レビューメディア「ジグソー」

あの時代を感じる美しいラージクーペ

※レビューというかめっちゃ長い車自慢

 

今乗っているGYアテンザは免許取得後ペーパードライバー期間を挟んだ後初めて入手した車だがここに書いてる内容の時点で購入後9年経つがとても気に入っている。自分が車に求める要素の殆どを80点以上満たしている感じで、乗り換えるビジョンが見えなかった。


そして子供の頃の憧れだったオート三輪も思った以上に早く手に入れてしまった。入手して数年未だに敷地内移動がチョトできる程度で路上復帰へのハードルは高いが所有するだけでも結構満足している。


だが一方で燻っているもう一つの夢があった。オート三輪が幼稚園~小学校低学年の頃の鮮烈な印象からの憧れである一方、中学生の頃は「グランツーリスモ」や「首都高バトル」といった実車登場のレースゲームにハマっていた。その時ゲームで使っていた車に乗りたいというもの。

良くも悪くも初手のアテンザが自分に合いすぎていたがために乗り換えられない。最終目標だったオート三輪も抱えてしまった。十分贅沢だ。でもやっぱり諦めきれない。ゴールに行くのがチョトハヤイ。

 

しかしそれらゲームに出ていた時代の車は当然今乗っているアテンザより一回り古い。更に折からの旧車ブーム、アメリカの25年ルール&円安、コロナによる車両不足による全体の相場上昇と重なって、車種によるがとてもじゃないが手を出せる値段じゃない。年式が年式だからその後のことも考えて余裕を持つ必要がある。


とはいえ自分はAT狙いなのでまだギリギリなんとかなりそうなものもある。
自分も親族も急にどうにかなるかもしれない。今を逃したらどうあがいても無理になりそう。

オート三輪は暫く「保持」という形になってしまうが本気で「そういう車」を探し出したのが2022年末くらいだった。

 

その本命だったのがユーノスコスモ。グランツーリスモ1・2や首都高バトル2・0といった自分がハマったゲームで収録されれば確実に使っていた車。ゲームで初めて存在を認識した(というかそれまでRV車以外の車は疎かったので大半のスポーツカーはGTで認識したのだが)のだがそのシンプルながらも高級感のあるスタイリングに惚れた。また当時近所で所有している家があり現物を見れたのも大きかったのだろう。


他の候補車について書き出すともうレビューとして無関係すぎる内容が更に増えるので割愛するが、2023年内に自分の予算内かつ要件が整った個体が出なかったら別のクルマに行く予定だった。

そんな中自分の要件をほぼ満たす個体が2023年8月に出てきてくれた。近場ではないが新幹線停車駅の為アクセスがいい長野県の上田市にあるFreeStyleというお店。

http://www.freestyle7.com/


現車確認したら買っちゃうだろうなと思いつつ見に行ってしまい、災害級の暑さの中現車確認をして、案の定ハンコをポンとしてきてしまった。
今回車検取得してからの納車となるので、そこから故障部分の修理等で半年程経った2024年3月ついに来た。FreeStyleさんは親切にしてくれて車の現況もしっかり教えてくれて近所だったらずっとお世話になりたいお店だった。遠いのが惜しい。

納車までに半年かかったのは納車前にスピードセンサー故障が判明し現物修理となったからだが、どうせ時間がかかるからとユーノスコスモ定番の故障ポイントであるTCSとATコントローラーのコンデンサ交換も納車前整備扱いでやってもらえた。FreeStyleさんありがとう。

何が起きるか判らないかつ部品の供給がシビアな希少旧車なのでアテンザはそのままの2台持ち(+車検無しカー)。生活削る。ガリガリに削る。正気じゃない。でも今逃したら乗れなかった。一度しかない人生、買ってよかったんだ(言い聞かせ)。

