レビューメディア「ジグソー」

派手な外観に反して端正に整った音

2023年最後の買い物となった品です。12月31日まで開催されていたeイヤホンのシークレットセールで結構値下げされていたので買ってしまいました。Beat Audio製イヤフォンケーブル、Vermilionの2.5mm4極 - CIEM 2Pin仕様、国内代理店MixWave型番ではBEA-2015となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

現在VermilionはMKIIIが現行モデルであり、初代Vermilionは2014~2019年にかけて販売されました。製造時期によってプラグの変更などがあったようですが、私が入手した個体がどの時期のものかは正直判りません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少なくとも製造から5年近くは経過している訳ですが、外観上は劣化も無くかなり良好です。

 

 

 

 

 

 

 

2.5mm4極バランス端子は、MixWaveの過去のニュースで仕様変更が行われたことが明記されているのですが、その際には黒のストレートプラグから黒のL字プラグへの変更となっていました。シルバープラグの採用については資料が無く、どの時期か判別できないわけです。

 

 

 

 

 

 

 

CIEM 2Pinプラグは、装着した際表側となる面にBeat Audioのメーカーロゴ、裏側に左右を識別する「L」または「R」の文字があります。この辺りは外観と実用性が両立できていてなかなか良く出来ていると思います。

 

 

古い製品なのであまり詳細な資料は残っていないのですが、当時のカタログによると導体はOCC OFCというよくわからない表記となっています。無酸素銅なのは間違いないのでしょうが、OCC法で作られているのかは何ともいえません。更にいえば無酸素銅の弱点を補うために少量のミネラルを添加した独自素材と記載されていて、厳密に言えば純銅でもないということになります。ちなみに少量の他種素材を混ぜるという手法は、日立金属製のHiFC(微量のチタンを添加)など、割合普通に見られるものです。まあ結果が良ければどちらでも構いません。

 

 

更新: 2024/01/02
総評

突出した部分はないが、平均的に質は高い

今回はイヤフォンそのものに極端なバランスの偏りが無く、そこそこレンジの広さも確保できているものということで、久々にかつてのメインイヤフォン、JH Audio Michelleを引っ張り出してきました。

 

 

 

 

 

 

よって比較する相手はMichelleで常用しているWAGNUS. Chocolat Lilyとなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Chocolat Lilyはオーディオ的な基本性能もそこそこ高いのですが、間接音が豊かで独特の空気感が持ち味といえるケーブルです。それを踏まえた上でVermilionと比較してみます。

 

 

まずは「Born For This Moment / Chicago」ですが、レンジ感そのものはどちらも優秀なのですが、得意とする帯域は結構違うようです。Vermilionは帯域両端のやや内側にピークが出来ていて、弱ドンシャリながらバランスがとても整っているように感じられます。一方でChocolat Lilyはそれよりは帯域の両端に寄った部分にピークがあり、また中域の密度が濃く空気感が色濃く描写されます。

 

ニール・ドネルのヴォーカルはVermilionのほうが鮮明で前に出てきます。Chocolat Lilyは少し後に下がっていますが、その分音場表現は良く、なかなか甲乙つけがたい勝負です。高域方向はChocolat Lilyの方がアタックが鮮明で、Vermilionはあまり強調感が強くは無くスッと伸びている印象です。逆に低域方向はVermilionが鮮明でChocolat Lilyは少し埋もれる感じがします。

 

 

 

 

 

 

 

「Bridges / Steve Lukather」ではドラムやベースといったリズムを構成する部分はVermilionの活きの良さが発揮されますが、ヴォーカルやギター、音場の空気感はChocolat Lilyの持ち味が発揮されてとても魅力的です。まあ、ソースに忠実なのはVermilionの方でしょうけど、Chocolat Lilyの独特の空気感は今なお魅力的です。

 

新品当時の価格でいえば約3倍Vermilionの方が高価であり、それに見合った基本性能の高さは感じられるのですが、Chocolat LilyはWAGNUS.らしいサウンドメイクの巧みさが発揮された名作ということでしょう。改めて聴き比べてみてもどちらの音も魅力的としか結論を出せません。

 

 

とはいえ、Vermilionそのものは十分に魅力のある製品であり、現在の入手価格であれば複数買っても後悔しない程度には満足しました。できればBeat Audioの他の製品も使ってみたいところです。

  • 購入金額

    7,900円

  • 購入日

    2023年12月31日

  • 購入場所

    eイヤホン

19人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • harmankardonさん

    01/02

    Vermilionの定価はそこそこお高いですが,扱いやすくて,不思議なくらい音はいいですよね.評判がいいのが納得できます.
  • jive9821さん

    01/02

    > harmankardon さん

    以前使ったSilversonic MKVは正直イマイチだったのですが、
    Vermilionは値段に納得できるだけの実力は示してくれますね。

    本当はEmeraldを狙っていたのですが、格安品は買い逃して
    しまってVermilionを選んでいます。次の機会にはまた他の
    Beat Audio製品も使ってみたいですね。

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