最近になり一部販売店で販売価格が大きく下がり、手頃な価格帯となってきたのが、final製イヤフォンケーブルC106です。具体的には2.5mm4極対応モデルがこれまでの2万円弱から7千円台へと下がった販売店がいくつか出てきたのです。
これまでに私が使ったことがあるfinal製ケーブルといえば、先日購入したヘッドフォン、SONOROUS VIに添付されてきたC093だけでした。
そこで一度イヤフォンケーブルも使ってみようと思い、CIEM 2pin対応モデル2P12DZCLEHを購入してみました。
何というか、独特のfinalらしい演出が感じられるパッケージで、好きな人は好きなんだろうなと思います。個人的にはケーブルにそのような演出が必要とは思いませんが…。
線材は銀コートOFCで、絶縁体はPFAフッ素ポリマーを使用していて、この素材は非常に誘電性に優れると説明されています。外装部分はクリアPVCです。中の導体をほぼそのまま見せるデザインで、銀色に光って見えます。スーパーコンピューター「京(kei)」用のケーブル開発、製造している事でも名高い潤工社との共同開発品とのことですが、別に京の線材とは直接関係ないのではと思う部分も…。
ちなみに京の線材を実際にオーディオケーブルとして使ったものとしては、タイムロードのオリジナルブランド「Architectura」から発売されているスピーカーケーブル「KEI」がありますが、「内部配線材として銀メッキを施した極細 OFC 導線に、絶縁体としてジュンフロン ® 被覆を採用した特注の超高性能線材」という説明があり、近似の素材ではあるものの同等ではないものと思います。
価格からすれば十分な性能
今回は2.5mm4極バランス対応ケーブルということで、DAPも2.5mm4極バランス端子を備えたAstell&Kern SE100を使って試聴します。イヤフォンは普段BeatAudio Vermilionと組み合わせている64AUDIO U4を使います。
この組み合わせで「Born For This Moment / Chicago」や「Freedom / Journey」などのソースを聴いてみました。
音調としてはやや中低域の厚みが不足気味ですが、それ以外の部分に大きな強調感は感じられない無難なバランスと思います。さすがに価格が2倍以上のVermilionと比べれば音場の密度が薄くヴォーカルもやや細身になる傾向は見られますが、解像度など基本性能は張り合えています。レンジも十分に広く、これだけ聴いていれば不満らしい不満は感じられないでしょう。
強いて言えば「Gaucho / Steely Dan」を聴いてみると密度感の薄さが結構顕著に感じられましたので、オーディオ的な質の高いソースを聴くと少し粗は目立つかも知れません。逆にイヤフォン最適化ソースである「Biri-Biri / YOASOBI」のようなソースでは特に不満点は感じられませんでしたので、普段聴いているソース次第では遙かに高価なVermilionと互角に勝負できると感じる人もいらっしゃると思います。
総合的なパフォーマンスから判断すれば、1万円以下クラスと考えればかなり優秀で、2万円弱であれば価格相応という所です。安価に入手できるのであればお薦め出来る製品と思います。
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購入金額
7,980円
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購入日
2024年05月29日
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購入場所
ヨドバシ.com
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