更新: 2024/11/18

現車 (13B Type-S) について

さてユーノスコスモはざっくり言うとグレードが2系統(ラグジュアリーのType-EとスポーティのType-S/SX)、エンジンが2種類(2ローターの13Bと3ローターの20B)、更にCCS(当時世界初のGPSカーナビを主体とした統合電子システム)の有無といった感じのグレード分け。設定されない組み合わせもあるがまあとにかくそんな感じだ。
また年式的には前期(1990/3~)・後期(1994/3~)と分けられるが、細かくわけると中期(1991/9~)もある。

今回買っちゃった☆な個体は93年式の細かく分ければ中期型(大まかなら前期型)のType-S、13Bエンジン搭載車。13BのType-S…つまりコスモの中では一番お手頃価格だったモデルなのだが、当時のお値段は330万円だったそうな。

カラーは中期にのみ設定されていたパッションローズマイカのツートン。後期になるとモノトーンになる。

 

実はこの13BのType-Sというのが自分の要件だった。

ラグジュアリーのType-EとスポーティのType-S、完全な上位下位ではなく(そりゃType-Eのほうが全体的に装備がより豪華だが)、それぞれに性格付けがされているのだが、インテリアのカラーがType-Eだとベージュ、Type-Sだと黒基調になる。ぼく黒がいい!更に30年も経っている車なら特に電気系装備は少ない方がいい。何が壊れる(壊れてる)か判らない。

 

そして13Bと20B。結局コスモにのみ搭載された20Bはエンジン自体の希少性もあり中古相場も跳ね上がる。貴重な20Bはよりお金を注ぎ込める人にお任せしよう。

という訳で一番コスモの中で一番シンプルというか部品点数が少ないのが13BのType-S。車重も唯一1.5tを切る1490kg。余談だが重量税は1.5tが区切りなので13BのタイプSのみ安い。ついでに言うと排気量は換算2L扱いになるので税金面だけ見ると2.3L&1470kgのアテンザより安い。ちょっとおもしろい。

 

そしてこういう年式のしかも希少車となるとエアロをはじめとしたカスタムパーツの入手は困難。個人的に純正でも社外でもエアロが欲しかったので、それを含めてある程度カスタムがされている車も要件だった。また自分の事だからできる範囲は自分で弄ったりするだろうから純正美車は気が引ける。

そういう面でもこの個体はベストで、大きなモノだとRE雨宮の前後エアロ&グリル、純正OPサイドエアロ&リアスポイラー、程よくREサウンドを楽しめるAutoexeマフラー、より低さを強調させる車高調、経年で不調&機能面で不足がでやすいオーディオの入れ替え(バックカメラ付き2dinカーナビ)、その他細かいパーツも組み込まれている。

ボンネットのカーボン柄はフィルム。タイヤもリアは255と太目。


美しいクーペといいつつちょっと走り屋よりのやんちゃ気味な弄り方なのがとても好み。恐らく前オーナーの感性と自分の感性が近かったのだろう。もし自分が00年代からコスモを手にしていたらこんな感じになっていたんじゃないかってレベル。エンジンもOH歴有、同時にATもリビルト交換歴有だ。

 

一方不安点としてはメーター交換もあり推定走行距離16万km(上記エンジンOHからは4万km)で各所にガタが来てそうなあたり。また直近1年間は車検切れで休眠(納車までの期間を含めると1年半)状態だったこと。休眠明けの古い車は色々壊れそう。

ただまあそれら不安点を考えてもここまで自分の希望にあうコスモは二度と出ないだろうということで…いやもうその辺考えずにハンコ押しちゃったよ。

更新: 2024/11/17
デザイン

外も中も美しいラージクーペ

個人的にハイライトはとにかくこの低くて長いデザイン。

写真だとサイズ感が判り難いがなんと4815mm。国産2ドアクーペでこれを超える全長はあと30ソアラくらいだろう[要出展]。その一方全高は1305mm。この車は車高調が入っているので1300mmを切っているだろう。

 

ボンネットがすんげえ長い。

その長いボンネットの奥に押し込まれる13Bエンジンはめっちゃ小さく見える。この個体は部品が無く仕方なくボンネット上にウォッシャーノズルを移植しているが本来はノズルもワイパー根本にありボンネットに突起のない美しいデザイン。

