所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。プレイヤーでもあるアーティスト、そういう人のリリースする曲はバランスが難しい。プレイヤーから入ったファンは当然華麗なプレイを要求するし、本人としてもある程度魅せたいという気持ちもあると思う。しかし、あまりにテクニカルに走ると、アーティスト(表現者)として一般的なリスナーには受けない。さりとて、完全にプレイ不在で楽曲表現中心...となると、プレイヤーとしての存在に対するファンは肩透かしを喰ってしまう。そんな難しいバランスの「プレイヤーがリリースする楽曲」を上手く仕上げてきたアーティストの楽曲をご紹介します。
やまもとひかる、ベーシスト。自分は数年前、ニコ動の弾いてみた動画で彼女を識って、マイリスしていたが、その後投稿が途絶えて見失っていた....のが、いつの間にかつべに活動を活動を移していて、さらにももクロやYOASOBIのサポートメンバーに加わったり、THE ALFEEの坂崎幸之助のバンドメンバー(ダウンタウンしおこうじバンド)として、フジテレビNEXTの音楽番組「しおこうじ玉井詩織×坂崎幸之助のお台場フォーク村」にレギュラー出演したりしていた。
そんな彼女がソロデビューしたのが配信シングル「DOGMA」。
シンガーソングライターでsajou no hanaのベーシストのキタニタツヤが提供した曲らしく、強いベースラインにひかるちゃんの突き放したような歌い方の声が載った曲だったが、ややプレイヤーの方が前に出ていない感じだった。続く「NOISE」
は渡辺拓也が作詞と編曲を手がけ、ひかるちゃん自身が曲を書いたもの。この曲、色々なベース奏法が詰め込まれており、ベーススキーな自分としては最近イヤホン/ヘッドホンレビューの共通サンプル曲に選定している位なのだが、逸般人でない一般人目線(耳線?)では若干ベース過多。3rd配信シングルはファンク系にも造詣が深いケンカイヨシ(Loyly Lewis)の曲(曲はひかるちゃんと共同作曲)「ZERO」。
長いベースソロはベーシストらしかったけれど、どちらかというとちょっとコミカルな早口系の楽曲で、ヴォーカリストとしてのひかるちゃんの表現力が伸びた作品のように思う。
その次に出た4thデジタルシングルが、本作“ツキノカケラ”(リリース2022年5月13日)。
制作は、2ndの「NOISE」と同じ布陣で、渡辺拓也が作詞・編曲でひかるちゃんが曲担当。
その「ツキカケラ」。相変わらずハイスピードでリズムコンシャスな楽曲だが、前作に比べて「プレイヤーとしてのやまもとひかる」と「アーティストとしてのやまもとひかる」のバランスが良くなっている感じがする。ベースに興味があって「プレイヤー」を期待してもイントロなどの魅せ場や、複雑なスラップのバッキングプレイで満足できるし、ひかるちゃんのヴォーカルも表現力が増して、よく曲を表している。♪言葉掻き消す都市部のような/奪い合ったようなツキカケラ/真夜中に眠れないなら/優しさを検索して♪高速なピアノのリフとスラップが絡み合う間奏もスリリング!
MVはひかるちゃんを形取ったと思われるキャラクターが、夜のビル街を行くアニメーションで、アニメならではの表現も使った歌詞とのシンクロが訴えかけてくる。
今年からソロアーティストとして本格的な活動を始動させるひかるちゃん。
次の作品ももうリリースされているし、今後が楽しみなプレイヤー&アーティストです。
【収録曲】
1. ツキカケラ
「ツキカケラ」
ベーシストひかるとアーティストひかるのバランス良し!
曲が、上手くアレンジされていて、要所要所ではベースが目立っているが、ぱっと聴き、張りが増したひかるちゃんの声を支えているのは、ピアノシーケンスパターン。メロディが今までで一番「立って」いるかも。
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購入金額
250円
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購入日
2022年11月07日
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購入場所
Amazon music
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