レビューメディア「ジグソー」

配信リリースと物理CDリリース、どちらが「上」という事はないが、好きなのは物理

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。物理CD。楽曲の入手の仕方が、配信、サブスク、ファイルダウンロードなど様々な方法が出てきた現在、「メディアを購入する」という層も少なくなってきました。しかし配信やサブスクは手軽に(そして多くは安価に)楽曲に触れられる一方、ダウンロード購入以外は楽曲の「所有権」を購入しているわけではなく、「聴取権(映像もある場合は「視聴権」)」を購入しているだけにすぎず、アーティスト側や配信側の都合で公開が終了した場合、その楽曲を味わうことはできなくなります。(動画分野ではあるものの)昨年事業終了した大手動画配信サービスは、事業終了後は視聴が叶わなくなるため、買い切り型で購入していたユーザーには「永久視聴権」を謳っていたこともあり、返金処理がありましたが、それでもその作品が味わえなくなることには変わりありません。音楽(や映像)が「消費型サービス」になっている世の中で、ファンの希望を取り上げたのか、いままで配信で楽曲発表していたにもかかわらず、物理CDをリリースしてくれたアーティストがいます。その物理CDをご紹介します。

 

やまもとひかる、ベーシスト。YOASOBIやももいろクローバーZでサポートベーシストを務めているが、自身も2019年に「DOGMA」でアーティストデビューもしている。

 

その後少し間が開いたが、2021年に2ndシングル「NOISE」を出した後は、同じ年に「ZERO」、2022年に「ツキカケラ」と「ナムネス」と言った感じで、コンスタントにシングルをリリースしてきた。

 

しかし、リリースは原則配信で(Spotify、Apple music、LINE MUSIC、AWA、レコチョク、Youtube music、TIDAL、deezer等から配信/ストリーミング提供)、ダウンロード販売が少々(iTunes Store、Amazon music、OTOTOY)という感じ。特にOTOTOYが加わる前は、mp3形式だけで、聴き込むと若干音質的に....という点もあった。

 

また、cybercatは以前購入して「永久ダウンロード権」を持っていた楽曲が、サイトからの削除(理由不明)により、その音源が、ダウンロード済みの自分のPCに保存してあるものだけになって、あわてて複数にバックアップを分散したことがある。

 

そんなこんなで結構物理メディア信奉なのだが、最近のアーティストは「モノ」を出すのにこだわりがなく、配信リリースだけと言うことも少なくない(ま、モノがあると在庫リスクを抱えることになるので、その方が楽なのは理解できる)。

 

先日のひかるちゃんの初ライヴ、「AM vol.1」に向けて「どんなグッズ・物販がいい?」と、ファンクラブ向け配信でひかるちゃんから質問があったときに、「物理CD」と書き込んだのを取り上げてくれたのかどうかはわからないが、物販に「1st Live 記念CD」がラインアップされた。

 

その時点(2023年1月20日)までにリリースされていた5曲をリリース順に収めたもの。

 

それだけ、と言えばそうなのだが、やはり物理の安心感は大きい。また、ブックレットにはレコーディング情報の一部が載っているので、今まで不明だったマスタリングエンジニアや、YouTubeのMV公開ページにしか載っていない「ナムネス」のレコーディングメンバーなどが確認できる。

 

収められた曲は全曲レビュー済みだが、古いモノをおさらい。

 

デビュー曲の「DOGMA」。

ベーシストでもあるシンガーソングライター、キタニタツヤが提供した曲で、イントロや間奏、Bメロの嵐のスラップと、Aメロ、サビのメロディアスなベースパターンの落差が印象的。ひかるちゃんのヴォーカル、サビでギリファルセット領域という言うのが上手い調性。

 

ひかるちゃんが曲を書いた「NOISE」。

この曲は「ベーシストやまもとひかる」フィーチャリング。曲を通してスラップの嵐なのだが、2nd Verseの最初にあるジャズ調ランニングベースと、逆にほとんどスラップを使わないアウトロソロが対比的に効いている。

 

ZERO

は、MVの一シーンがFanicon

のホーム画面に採用されたり、MVに登場するキャラクターがキーホルダー

やアパレルグッズに取り上げられたりと、ビジュアル的にはひかるちゃんを代表する作品だが、シンベ併用でスラップ封印とプレイ的には異質。ただ気合いの力技クリッピングでの歪んだベースソロは他の楽曲では聴けないテイストなので、デジタルな雰囲気の楽曲と合わせて、印象は強い。

 

いずれも全て所持している楽曲なので(しかも「ZERO」はハイレゾでも持っている)、目新しさはないが、物理を押さえた安心感は大きい。

 

これで既リリースの5曲が「消える」事はなくなったが、今まで全て配信シングルだったためカップリング曲もなく、5曲のみのミニアルバムクラスというのがちょっと淋しい。先日ライヴで聴けた新曲も含めて、はやくフルアルバムとして聴ける作品数が揃うといいなと思ったり。

 

今年はソロ活動も充実させるとのことなので、今後に期待?

やっぱり物理CDは安心感が違う
やっぱり物理CDは安心感が違う

 

ちゃんとSME公認盤
ちゃんとSME(Sony Music Entertainment)公認盤

 

【収録曲】

1. DOGMA

2. NOISE

3. ZERO

4. ツキノカケラ

5. ナムネス

 

「NOISE」

更新: 2023/02/01
必聴度

既リリース曲を一度に聴けるのは良いな

リリース順に並んでいるので、ひかるちゃんの進化も感じ取れる

  • 購入金額

    2,000円

  • 購入日

    2023年01月20日

  • 購入場所

    AM vol.1 会場物販 @渋谷Veats

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