ドアもながい。

 

またドアミラーとAピラーを車体色に関わらずブラックにして存在感を少なくするのも一周回って現代の車で見る手法。先進的。

とにかくデザインと前席ありきなパッケージング。TypeEのようなバブリーな装備は少ないがこのパッケージングだけでも「時代」を感じられる。

灯火類もシンプルに見えて凝ったデザイン。テールのコンビネーションランプはレンズが3重構造だとか。

 

そしてインテリアのデザインは2020年代のクルマと言われても違和感がない程未来的。そりゃ細かいボタンやスイッチ類を見たら時代相応な部分がわかるが、このメーターから助手席、ドアまで全体を連続させたデザインは古さを感じない。

まあその分ちょっと90年代車乗ってる感が薄い感もあるがメーターの表示やスイッチ類でちゃんと古さを味わえるので安心(?)。

ちなみに前オーナーが木目シートを貼っているので木目が多いが本来はメーター下部のラインのみが木目というアクセント的な扱い。なので本来の姿だとより今風に見える。

更新: 2024/11/18
実用性

ロングツーリングが気持ちいい(経年故障が怖い)

実用性をどうこう言う車じゃないが、とにかく車体サイズに対して使える空間が少ない。ただ元の車体サイズが大きいのである程度はフォローされている。


前席の居住性はとても良い。乗降性も長いドアのおかげで悪くない。運転席も電動でサイドサポート等3か所を調整可能(Type-Eだと電動部位が増えて助手席も調整可能になる)。バケット寄りだがあくまで寄り。GR86やS660、ロードスターといったまさにスポーツを意識した車に比べるとやはりラグジュアリー。

前方向の視界も良い。ものっそ長いボンネットにさえ気をつければいい。但しデザイン上ナナメ後ろの死角は多い。
分厚いドアには大きな小物入れがあり、センターコンソールボックスと合わせて小物入れの容量はそれなり。但し時代が時代なのでドリンクホルダーは無い。


またグローブボックスは小さい。車検証入れもギチギチになるので自分は車検証は別所にしてシガーソケットアクセサリスイッチ用になっている。

 

トランクも買い物カート2個分くらいなら(物の組み合わせにもよるが)十分飲み込んでくれる。

高級クーペに生活感をあふれさすな。


但しトランクとリアシートの間に燃料タンクが位置するパッケージなので見た目ほどは大きくないしトランクスルーの類もない。

後部座席はあくまで2+2。実はイス自体はすっぽりつつまれるタイプのソファのようで結構いい感じ。ヘッドレストが折りたたみ式なのが凝っている。これだけならそれなりの時間も乗れそうな気がしてくるのだが、床面と座面の高さが似たようなレベルなレベルかつ前席のせいで足を伸ばせない。
頭上のスペースに余裕があるので頭をぶつけてしまうような車よりはマシ。

個人的に以前リアシートに乗せてもらったGR86よりはいいがGRヤリスよりはキツイといった感じ。

一方このすっぽり納める為のイスのデザインはカメラバッグや買い物カゴを放り込んでおくのにとても良い。荷物が転がっていかない。

 

またこの後部座席スペースのおかげで前席はかなり倒せるし、位置も下げられるので仮眠は十分とれる。

高級クーペで生活感をあふれさすな。

 

操作系は見た目よりコンサバ。アテンザもそれが魅力なのだが、自分でもびっくりするくらいアテンザとコスモで交互に乗っても違和感がない。相対的なペダル位置なんかも近いのだろう。
トランクと給油口はワイヤーではなく電動(そのせいで給油口は納車時故障していたが)なのだが、その電動スイッチがワイヤー式と同じような操作になるように押しスイッチと引きスイッチで作り分けているのも凝っている。今だったら同じ部品にしただろう。

リモコンドアロックもまだオプションの時代でこの個体にはついていない。ただ速度感応オートロック、停車時にロック状態で内側のドアノブを触ると自動でドアロック解除をするなど気が利いている。
各所のスイッチも標準的かつ扱いやすい箇所にあり思った以上に「普通」に乗れる。


