所持する音楽データに対する私利私欲．．．イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。リズム隊。コンテンポラリー楽曲では、一般にベースとドラムスのことを指します（一部ではパーカッションを加える）。曲を聴いているとき一番耳に残るのは、メロディであることが多いでしょうが、実はリズムによって大きくその印象は変わります。その核となるベーシストとドラマーは相性があり、互いに気持ちよいと感じる組み合わせは、複数のバンドでコンビを組んだりします。そんな、他バンドでの組み合わせが繋いだ楽曲をご紹介します。

やまもとひかる、ベーシスト。以前からニコ動⇒YouTubeで「弾いてみた動画」を投稿していたが、いまやYOASOBIやももいろクローバーZのサポートメンバーとして活動しているメジャーな存在に。ももクロの方はツアー日程に合わせて呼ばれる数人のベーシストのうちのひとり、という感じだが、YOASOBIのサポートの方はほぼ固定で、忙しくツアーやTV出演などをこなしている。

そのYOASOBIで、同じくほぼ固定のサポートドラマーを務めているのが仄雲（ほのぐも）。どうやらYASOBIのAyaseの地元の先輩だったらしい仄雲、結構面白い性格らしい。そして後にYOASOBIバンドに参加したひかるちゃんとリズム隊を組み、YOASOBIの進撃を支えることになる。

その仄雲はYOASOBIとは別に、地元時代からのバンド眩暈SIREN（めまいサイレン）に所属しており、ひかるちゃんは眩暈SIRENのファンでもあるらしい。

そういうわけで？ひかるちゃんの5th配信シングルは、眩暈SIRENのヴォーカル京寺が詞を書き、キーボードのウルが作曲、アレンジは眩暈SIRENで、演奏もベース以外は眩暈SIRENメンバーと、バンドあげてのバックアップ。そのため、今までの曲と比べて遙かにバンドサウンドに仕上がっている。

「ナムネス」。眩暈SIRENが自身たちで創った曲、および演奏でバックアップするハイスピードな曲。ひかるちゃんのヴォーカルはさらに磨きがかかっているが、特に聴き所は仄雲とのコンビネーション。こういう速めの曲は、ノリ感のわずかな違いで気持ちよさが変わってくるが、流石にデジタルでノリのシビアなYOASOBIを支えるリズム隊のコンビ、バッチリのグルーヴで曲を前に前にと進める。ベーシストひかるちゃんの魅せ場はアウトロのソロだが、もうちょっと長く聴きたかったかなー．．．ま、本来表に出るポジションではないベースのプレイ中心に聴くような「逸」般人に足りないくらいの方が、一般人には過剰感がなくて余韻を残すんだろうけど。

この「ナムネス」を創った眩暈SIREN、先日（2023年1月20日）行われたばかりのひかるちゃんの初ソロライヴ（“AM Vol.1” at Veats Shibuya）で対バンを務めた。このときのひかるちゃんのバンドメンバーはドラムスは当然？仄雲。バッチリのグルーヴを聴かせてくれた（他のメンツはvivid undressのyu-yaがギターでサポート）。

今回の楽曲で、「突き抜けた」感じがするので、こういったバンド系の楽曲もドンドン手がけて欲しいな、と思ったり。

※いままで、ひかるちゃんの楽曲はストリーミングが中心で、ダウンロードで手元に元ファイルを置けるのが、ほぼAmazon musicだけで、それもmp3形式だったが、今までの曲も含めてOTOTOYでCDグレードが販売されるようになった（「ZERO」だけは24bit/48kHzのハイレゾ形式もあり）。10円ほどしか高くないので、買うなら今後こちらかな。

今までで一番バンド色が強い曲！

【収録曲】

1. ナムネス

「ナムネス」