Kindle で購入したので本の写真が無い。
実際の本の写真が無いため、とりあえずこの間食べたステーキ肉の写真を置いとく。 

前回読んだ「魚ビジネス」の本がかなり面白かったので、同シリーズであるこの本も購入。

「魚ビジネス」と同じ著者が書いているのではなく、小池克臣という方になっていました。
前が面白かったので購入したのですが、なんだか肩透かしをくらったかんじ。

この本は、肉業界における商業的側面、企業戦略、そして消費者のニーズにどのように応えているかを深く掘り下げており、肉に関するビジネスの全貌を理解することができます。

読んでみて、非常に興味深い洞察を得ることができました。

本書が特に魅力的だったのは、肉というテーマが非常に幅広く、産業規模や国際的な動向から、マーケティング手法や新しい肉のトレンドに至るまで、非常に多角的に捉えられている点です。著者は、業界内での競争や新たなビジネスモデルを巧みに説明し、肉が単なる食材である以上の意味を持つことを示しています。高級和牛をはじめ、産地や種類ごとの肉の価値、流通システムの違いなど、肉を取り巻く経済的側面に対する理解が深まりました。

また、肉の品質を追求するうえで重要なのは、ただ美味しさや見た目にこだわるだけでなく、それを支える人々や技術、さらには倫理的な側面にも触れています。著者が提唱する「肉の選び方」とは、単に味だけでなく、背景にある生産環境や労働の実情、サステナビリティに配慮することで、より質の高い食文化を享受できるという新しい視点を提供していると感じました。

僕自身、質の高い料理を体験することが好きで、一生に一度の体験ができる美食家になりたいと思っています。この本の中で紹介されている「セレブでプレミアムな肉体験」という部分に強く共感しました。高級肉の世界は、単なる食事を超えて、食材そのものの魅力を最大限に引き出す料理人の技術や、産地や育て方の違いが直接反映された一皿として、その価値を感じることができるからです。

『肉ビジネス』は、肉という食材がどれほど多面的で奥深い世界を持つかを教えてくれる本です。

肉に対する理解を深めるだけでなく、食の未来についても考えさせられる一冊で、ビジネス面、倫理面、そして消費者の視点を交えながら、肉産業の現状と可能性を知ることができました。肉好きの読者にとっても、食文化に興味がある人にとっても非常に有益で、考えさせられる内容が詰まっています。

美味しい肉の選び方と食べ方：食通への第一歩

本書で特に印象深いのは、「美味しい肉」とは何かについての考察です。和牛と国産牛の違い、部位ごとの特徴、さらには肉の旬まで丁寧に解説されています。例えば、和牛が美味しさを誇る理由には、肉質を決定づける温度や枝肉流通の精巧さがあるといいます。読了後、スーパーやレストランで肉を選ぶ際に自然と目が肥えた自分に気づくでしょう。

さらに、「焼肉のタレは店の命」という言葉は、単なる調味料ではなく、肉の旨味を引き立てるアートであると再認識させられました。自宅での焼肉がワンランク上がるヒントも満載です。

世界が求める和牛の魅力

和牛が「柔らかさ」を求める海外市場で評価される背景も興味深いポイントです。脂質やサシの繊細さが特徴の和牛は、まさに「食べる宝石」。しかし一方で、輸出を支えるビジネスの課題も浮き彫りにされ、SDGsや冷凍技術の進歩など、肉産業が抱える未来像が具体的に語られています。著者のリアルな視点が、単なる憧れだけでなく現実的な視点での評価を促します。

食に対する情熱をかき立てる一冊

小池氏の著書は、「見て聞いて満足するな！肉は食べなきゃ何も分からない！」という信念そのもの。読者特典の「一生に一度は行きたい店リスト15選」を手に、すぐにでも肉の旅に出たくなります。

この本を通じて、肉を食べることの喜びとそれを支える文化の深さを知ることで、日常の食卓が特別な体験へと変わること間違いありません。「肉ビジネス」は、美食への第一歩を切り開く教科書です。

著者である小池克臣（こいけ かつおみ）氏は、普通の会社員にもかかわらず肉好きが講じて SNS で話題になっている人だそうです。その発信力、コンテンツ内容から日本のビジネス界でも広く認識されており、特に肉業界における専門知識と深い洞察で知られています。

マーケティングやプロモーションにも精通しており、肉関係の著者としても評価されています。

特に注目すべきは、肉業界における事業展開に関して独自の視点を持ち、肉の品質や食文化を深く理解し、それをビジネスの視点から分析する能力に長けています。また、業界の動向や消費者のニーズの変化を鋭く見抜いています。

『肉ビジネス』という著書においては、肉を単なる消費財として捉えるのではなく、それに関わるさまざまな要素（品質、流通、消費者の志向）を深く掘り下げ、業界内外の動きを俯瞰的に解説しています。そのアプローチは、肉業界に興味がある読者のみならず、ビジネス戦略に興味がある人々にも広く受け入れられると思います。

小池氏の特徴的な点は、単なる業界分析にとどまらず、消費者の食に対する考え方や価値観を重視し、その変化に対応する形で肉ビジネスを進化させる方法論を示しているところです。彼は肉業界の将来に対しても楽観的な展望を持ちつつ、現実的な課題についても真摯に向き合い、ビジネスの成長を目指している姿勢が伝わってきます。

本のタイトルからただの食肉解説書のように思えてしまうのですが、そうではありません。

焼肉やステーキを愛する著者が、肉そのものの本質を掘り下げ、美食家にもビジネスパーソンにも役立つ「肉の教養」を提供する一冊です。