やはり長距離ドライブが快適だしコンセプト的にもそれが主目的なのだろう。車高調で足回りが固まっているが、それでも振動の少ないREとトルコンATの組み合わせは滑るように走る。そして高速道路でもどこまでも加速しそうなパワー。ロングホイールベースと低車高ならではの安定感。

もちろん合流で踏み込めば13Bが一気に吹け上がり椅子に押し付けられるような加速も味わえる。ATでこれなのだからMTのREが回したくなる気持ちが判る。

専ら気になるのは経年車ならではの故障への恐怖なのだが、もし新車時&純正足だったらそれはそれは快適なクルーザーだっただろう。

 

コスモを買って初回の遠出が箱根だったのだが、実はそれが1人でドライブとしては距離も時間もアテンザ含めて過去最長。世間的には大した事がない距離なのだが自分は体力に不安があるのであまり遠出しないのだ。

コスモでの初の遠出という緊張感もあったはずだが帰宅時の疲労感は10年乗り慣れたアテンザと大差なかった。その後も車の調子には気を使うが運転に関しては自然体で乗れている。

 

また箱根の山道でも案外大柄さを感じない走り。こちらは車高調で固めた脚もいいのかもしれない。ただ自分の性格的なものもあるが高速道でも山道でもダラダラと周囲のペースにあわせてで流すのが気持ちいい。2ドア特有の大きな窓を全開にすれば開放感も中々。

流れている間は気持ちいいのだが、渋滞になると水温は上がるわエンジンの熱ががっつり室内に入ってくるわ。特に熱に関しては秋でも窓あけててちょうどいいレベル。もちろんエアコンはついているが、更に水温も上がってしまうので現代の夏には向かない。


そして経年車かつREなので気を使う。ちょい乗りは不向き、オイル管理は頻繁に等の扱い上の注意点も増えるなど、ところどころ人間の方が車にあわせてあげる必要がある。そういう意味でも趣味性の高い車だろう。

燃費は高速道路メインならリッター7km、街乗りや渋滞があると5km代に落ち込む。だいたい6km代で落ち着いている感じ。うちの近所は慢性渋滞が酷く、何故かコスモ買ってから頻繁に事故渋滞に巻き込まれるのでここで言う渋滞がなかなかハード。またこの個体は社外ROMや経年、太目のタイヤ等悪くなる要素が大きいので本来ならもう少し伸びたのかもしれない。
アテンザで似たような使い方の時はリッター12~8kmなのでアテンザの倍くらいか(どちらもハイオク)。


ただまあそもそも大した距離を乗るタイプではないのでガソリン代に関してはそこまで気にしていない(壊れた時に部品がでないという恐怖の方がでかい)。
燃料タンクは72Lなので航続距離は長くは無いが極端に短いわけでもない。

尚コスモの燃費についてよく言われるネタとして「燃料計が目に見えて動く」という話があるが…

実はコスモの燃料計、アナログのメーターカタチをしているがデジタル表示。針のように見えるのは単にデジタル表示の発光部。

つまりそのメモリの表示切り替わり瞬間を目撃すれば目に見えて減る。とはいえ大食いなのは全く否定できないが。(まあ趣味車としてみたらわりとこれくらいの車いそう)

 

コスモの発売は1990年、GYアテンザの発売は2012年、干支が一周するほどの間隔があるのだが、その時代の差を大きく感じたのがトルコン4ATの挙動。まあコスモの方はロータリーターボというわけで大パワー向けというのもあるのだろうが、GYアテンザの4AT(後期では5ATになるので3ナンバー級の4ATとしては最終世代だろう)に対して変速ショックや速度、ギアの切り替え挙動など、12年の差を一番感じた部分。コスモが悪いというより90年代のトルコンATの進化が凄かったという感じ。一気に主流になっただけある。

 

