レビューメディア「ジグソー」

バージョンアップのためのバージョンアップ感

今までWindowsで発売されたほぼ全てのバージョンを購入してきた、国産ワープロソフトの雄、一太郎ですが、私は昨年発売された「一太郎2022」は購入しませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はIMEのATOKについては、ATOK Passport プレミアムを長年契約していますが、今まで一太郎のパッケージを買うのはオフライン環境でも使えるATOKを更新するという意味合い(ATOK Passport版のATOKはインターネット接続環境が必須となる)も大きかったのです。しかし、一太郎2022では同梱のATOKが「ATOK Passport 1年分」となってしまい、別途契約しているATOK Passportとの差別化が出来なくなってしまいました。これではATOK目当てで買う意味はなくなってしまいましたし、一太郎そのものは年に数回使う程度であり、毎年バージョンアップをしなければいけないほどでもありません。結果として、敢えて新バージョンにする理由もなく一太郎2021を使い続けてきたわけです。

 

実は今年の一太郎2023も、当初は購入するつもりはありませんでした。しかし、一太郎2023で新たに実装された文章校正ツールが面白そうということ、ATOK Passport契約者向けに「ATOK Passport 1年分」を省いた廉価版が用意(Just My Shop限定)されたということで、ジャストシステムさんへのお布施の意味も込めて購入してみることにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このパッケージを見て気付いたのですが、これは本当に直販専用で店頭販売や他の業者による取り扱いは全く想定されていないようです。というのも、この箱にはJAN/EANを表すバーコードが何処にもないのです。強いて言えば箱の蓋部分にバーコードは用意されているのですが、このバーコードはスタート・ストップ文字に「a」というアルファベットが使われていて、JAN/EANとはコード体系が明らかに異なります。バーの本数から考えて社内での識別用に付与されているCODABAR(NW-7)でしょう。JAN/EANが無いということは、一般流通に乗せることはないことと等しいということです。

更新: 2023/02/15
総評

年1回のリリースのために無理矢理手を入れている印象

パッケージ内はDVD-ROM1枚の他は最低限の書面だけで、インストール時に必要なシリアル番号すら別添の購入明細の方に記載されています。説明書もQRコードでインターネット上のものを参照する形です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私のメインPCは一太郎2021と同時にインストールしたATOK Tech Ver.31を使っています。説明ではATOK 33に更新してから一太郎をインストールするよう指示されていますが、一太郎2023プラチナに同梱されている辞典を使わない限りATOK 33が必須というわけでは無さそうですので、ATOKは更新せずにそのままインストールします。

 

 

 

 

▲初回起動時にWebブラウザへの校正ツール組込実施を尋ねられる
▲初回起動時にWebブラウザへの校正ツール組込実施を尋ねられる

 

 

 

 

起動してしまえば、ここ数バージョンは見た目も殆ど変わらないままです。

 

 

 

 

▲公式サイト上の機能比較表
▲公式サイト上の機能比較表

 

 

 

 

というのも、はっきり言ってしまえば一太郎2023となって変化したのは殆ど文章校正ツールだけであり、この校正ツールが公文書の表記改定に対応したというのが最大のトピックであるわけです。一太郎本体も細かく使い勝手は向上しているようですが、そのために金を払って更新するかと言われるとかなり厳しい内容です。

 

 

 

 

▲出力先・出力形式の一覧は判りやすい
▲出力先・出力形式の一覧は判りやすい

 

 

 

校正ツールはまとまった文章を作成するときに重宝しますので、今回はこのために金を払ったと考えれば、まあ何とか納得できるかというところです。

 

しかし、現在はサブスクリプション型であるMicrosoft 365のオフォスアプリが、定期更新でどんどん機能追加されていく時代です。毎年2月に必ずリリースして、ちょっとした機能追加や更新のために金を払ってくれる人がどれだけいるのかという問題になります。恐らく本当に新バージョンが欲しいと思っている人はごく僅かで、私のようにジャストシステムにお布施しておくかという消極的な動機の購入者の方が多いのではないかという気がします。

 

ATOKをサブスクリプション化してしまった以上、パッケージの一太郎を売り続けるのはかなり厳しいと思うのですが、本来ならATOKと同時かそれ以前にサブスクリプション化しておくのが正解だった気がします。

  • 購入金額

    4,009円

  • 購入日

    2023年02月14日

  • 購入場所

    Just My Shop

17人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • cybercatさん

    2023/02/15

    自分もずぅぅぅぅぅぅぅぅっと買っていたのですが、ここ数年買っていません。

    メインに売りたい?一太郎に関しては、実は一番使用頻度が低く、変換効率が高く自分の名字が間違いなく変換できる(←大事w)オフライン版ATOKと、フリー描画も設計図も両方描ける唯一無二なグラフィックソフト花子、MS-Officeより安価で中華製でない表計算ソフトとしてのJUST Calc、スライドとしての利用ではなく作図ソフトとして使っているJUST Focusが自分としてはメインの使用ソフト。

    そうなると最上位のプラチナ(以前のスーパープレミアム)しか対象にならないので、高額。それでもATOKの開発支援とそれによる微々たる向上を得るために、長年毎年購入していましたが、一太郎添付のATOKがPassportに劣化した(自分の使い方では完全なる劣化)現在では、使用ソフトのOSの対応が切れたタイミングの更新だけでよいかと、当面購入しない予定です。
  • jive9821さん

    2023/02/15

    > cybercat さん

    私もATOKがPassport1年分に移行した時点で一太郎を買う気は
    ほぼ失せています。今回は文章校正ツールを試すため(ツール自体
    はWebブラウザ等でも使える)に買ってみましたが、本当に
    一太郎だけを欲しくて買っているユーザーがどの程度残っている
    のかですね。

    確かにオフライン版とサブスク版を両方維持して開発・サポート
    するのはリソース面で難しいのかも知れませんが、それならば
    一太郎も買い切り版を諦めた方が良かったのではないかと…。
    まあ、官公庁向けのVL版一太郎シリーズの関係で全面的に
    サブスクという訳にもいかないのでしょうけど。

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