レビューメディア「ジグソー」

オーディオ全盛期ならではの贅沢な構成

発売から30年程度経過していると思われるケーブルです。

 

オーディオがまだ広く支持を集めていて、一種のブームだった時代に投入された製品で、導体は単結晶銅PCOCC(Pure Copper by Ohno Continuous Casting)ですが、そのPCOCCを太い単線として加工したSUPER PCOCC線材を採用した製品で、当時の最上位モデルであったと記憶しています。まあそれでも当時の希望小売価格は14,000円程度だったそうですので、今から見れば良い時代だったなと思います。今1万円台のRCAケーブルは「入門モデル」という区分になってしまいますからね…。

 

実は3年ほど前にHARD OFFのジャンク箱で発掘していたのですが、当時はこれといった使い途がなかったためそのまま放置していました。

 

 

 

 

 

 

 

この時期のaudio-technica製ケーブルは本体に型番の記載が無く、よほど店員が詳しい店でなければこの製品の価値を正確に評価するのは不可能だったと思いますが、それにしてもaudioquest ALFA-SNAKEよりも安いというのも…。

 

 

 

 

 

 

 

この個体は、厳密にはAT6210/0.5mという、ケーブル長50cmの品でした。まあ、これが1m以上であれば、ここまで放置せずにどこかで使っていたと思いますが。

 

 

 

 

 

 

前述の通り導体はSUPER PCOCC(線径1.5mm)だったようで、シールド部分もPCOCC編みだったはずです。

 

 

 

 

 

 

 

更にこの何の変哲も無く見えるRCAピンプラグですが、これもセンターピン部分はPCOCC製だったそうです。オールPCOCCという謳い文句の製品でした。

 

私がこのケーブルを使い始めたのは、STAX SRS-3100を導入したことが理由となります。オーディオI/FからSRM-252Sにアナログ信号を送るためにRCAインターコネクトケーブルが必要となり、録音モニター用途ですからそこそこ緻密に鳴って欲しいということで、このケーブルに白羽の矢が立ちました。

 

 

 

 

 

 

 

実はZonotone 6NAC-3000 Meisterとどちらを使うか悩んでいたのですが、ある試聴を切っ掛けにAT6210に決めたという経緯があります。

 

 

更新: 2024/07/19
総評

現代の製品にも引けを取らない性能の良さ

先日オーディオユニオンアクセサリー館で、JIB-Germany社製ケーブルの試聴イベントが開催されました。

 

 

 https://audiounion-accessory.blog.jp/archives/24549565.html

 

 https://audiounion-accessory.blog.jp/archives/24624268.html

 

 

この試聴イベントで比較品の持ち込みも歓迎とのことでしたので、AT6210を持ち込んでみたわけです。

 

試聴会の通常プログラムが終了したタイミングでAT6210に差し替えて聴きましたので、比較対象となったのは用意されていたJIB製品の中では上位製品となる、BLACK.rca2(希望小売価格 1.0m/50,050円)でした。

 

すると、音場の前後の奥行きはBLACK.rca2の方が遙かにきちんと出るものの、左右の広がりや解像度の高さ、力感など多くの点でAT6210は互角以上の勝負を演じて見せたのです。

 

正直に言ってしまえば入手した後きちんと音質評価をしていなかったので、現行モデルの5万円/m暮クラスのケーブルと勝負して互角以上の実力を示すことになるとは全く予想していなかったのです。しかも製造から30年以上は経過していると思われる製品であり、新品当時から見ればある程度の劣化もあるはずの状態でです。

 

導体以外の技術は現行製品の方が遙かに進化しているはずですが、それでも圧倒的にコストをかけた部材を組み合わせることで、小手先の技術を蹴散らすだけの物量の力を見せつけてくれたわけです。バブル時代のオーディオ、恐るべしとしか言いようがありません。

 

 

さて、自宅でSTAX SRS-3100に使ってみての印象ですが、音場がどうしても平面的になる部分はあるのですが、所詮ヘッドフォン(イヤースピーカー)向けに使うわけですから、そこはそれ程気になりません。

 

むしろそれよりもレンジが広く解像度も高いという王道のHi-Fiサウンドで、分解能も高いのでモニター用のシステムに使うケーブルとしては極めて優れていることが改めて認識できました。

 

 

単線を導体に使っているためケーブルが硬く、あまり大きく曲げられないという弱点はあるのですが、この音を出してくれるのであれば多少の不便は許容できるでしょう。まあ、今改めて中古相場を調べてみたら驚くほど高くなっている(発売時の新品価格以上)ようですが、またこれ位の価格で出てくれば迷わず買ってしまうと思います。

  • 購入金額

    880円

  • 購入日

    2021年11月23日

  • 購入場所

    HARD OFF

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