またアテンザに対して異なるのはエアバッグ・ABS(20B車にはあるが13B車には無い)といった安全装備の有無。これは時代相応といいたいところだが同時期かつ性格の近いアルシオーネSVXはエアバッグがついている。安全のスバル。エアバッグが無いので遠慮なく社外ステアリングにできる(購入時からMOMO)。


またCCSをはじめとした電気仕掛けのイメージが強いコスモだが、動力に関わる部分は意外にもアナログ寄り。
トラクションコントロールのような電子制御は無いし、90年代初頭は一種のブーム的に電子制御サスペンションや4WS等が使われた時期だが、その辺もない。後のFD RX-7に通じるシーケンシャルツインターボ、20B車の可変エグゾーストシステム等複雑な部分もあるが、当時としても比較的シンプル寄りで、新車当時の本の紹介でもそう紹介されている。

 

…そう考えると結構怖いというか気をつけなければならない。これまで乗ってたのは2000年代基準の安全装備を備えて、過度なパワーの無いNAのFF車とかいう安定性の権化みたいなGYアテンザだ。これはエアバッグもABSもトラクションコントロールも無いFRのロータリーターボ。うーん安全運転しようね。

更新: 2024/11/17
信頼性

30年落ちのクルマは何が起きるかわからない

経年車なので仕方ないのだが乗る度に何か壊れるレベル。

特に樹脂が割れる。特にこの車休眠明けなのでこれまでギリギリ大丈夫だった部分がパキパキ割れる。納車1週間で運転席パワーウインドウスイッチがドアの中に落ちた。というかセンターコンソールは既に固定部が割れていたのかタイラップ固定。

 

その後もシートベルト内部の部品が割れてシートベルトが戻らなくなったり、その後もハザードスイッチが落ちたり、ハザードスイッチ落ちた同じ日にパワーウインドウのローラーが割れてパワーウインドウしまらなくなったり。

 

ドアの内張りが謎の金具で補強されてたのでこれ外したらドアの内張り落っこちるんじゃないかと恐怖してたがこちらは単にクリップが弱ってただけだったのでクリップを新品に入れ替えて金具撤去できた。

またドアミラーの電動格納やリアウインドウデフォッガーなど前オーナーが意図的に使えない状態にしている機能もあった。恐らく壊れているのだろう。


そしてエアコンの操作パネルが乗っている間にどんどんボタン連打状態になり真夏にエアコンのヒューズ抜いておく羽目に。

https://minkara.carview.co.jp/userid/2810467/car/3579087/7981226/note.aspx

幸い部品をはんだ付けしたら治った。

 

ただこれらは今のところDIY修理・応急措置でなんとかなる程度の壊れ方なので良い。買った直後に自走不能とか全然あり得るわけで。


ただ納車から4カ月後から現在まで排気温度警告灯がつきっぱなしになってしまっている。コンピューターにエラーでは出ておらず、エンジンの挙動にも問題は無く、センサー側の配線をショートさせても消えないのでどこかの断線かメーター部の故障と思われるのだが…

更新: 2024/11/17
良かった度

ギリギリ体験できてよかった

色々壊れたり壊れてたりしているが買った事を後悔しているかといえばない。もしこの後お手上げになって早々に手放す事になったとしても、子供の頃の憧れの車に乗れた事は非常に大きい。首都高バトルに収録されていた首都高を収録されていた(20B車ではないが)ユーノスコスモで走るのは人生の目標を一つ達成した気分だ。

各社個性的な車を出していったバブル期において5チャンネルという大きな展開をして、そのフラッグシップの一つとして産まれたユーノスコスモ。

 

この個体はTypeSなので装備面ではそこまでバブル感は無いが、今だったら共通部品にするようなスイッチの作り分け、贅沢すぎる革や天然木の使い方、何よりこのデザイン優先でサイズの割に実用性が低いパッケージングは時代を感じる。

 

 

