で裏切られた高機能バックアップソフトです。

 

【仕様】
ハードウェア要件:

 プロセッサ:Pentium1GHz以上

 RAM:1GB(32ビットOS)、2GB(64ビットOS)

 空きディスク容量:1.5GB
対応オペレーティングシステム:

 Windows 7 / 8 / 8.1 / 10 / 11
対応ファイルシステム:

 exFAT、FAT16、FAT32、NTFS、Ext2/3/4
対応ストレージメディア:

 HDD、SSD、USB外付けディスク、ハードウェアRAID、

 ネットワークアタッチドストレージ(NAS)、ホームファイルサーバー

更新: 2025/06/18
使いやすさ

同じ会社のPartition Wizardに比べると、「直感的」ではない

慣れれば、とくに「使いづらい」わけではないが、マニュアルレスだとちょっとつらい。

 

例えば、よくあるバックアップソフトだと、バックアップの画面に入ったあとに「どこにある」「なにを」「どこに」バックアップするかという風に組んでいくのが多いが、最初からデフォルト設定がありそれを「変えて設定する」こと、スケジュール設定の画面に行っても、最初は何も操作が出来ないこと(最初にその画面でスケジュール登録を「ON」にする必要がある)など、ちょっと「ん?」という言う操作性。

 

とくに現状のスケジュール設定確認の画面がないのは使いづらいなー(バックアップ実績のページで、上手く設定が通っているかどうかを確かめるくらい?)。

更新: 2025/06/23
コストパフォーマンス

リモートバックアップを上手く使えば、手持ちの他のPCも操作できるので、悪くない

バックアップソフトとしては、永久ライセンスは3PC用とは言え12,045円とやや高いが、リモートバックアップ機能を上手く組み合わせれば、メインPCのみに有償版をインストールし、他はリモートで操ることで、自環境全体の数年(メインPC刷新のタイミングまで )を実質4,000円で乗り切れると考えれば悪くない...つか優秀。

 

ま、今回そもそも海外の購入店のセール(ルーレット)で、「Partition Wizard + ShadowMaker Ultimate Bundle」が24,524円になったのがきっかけで、国内価格なら24,200円のPartition Wizard Pro Ultimateを買う「ついで」に、324円でMiniTool ShadowMaker Pro Ultimateを買ったようなものなので、1PC108円と思えば、コスパはバリバリの激高だが。

  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    2025年02月23日

  • 購入場所

    FastSpring

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