ついつい値段だけで買ってしまったイヤフォン用ケーブルです。
元々2017年に発売された製品ですが、発売当時は16芯銀コートOCCケーブルながら国内正規品で1万円割れ(当時は確か9,800円で発売されていたと記憶しています)という驚異的なコストパフォーマンスということで話題を呼びました。個人的にはWhiteSnakeという名前を聞いて
これが真っ先に思い浮かんでしまったわけですが…。
実は私もこれで音が良かったらかなり魅力的だと思い、早々にeイヤホンへと試聴に行きました。当時のメインイヤフォンはJH Audio Michelleでしたので、2.5mmバランス対応のAstell&Kern AK100IIと組み合わせて聴いたと思います。
ただ、結果としては正直あまり芳しいものではありませんでした。そもそもその時点で納得していれば買っていたでしょう。
このときの印象では、密度感の濃さは16芯らしいものの、低域方向がまるでダメというものでした。量はあるものの全く締まりが無く解像度も感じられずただ出ているだけと感じられたのです。それから時々比較的安く売られているものに出くわすことはあったのですが、試聴時の印象からそこまで欲しいと思わず、入手することは無いままでした。
それが何故今になって急に入手したのかといえば、ちょっとどころでは無く安く売られているものを見つけてしまったからです。
丁度前回取り上げたORB Clear Force Lightに近いグレードなのですが、こちらは結構立派な缶に入った状態で届きました。
Hisenior T2 Customとの組み合わせを試さなかったのは、恐らく傾向的に相性が悪いだろうなと思ってしまったからです。実はWhiteSnakeの方が随分先に入手していたのですが…。
16芯ですから太さはそこそこありますが、皮膜はかなり柔らかく取り回しは悪くありません。この辺りは所謂中華ケーブルらしいところです。
価格からすれば十分な水準は保っている
それでは6年以上前の試聴時と同じ、JH Audio Michelleを引っ張り出して試聴してみましょう。
DAPはさすがに当時と同じでは仕方ないので、2.5mm4極バランス対応のAstell&Kern SE100を組み合わせてみましょう。当時の印象がAK100IIの駆動力の低さに引っ張られている可能性がありましたからね。
試聴ソースはいずれもアナログから起こした「Can't Slow Down / Lionel Richie」「Born For This Moment / Chicago」辺りを適当に聴いています。
まず長所から行くと、音場の広さはごく普通であるものの密度感はかなり濃いということです。1万円前後クラスのケーブルでここまで音が濃いものはなかなか無いのではと思うほどです。またヴォーカルの質、ここでは特にライオネル・リッチーの声の質感はなかなか良好です。ミディアムテンポ以下の楽曲をまったりと聴くなら悪くありません。
ただ、ヴォーカルの質感は良好なのですが楽器の音、主にストリングスのような音はちょっと作り物感が出てしまいます。これは高域方向に悪い意味での銀の個性が乗ってしまうことで、所々に粗さが出てしまうことによるものでしょう。
そして最初の試聴時にダメ出しした低域方向ですが、これは本質的にはその時の印象が正しかったということが理解できます。DAPがSE100になったことで駆動力が上がり、AK100IIのようにだらしなく垂れ流されるという感じではないのですが、やはり締まりが無く解像度もあまり出ていません。
「If This Isn't Love / Chicago」はこのアルバムの中では珍しい硬質なロックサウンドなのですが、やはりキレが鈍くなってしまいます。低域だけでは無くスネアのキレもありませんし、ハイハットに銀の癖が乗ってしまいソフトすぎます。
とはいえ今回の購入価格であれば、この密度感はなかなか得がたいレベルであり、個性の一つとして考えれば有りなのではないかと思うようになりました。ちょっと味気ないと感じるようなイヤフォンで使うと案外化けるかも知れません。
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購入金額
2,260円
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購入日
2024年02月12日
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購入場所
ヨドバシ.com
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