私がBrise Audio製のイヤフォンケーブルを使うようになったのは、初代STR7-Stdの2.5mm4極-CIEM 2Pinを入手して気に入ったことからでした。現在は違いますが、かつては私がメインとして使い続けているイヤフォン、64AUDIO U4と組み合わせていたりもしました。
あくまで私の肌感覚でしかありませんが、STR7以上のケーブルであれば、私が期待するオーディオ的な性能(レンジ感、質感、解像度等)を満たしてくれるという安心感があります。
そこでそのうちもう1本このクラスのケーブルを欲しいと思っていたのですが、丁度その頃からコロナ禍によるリアルイベントの開催中止が続いてしまい、Brise Audioがよく実施していたイベント会場での格安セールの機会も無くなってしまっていたのです。
ようやくリアルイベントが復活してきた昨年末、アキハバラのポタフェスで久々にBrise Audioの格安販売が実施され、そこで久しぶりに購入したのがこちらのSTR7の後継モデル、STR7SEとなります。丁度元々使っていたSTR7-Stdと同じ2.5mm4極-CIEM 2Pinという形状ですので、折角ですから新旧の比較をしてみようと思います。
以前の格安販売は試聴機の現品処分だったのですが、今回は旧モデルの余剰在庫処分ですので、ごく普通の新品としての販売となります。
従ってきちんと保証書も同梱されていて新品保証も付いています。
端子周りは2.5mm4極側が下位モデルと同じ外観となり、これだけ見るとむしろグレードダウンしているように見えてしまいます…。
まあ、肝心なのは音ですから、早速音を比較してみることにしましょう。
低域方向の深さと音場の見通しが向上
今回は2.5mm4極-CIEM 2Pinケーブルの試聴ですから、DAPは2.5mm4極出力に対応するAstell&Kern A&Futura SE100、イヤフォンはJH Audio Michelleをそれぞれ使うことにしましょう。
ソースはLPから起こした「Why Are You Calling Me Now / Generation Radio」(LP「Generation Radio」収録)と「How Many Times / David Garrett」(LP「Explosive」)、FLAC 96Kで購入した「Hey Nineteen / Steely Dan」「怪物 from CrosSing / 鬼頭明里」を聴きました。
聴く前は率直に言ってしまえば同じクラスの1世代違いでは、それほど大した差は無いだろうと思っていました。しかし改良の成果なのか、逆にSTR7-Stdが古い分劣化してしまったのかは判断できませんが、結構大きな違いが生じていました。
まずGeneration Radioでは、曲の冒頭のパワフルなドラムソロの表現に違いがあります。STR7SEの方が低域がより深く、バスドラムのパワー感がよく表現されています。
David GarrettのヴァイオリンもSTR7-Stdでは少し籠もりが感じられる部分があったのですが、STR7SEでは弦の質感がより自然な方向になりました。また音場の広さも少しだけ広がり、さらにその音場の見通しが明瞭になりました。
Steely Danのオーディオ的に整った音はどちらもそこそこ高い水準で表現できていると思いますが、音場の明瞭度に差がある分だけSTR7SEの方がより質の高い音と感じます。鬼頭明里のヴォーカルもやはりSTR7SEの方が質感が向上し、ちょっとした生っぽさが感じられるようになります。
総合的に見て、STR7SEが低域方向の伸びや解像度、音場の明瞭度という要素で1ランク上の音を出してくれたのは間違いありません。ただ試聴機上がりを購入して4年近く経過していることでSTR7-Stdもかつてと比べればやはりちょっと衰えが出ているような気がします。恐らく新品同士で比較すればもう少し差は小さかったのではないかと思えるのです。というのも、比較した上でSTR7SEの長所として挙げた要素は、かつてはSTR7-Stdの良さとして感じられていた部分ですので。
それは置いておくとしても、STR7SEは基本性能が高く強い癖もないケーブルですので、幅広いイヤフォンと組み合わせることが出来そうな、質の良いケーブルと言えるでしょう。
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購入金額
15,000円
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購入日
2022年12月18日
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購入場所
ポタフェス Brise Audio ブース
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