現在の任地、非常に風が強い。駅北から海側に広がる工業地帯にあって、海に「近い」という程ではないのだが、地形的に海と山がわりに近く、今勤務している会社の近くは周りに風を遮るビルや丘などがないおかげ？で、冬は強い風が吹く。特に夜に風向きが変わった後は、会社の前の道路がちょうど風向き的に「風が吹き抜ける通路」という感じになっているようで、台風並の強さの風が吹くこともしばしば。

着任して一冬で3本、さらにその翌年に2本の傘を壊した。

とくに折りたたみ傘はその特性および構造上、普通の傘より骨組みが細く造ってあり、複雑な機構でもあるため壊れやすく、壊れた5本中4本が折りたたみ傘。

折りたたみ傘には飛び抜けて安価なものも少なく、一部あってもそれらは細い六本骨傘などかなり華奢な造りがほとんど。かといって「鞄にしまえる」という特徴は、安価なコンビニのビニール傘では代用できないので、壊れるたびに買うことになり、結構出費が嵩んでいた。

そんなとき見かけたのが、「風速150km/h耐久の折りたたみ傘」。

購入店での値付けとしては「通常価格帯の折りたたみ傘の2本分」程度。上記のように一冬で複数本折りたたみ傘を壊しているなら、「一冬越えれば元が取れる」と考え、ものは試しにと購入してみた。

ものは、 台湾発の折りたたみ傘「KUAIZI（クアイズィ）」。

KUAZI。ブラックを選んだので結構シック。

愛正揚國際行銷有限公司（IUMBRELLA INTERNATIONAL MARKETING CO.,LTD）という、傘の他にスポーツウエア周りの備品（タオルや機能性靴下、マスク）、合羽やアウトドア商品も手掛けているところが造っており、日本では当初クラファン（Makuake）で輸入されたようだ。よく市場の在庫品・余剰品などを安く仕入れて売っている購入店に、このクラファンで輸入した「あまり」が流れたのかもしれない。購入店では送料無料扱い（税別3,000円以上購入で送料無料）だったので、送料込みで比較するとクラファンの最安値（超早割）にプラス8円で入手できたことになり、ラッキーだった。

構造としては、開閉ワンボタンの折りたたみ傘。強風に耐えるために高密度ファイバーグラスの2重構造の骨を持っている。そのため、一時的にビル風・突風等で裏返しになったとしても、形状記憶でしなやかに元の形に戻る。

開閉はこのボタン一つ（開くとき上目を押す等ではなく、開も閉も同じ位置でOK）

その骨の強度としなやかさのためか、一般的な耐候雨傘が10本組など多くの骨で支えるのに対して、骨の本数は多くない。特徴的なのは、珍しく奇数本の7本骨（ひょっとして、正反対側と対称にならない奇数の方が「風の抜け」が良いのだろうか？）。

風に強いという事だが、意外なことに骨は7本とむしろ少なめ

骨が少ないと風に弱そうに思えるが．．．．

このファイバーの骨が軽くてしなやか（複雑な構造なのに）

撥水性も規格としては、はっ水試験（スプレーテスト）でも4級＝テスト後、全く濡れていない状態で小さな水滴が付着している程度という結果を残しているようだ。

また、日傘として使った場合は、UPF50+で抗紫外線99%という性能らしい。

紫外線の防御はワカランが、遮光はカンペキ

カラーは9色で、傘の内側はすべて黒なのだが、表側がブラック、ネイビー、グレー、イエロー、レッド、ブルーに加えてカモフラージュ（迷彩）がある。その他、布地は表裏とも黒なのだが、内側の「骨」の部分がポップな蛍光色に着色されている、ブラック×イエローもしくはブラック×ネオングリーンがある（骨に関しては、イエローとブルーも表側と同色に着色されている）。

今回購入したのは、会社に持っていくものなので、無難にブラック（傘面表裏黒で、骨組みも黒）。

実測重量は袋込みで397g。

実測397gなので、折りたたみとしてはソコソコ重い（コンビニビニール傘程度）

開くときはワンボタンで完全に開く。閉じるときはボタンをもう一度押すと、中棒が伸びた状態で傘部分はたためるので、石突の部分を押して中棒をたたむ感じ。この中棒を押すのが結構硬く、中途半端な位置で止まると、一度完全に開いてもう一回閉じなおさないとならないので、Amazonのレビューに「閉じなくなる」とあるのはたぶんそのせい？

ボタンで閉じるのはここまで

あと、風に対して確かに強い。ふた冬を越して強風や暴風に煽られ、雨に対して傘を楯のように使って裏返ってしまったことも数度あるが、全く問題ない。さすが風速150km/h耐久？

スプレーテスト4級という撥水に関しては．．．まあ、こんなモンかな。染みこむ感じは全くないので、閉じた後一度振り回せば、ほとんど水滴は飛んでいくが、「超撥水」を謳う傘のCMであるような、掛けた水がすべて水玉になって傘布の上を滑っていく．．．という程ではない。

抗紫外線については日傘としては使わないので不明。

で、使ってみての欠点は、上手くきれいにたためないこと。

撥水加工や抗紫外線加工の問題なのかも知れないが、まず傘布の生地に折り目がつきづらいので、綺麗な三角（というか変形台形？）にたためない。さらに、ジャンプ機構のせいなのか、しなりのあるファイバー骨のせいなのか、骨の位置に「落ち着き」がない、そのため一葉そこそこ綺麗に畳んでつぎの所に行くと、前の部分が開いてきたりして、7本（7枚）分畳むうちには結構ボアッとした感じに。結局幅広の留め帯でムリヤリ留めている感じ。傘は結構折り目通りきちんと畳むのが好きな自分としてはそこがストレス。

写真は新品時なので綺麗だが、使用後はこの太い留め帯でムリヤリまとめている感じになる

ただ、強さだけは本物で、すでに冬の暴風期を2シーズン耐えた。

そこは期待値以上。

また今年もコイツのシーズンがやってきたか．．．？

【仕様】

広げたときのサイズ：106cm（Φ）×64cm
収納時サイズ：32cm×5cm
重量：390g
材質：

　生地）ポリエステル100％、高密度超撥水、UPF50＋
　骨組成）ステンレス（中棒）、ダブルボーンファイバー（親骨）、

　　　　　プラスチック・鉄（ジョイント部）、ABS（グリップ）