マツダの5チャンネル展開は決して成功とは言えなかったが、ユーノスブランドからはユーノスロードスターという誰もが認める名車が産まれた。

個人的にユーノスコスモも今のマツダが目指し実現しつつあるブランドイメージにどことなくその血を感じる。

もし現在、ユーノスコスモがターゲットとした層に向けて車を作るならクーペにはならない、SUVだ。そうしてみると、デザイン性や大排気量FRというある種伝統的でありつつ尖ったスペックのCX-80なんかは、血筋を感じる。インテリアデザインも水平基調で横を表現している辺り通じる部分もある。コスモのインテリアデザインすごいね。

 

一方こうして古いものは好きだがこうしてこの車の事を長々と書いて共有したり、オート三輪やこのコスモを自分のような素人が入手したりDIY修理できるのは現在のインターネットあってこそ。確かにバブル時代の「余裕」や「無駄」が無いけど情報化社会の今だからこそ自分は手を出せた。
こういうクルマは体験するなら早いうちがいい。少なくとも自分は今を逃したら乗れなかった。一度しかない人生、買ってよかったんだ。

更新: 2024/11/17

おまけ 手を入れた部分

さて一通り自分好みの手が入ってる車なのであまり大がかりなものは自分ではつけていないのだが、それでも結局ちまちまと自分好みのものをつけている。

ドラレコや霧島レイ追加のために電気配線整理して分岐つけたり、時代は異なるがぜひ体験しておきたかった光るスピーカーをつけたり。決して安くは無かったがユーノスコスモ用に他車用を加工したガナドールミラーが売られていたのでそれをつけたり(電動格納がきられているのはこれをつける気だったのでスルー)。またフロアマットは純正のフカフカは汚したら面倒そうだったのでKAROのマットを入手したり。

またこれはどちらが好みかは甲乙つけがたいのだが、まず「ユーノスコスモ」という車に乗った感が欲しかったので純正のメッキグリルを入手した。ただこれも純正はツメ固定で着脱が難しいので、RE雨宮グリルと同じネジ固定ができるように小加工して軽率に2つのグリルを交換できるようにしている。

あとステッカーはまあ好みですね。菊月痛車だよ。
ある程度素の状態を保つかも迷ったのだけどボンネットに前オーナーのステッカー跡がでかでかとあったのでそれを隠す意味を兼ねて。

当然気持ちは長く乗りたいけど、モノがモノだけにあんまり長く乗れる自信は無いので乗れるうちに楽しめるものは堪能しておきたい。

  • 購入金額

    1,800,000円

  • 購入日

    2024年03月24日

  • 購入場所

    FreeStyle

24人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (5)

  • jive9821さん

    11/17

    昔、結果的に親がA31セフィーロを買った時に、マツダのディーラーに商談にいって色々見てきたので、ユーノスコスモも実車を色々触っていました。私は小柄なので意外とリアシートも使えるなと思っていましたね。

    当時のマツダ販売店(販売チャンネルはマツダオート)のショールームには、ユーノスブランドのこの車も何故か並んでいましたし、フラッグシップセダンのセンティアも並んでいてなかなか壮観でした。

    センティアは自宅の車庫にはサイズの都合で入らないことが判り、コスモはさすがに2ドアで家族用にはと候補から外れ、クロノスが発売直前なのに営業マンに水を向けても知らぬ存ぜぬでカペラを売りつけてこようとしたので、マツダで買うことを断念したんですよね。セフィーロの契約を済ませてしばらくしてから暢気にクロノスのカタログを持って尋ねてきましたが、まあ当然手遅れでした。

    この時期はトヨタ・ソアラ、日産・レパード、ホンダ・レジェンド(これは4ドアもありました)と各社の大型2ドアラグジュアリーサルーンカーがしのぎを削っていましたが、バブルらしい突き抜け方はやはりコスモならではでした。今見ても十分格好良いですし、憧れますね。
  • Kei0048さん

    11/18

    まさにバブルが産んだ究極のラグジュアリークーペですね。現代まで通しても肩を並べられるのは(強いて言うなら)LCくらいでしょうか。
    クーペならではの伸びやかなフォルムがとても美しいです。
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