所持する音楽データに対する私利私欲．．．イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。プレイヤーとして優れているひとのソロ曲。プレイヤーとしての意識と、アーティストとしての意識のバランスを取るのはムズカシイらしく、意外に良曲に巡り会うのは少ないものです。しかし、他者が創作に関わることで、外部の視点が生まれ、結果としてバランスが取れた作品になることもあります。同じ楽器のプレイヤーが曲を創ることで、プレイヤーとしての魅せ場を十分に創りながら、楽曲としてのバランスが取れている作品をご紹介します。

やまもとひかる、ベーシスト。元々ニコニコ動画の「弾いてみた動画」で識ったベースプレイヤーだが、その後発表の主軸をYouTubeに移すとともに、プレイヤー／アーティストとしてもプロデビュー。プレイヤーとしては、ももいろクローバーZのツアーメンバーとして「氣志團万博 2019 -房総ロックンロール最高びんびん物語-」に出演したり、フジテレビCS NEXTの「お台場フォーク村NEXT」の「ダウンタウンしおこうじバンド」のレギュラーベーシストとなったりしていた。最新活動としては、YOASOBIのサポートベーシストとして、紅白をはじめとしたステージに立っている。

一方アーティストとしては、現在までに2曲を配信リリースしている。動画サイト時の活動でも、数曲「Bass & Vocal Cover」として、歌も歌っていたので、

歌える娘だったのだが、SONYからアーティストデビューした曲が本作「DOGMA」。

ベーシストらしく、ベースラインが主張する曲。特にイントロと間奏はスラップの嵐。曲はヨルシカのサポートなどで識られるベーシスト、キタニタツヤ。彼のダークな作風の曲が、ひかるちゃんの鋭いベースプレイと、突き放すような歌い方に合って、エッジの鋭い曲になっている。♪ほら声失くしたシンガーが今、大人になる／その両目に宿した色が消えていくよ／正しさに抗って間違っていても／綻ぶ余地のない独善を♪

この次の配信曲「NOISE」

は、ひかるちゃんの作曲で、よりひかるちゃんの魅せ場はあるが、ベースがグワッと前に出すぎた点もあって、楽器に興味が薄い人にはやや過飾にすぎるきらいもある。その意味では「弾きすぎていない」この曲はバランスはいい。

ベース好きな人たちに聴いて欲しい、作品です。

相変わらずダウンロード販売が圧縮音源しかないのは改善してホシイ．．．

【収録曲】

1. DOGMA

「DOGMA」