本来であれば新品で買うべきだったのですが、中古セールに出てきたので取り敢えず試してみようと中古で買った品です。
マグネシウム製オーディオアクセサリーでお馴染みのサンシャインが発売しているイヤフォンリケーブルです。現在はH.S.E. GRANDE処理を施したKIWAMI GRANDEが上位モデルとして発売されていますが、物理的にはどちらも全く同じものであり、H.S.E. GRANDE処理をするかしないかだけの違いです。本体側端子は2.5mm4極バランスと3.5mm3極シングルエンドの2種類、イヤフォン側はMMCXのみが用意されています。
実は以前サンシャインの進藤社長とやりとりした際に、イヤフォン側は少なくともCIEM 2Pin、本体側も4.4mm5極バランスを用意しないと厳しいのではと伝えたのですが、サンシャインから発売されているオーディオケーブルの例に漏れず、この製品も設計・製造はティグロンで、ティグロンが作ってくれないので発売できないのだという回答でした。
私も以前から興味はあったのですが、なかなか購入に踏み切れなかったのはMMCXのみという点に尽きます。私が持っているMMCXのイヤフォンは常用レベルのものが無く、ケーブルに金をかけても結局殆ど使われることが無いのでついつい後回しにしていたわけです。
実は一月ほど前に届いていたのですが、なかなか使う機会が無く、先日届いたカスタムIEM、アルファ☆デシベル miro FRAMEをChord Hugoで使う際にようやく開封したというところです。よって到着直後の写真は残っていませんが、予めご了承ください。
写真はVECLOS EPS-500と組み合わせて撮影したものです。試聴もこのEPS-500を中心に行いました。
端子形状は2.5mm4極バランスを選択しています。基本的にはBriseAudio STR7-CONV経由でバランス接続しますが、Astell&Kern SE100との組み合わせでは直接バランス接続で聴くことが出来ます。
EPS-500はSHURE掛けを考慮した形状ではありませんが、KIWAMIのケーブル部分には軽いカーブがつけられているだけなので、伸ばして使えばこの形状にもマッチします。
外観上はEPS-500の付属ケーブルとも同程度のグレードに見えてしまいますが、ティグロン製のケーブルらしく導体にはDF-OFC(ディップフォーミング銅)が採用されています。
サンシャインらしいコストパフォーマンス
試聴に使ったイヤフォンはJVC HA-FW1800とVECLOS EPS-500、送り出しはChord HugoとAstell&Kern SE100でしたが、ここではSE100+EPS-500の組み合わせを中心にレビューしてみましょう。比較対象のケーブルはかなり価格が違いますが、ALO Audio SXC 8 IEM Cable MMCX- 2.5mm ALO-3030とします。私が所有するMMCXケーブルでは間違いなくこれが最も良質であるためです。
まず「Heart of Mine / Bobby Caldwell」を聴いたのですが、いきなり大きな驚きがありました。高域方向のクリアさや解像度こそSXC8 IEM Cableが勝りますが、低域方向の充実度や音場の広がり方はKIWAMIが一枚上手なのです。見た目はいかにも安っぽいKIWAMIが、いかにも上位クラスのケーブルという外観のSXC8 IEM Cableを上回ってくるのはさすがに予想できませんでした。
そして「Born For This Moment / Chicago」をそのまま聴いているのですが、シングルBAのEPS-500が密度の濃い音場をきちんと構築してきますし、最低域こそさすがに出きらないものの、それより上の辺りの低域の質がとても良質です。収録曲の「For The Love」ではロバート・ラムの声に説得力が感じられますし、アコースティックギターの弦の質感も良好です。EPS-500の印象が変わって感じられるほどです。
MMCX対応で私の試聴用のリファレンスとなり得るイヤフォンを持っていないため、敢えて比較的癖の少ないシングルBAのEPS-500を使ってみたのですが、このケーブルが並外れた密度感を持っていることがそれによりはっきり顕れたということなのかもしれません。EPS-500の添付ケーブルが最初からこのレベルの音を出していれば、このイヤフォンももっと評価されたのではないかと感じられました。
見た目はチープなので外観重視の方にはお薦めできませんが、MMCX対応のイヤフォンをお使いでもう少し情報量が欲しいと思うような場合であれば、まず使っていただきたいケーブルといえます。
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購入金額
6,890円
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購入日
2023年11月30日
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購入場所
eイヤホン
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